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物語は唐突に

作者が女なのでちょっと主人公が女々しいかもしれないですがそこは許してください。

俺の名前は名田彩斗(なたあやと)。中学三年生だ。


突然だが、学校には長期の休みの前、学校にいる最後の日に必ずしなくてはならないことがある。……それは、大掃除だ。『掃除』という単語一つでもはや嫌だというのに、その言葉に『大』がついたもんだから大変だ。



あ、いらん心配だと思うけどダジャレじゃないよ?

ただの本心の暴露だから!

だってさ、掃き掃除や黒板ふきならまだいいじゃん。比較的すぐに終わる上に、範囲が教室だけで済むから狭いしさ。俺はね、世界中の人にどこを掃除するのが一番めんどくさいかを、頭をひねって思い出して欲しいんだ。俺と同じ思いの人、きっといるって。



そう――げた箱。それは、大掃除の敵。魚の泳いでいた水槽や教室の窓と一二を争う、綺麗にするのが面倒な場所だ。さっきも言った理論の通りなら、窓があるのは教室の中だし、むしろ水槽は教室よりも遥かに狭く小さいから、掃除をするにあたってまだマシな場所といえるはずだけど、この二つは例外だ。なぜなら、窓を拭くには棚に登らなくてはいけない。スプレーのような物を使わなくてはいけない。水槽は綺麗にしたことがないけど、俺が見た限りだと汚れがこびりついていそうだ。魚も移動させなくちゃいけないし。範囲とか移動距離とか考えるまでもなく、ただただめんどい。そんなイメージがあるからだ。



話がそれた。水槽と、窓。この二つだけでもここまで愚痴ることができる俺だけど、げた箱は格が違うと考えている。まず、玄関まで動くのがめんどくさい。そして、道具を持ってきたりバケツに水を汲むのもめんどくさい。さらに言うとすれば雑巾を絞るのもめんどくさい。ちょっと考えてみよう。下駄箱掃除はとにかく時間がかかる。その中は砂がこびりつき、雨水や泥水で汚れ、いざ掃除しようと腹をくくってはみたものの、触る勇気が出ないのも、よくある話。これだから、俺的掃除したくない場所歴代一位。



察しのいい人ならもう分かっているかもしれないが、運の悪いことに、今回の大掃除で俺が掃除することになった場所は『げた箱』だ。



なんの因果だ。

俺はなにか恨まれるような事をしたか?

くじに使われた紙、いや、無残にくじにされた紙たちよ。

俺を恨むなよおおおお!!!恨むなら先生だろうがよおおお!!!俺!!お前らがあ!!くじになるなんて知らなかったんだよおおお!!!



……こほん。また話がそれた。

とにかく、そんなわけで、俺はげた箱が嫌いだ。掃除とかマジめんどくさい。さっきからめんどくさいという言葉を乱用しているが、自他認めるめんどくさがりやだからどうしようもない。



そんなめんどくさがりやの俺にも、やってみたいことはある。

それは、冒険だ。



剣と魔法の世界で最強になってモテたい。壮大な現実逃避をしたい。魔王をペットにしたい。

誰もがこんなことを考えたり考えなかったりするのではないだろうか。ちなみに俺は、毎日考えている。暇人なのかって?ああ暇人さ。恐れ入ったか。



そんな暇人少年Aの俺、ついに目的地に着きました。

俺以外誰も来ていないとはどういうことだ。

まあ、しょうがない。ちゃっちゃと終わらせてぱっぱと寝よう。このあとは終業式だし。……とは言ったものの。



「どっから手を付けりゃあいいんだ、これ」



うん、とりあえず、自分のからやろう。うん、そうしよう!

えーっと、一年一組、十一番……。あ、あった。



……………………………。



……は?

俺のげた箱が光り輝いているんだけど。

なにこれ?ねえなにこれ?父さん母さん、俺どうすりゃいい?

ちょっと待ってよ、俺、義務教育九年目だけど、初めて見たよ、げた箱ってこんな、ぱああああって光るもんなの?マジで?



――ヒュオオオオオオォ!!



