そんな日常
夏休みが始まる一か月前。
ボク達は相変わらず琥珀園に行っては、劇とマホーを見せ子供たちと遊び、そして帰る。
これが最近ボクと槇の毎日だ。
「最近は平和でいいな」
今、ボクは琥珀園にある中庭のベンチに座って空を眺めている。
今日はそんなに暑くもなく心地よい風が吹く。
「何言ってんの。あと少しで期末よ」
空を眺めてるボクとは反対に教科書を眺め勉強をしてる槇。
思わず眉をしかめる。
「よくやるなぁ。いい天気なのに・・・・」
「あたしとアンタは脳の構造が違うの。教科書読んだだけで分かるわけないわよ」
夜叉の眼をしてボクを睨む。おおーー、こわっ!
自分だって毎回上位三位に載ってるから頭がいいことには変わりない。
ちなみにボクは毎回学年一位。それが槇には許せないそうだ。
槇曰く、大した勉強もしないで遊び呆けてるボクが許せないそうだ。
仕方ないじゃないか。読んで分かっちゃうものは分かっちゃうんだ。
ボクのせいじゃない。この脳をくれた神様のせいだ。
怨むならこの脳を授けてくれなかった神様を恨め!
んな事を、ブツブツ心のうちで呟いてたら槇の視線が一層強くなった。
レベルで言うと、死人の魂を狩にきた死神だろう。
「ふーん」
これ以上なんか言うと精神的ダメージが待ってそうだ。
「それより明日はどうしようか~」
「期末対策」
ボクの言葉を一刀両端す冷たい武器。
さて、ここで疑問に思った方はいるだろうか?
本当なら明日もここで過ごすつもりだったのだが、園長さんから急な話が入ったのだ。