琥珀園⑥
打ち合いを始めてから何分経っただろうか。
お互いボロボロで息も乱れている。
『・・・いい・・加減にっ、諦めろっ』
『やなこったっ!』
ついに運命の時がやってきた。
番人の一瞬の隙を突いて、ジョーカーは番人の心臓をついた。
グサッ!
『グワーー』
番人が倒れる。
『つい・・・に、《海の至宝》を手に・・入れたぞっ』
膝をつき息絶え絶えで言う。
早く仲間の元へ戻らなくちゃ・・・・・!
その頃、ジョーカーの帰りを洞窟の入り口で待っている手下たちは・・・・。
『キャプテン。まだ帰ってこないよ』
うろうろとうろつく手下A。
『ああ、もうっ。うざい。落ち着け』
手下Aを叱咤する手下B。
『そうだ、手下Bの言う通りだ。落ち着け』
キャプテンは必ず帰ってくるし、宝も持ってくる。
だから、信じて待つんだ。
『でもっ・・・!』
なおも言い募ろうとしてる手下A。
『ああもう、うるさいな!』
どこからか、猿轡とロープーを出し手下Aをぐるぐるまきにする手下B。
それから一刻はたっただろうか。
ズリ、ズリと奥から引きずるような音がした。
『なんだ。なんだっ?』
おびえる手下ーズ。
『・・・・・わりぃな』
中から出てきたのは、ジョーカーだった。
『『『キャプテン!』』』
『遅れて悪かったな』
『いいんです。そんな事は!無事に帰ってきてくれたんですから』
大喜びで飛び跳ねる手下Bと手下C。
『あれ手下Aは?』
もう一人がいないことに疑問に思うジョーカー。
『んんんぅぅぅぅ』
猿轡でぐるぐる巻きにされ隅に転がされていた。