え、うっわ何コレ吸い込まれてない?背中に当たる風当たり強すぎない?え、ちょっと待って、ねえ、待ってってば、う、う、



「うわあああぁああぁああぁぁぁあぁああぁぁぁ――!!」



****



「っ、いってぇ……」



痛い痛い痛い。

なんか高いところから落ちたぞ。

何が起きたんだ?

慌てて周りを見渡すも、視界が色鮮やかなバラの群れで遮られる。なんとなく、ここはバラ園みたいな所なんだなということはわかった。普通ならもっと騒ぐか固まっていてもおかしくないだろうと自分でも思うが、あまりにも現実離れした状況に陥ると、人は冷静になるようだ。

ぐうう。あ、お腹がなった。

途方に暮れたが、とりあえずバラを手でかき分け進んでみる。なんだか音……というか、声がする……?



「本日もご機嫌麗しゅうございますね、アリシア様!」

「…うふふ。今日は一度もリビがお茶をこぼさなかったからかしら」



なんかこう…やる気に満ちた元気な声と、喋り方が全文棒読みなぐだぐだした声が聞こえてきた。

というか、様付けをしていたよな、今。しかも、バラ園(仮)でお茶を飲んでるってどんだけ金持ちなんだ。

そう思いつつ、思い切って声のする方へ顔だけ出してみた。



「……っ!?」



そこはバラがなく開けており、テーブルと椅子が置いてあり、気だる気な目をしたロング髪美少女と満点笑顔なショートカットの幼い女の子がいた。女の子はカップにお茶を注ごうとしたまま、美少女は静かに座ったまま、固まっていた。

なんか、驚かれてしまったようだ。ショートカットの子なんてこっちを見て震えている。



「な……」



「な?」



女の子が俺に何か言おうとしてる。と思った次の瞬間。



「生首いいいぃいいぃぃぃぃ!!!!」



…………………。

はい?



「え、ちょっ、ちょっと、リビ落ち着いて。ただの人、ただの不法侵入者だから。見えづらいけど首から下あるから」



きょとん、としてたら美少女が女の子を宥め始めた。

いや、うれしいよ?俺としては困ってたからすごい嬉しい。けどさ、説明さ、もうちょっと危機感持とうぜ……。ただの不法侵入者って何?初めて耳にしたわ。

なんて俺が悶々としていたら、



「アリシア様、どうなされました!?」



「ライリー」



なんだろう、城兵みたいな人が来てしまった。

ライリーって名前なのかな。

優しそうな雰囲気だけど、結構凛々しい顔をしてるな。

俺より二、三歳くらい上かな。

これさ、もしかして、もしかしなくても詰んだ?



「お前は誰だ。名を言え、王様に引き渡してくれる」



目の色変えてドスの効いた声で言われ、顔が強ばった。とりあえず、名を告げることにする。



「……俺は、アヤト。ここは、どこだ」



「とぼけるな。ここは城だ。何故ここにいる」



やっぱり信じてもらえないか……槍みたいなの構えられた……。でも嘘とかついてもややこしくなりそうだしな。ていうか、城?城って言ったこの人?日本じゃないの?いや、みんな西洋っぽい服着てるけどさ。

とりあえず、上を見上げてみた。うむ、見事なお城があるの。

わー、なんだここ日本語を話す外国があるとか知らないし。

いや、ていうかこの世界は本当に俺のいた世界か?

……王様と話せばわかるかも?



しばらく考えて結論を出した俺は返事を返した。



「とぼけてない。よく分からないが気づいたらこのバラ園にいた。そうとしか説明ができない。ここは日本なのか?」



「日本……?なんだそれは」



「俺の祖国だ」



「国?……私とでは話をしても埒が明かないようだな。王に会え。ただし、少しでも怪しい動きをしたらこの槍で突き抜く」



「わかった」



ひええ怖い怖い怖い。なにが起きてるんだよなんで日本知らないのこの人。違う世界とか?異世界にワープしちゃった?



兵に取り押さえられながらそんなことを考え、王に会うべく城へ歩いた。驚かしてしまった女の子二人の視線を浴びながら。

空気と化す王女と従者。

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