そんな日常④
気のせいかもしれないが、ここ二、三日凌君の顔色が悪かった。
特に今日はひどい。倒れてもおかしくない顔色だ。
疲れが溜まってしまったのだろうか?
大丈夫かな~、凌君。槇ちゃんもいるし大丈夫だと思うけど・・・・。
不安だな~。
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そんな不安を園長が抱いてると知らず、二人はのんきに歩いていた。
「ねぇ、凌」
「ん?」
皆が描いた絵を眺めていたボクは、槇に呼びかけられ視線を移す。
「アンタ、疲れたまってるでしょ」
顔色が悪いわ。視線がそう訴えてくる。
「大したことじゃない。睡眠不足が祟っただけだよ」
「それでもひどいわ」
「皆にバレなきゃ平気さ」
そう言うと視線がより一層鋭くなる。
槇が心配していることは知っているが、そこまで酷くはない。
それは揺るぎない事実で、ボクの体調の事はよくボクが知っている。
その事を槇に言っても聞かないだろう。
小さいころから一緒に過ごしてきた為、なんでもお見通しだし、心配性だ。
逆もその然り。ボクも彼女の事は何でも知っている。・・・・多少の語弊はあるが・・・。
「・・・・・・・倒れても知らないからねっ!」
そう言って槇がそっぽ向く。
そんな彼女の反応が予想通りで、つい笑ってしまう。
「何がおかしいのっ!せっかく人が心配してるのに・・・!}
「ゴメンゴメン、なんでもない。心配してくれてありがと」
「当り前でしょ?幼馴染なんだから!」
誇らしげに槇が言う。
「じゃあ、晃輝も気づいてるかな?」
「どうでしょうね。あの子鈍いとこがあるから・・・」
肩をすくめて言う。
「無理しないで今日は早めに帰るよ。寝たら治る」
「そうしなさい」
二人はたわいもない話をしながら子供たちの所へと足早に向う。
園長の心配は気付いてないようだ。