琥珀園⑭
スー、スーとボクに体をあずけて秋一は寝ていた。
泣き疲れと不安から解放されてすっかりと安心したようだ。
ふと、周りを見渡すとボク達を中心に円を書くように子供達も寝ていた。
「お疲れ様」
「・・・・・槇」
子供たちを起こさないように注意深く凌のそばによる。
「くすっ、静かになったわね」
「まぁな。それよりお前がボクを労わるなんてキモチワルイナ」
おかげで全身に鳥肌立ったよ。槇が槇じゃないみたいだ。
「失礼ね!」
バシン。ものすごい力でボクの背中をたたく。
「・・・・っ」
あまりの痛さに悶える。・・・・情けないな。
「あたしに、口答えするのがいけないのよ」
そんなボクを見て声高く笑う槇。鬼だ!ここに鬼がいる!
「なんつー馬鹿力だよ」
「フフフ、なんか言った凌?」
黒い笑みを浮かべる槇。ついでに黒いオーラも背負っている。
ヤバいな。命の危機を感じるのはボクだけかな?
「イイエ、ナニモイッテマセン」
穏やかな雰因気に比例して、冷たい空気が流れる。
「そういえば今何時だ?」
ふと思いだして槇に尋ねる。
「えーと、あともう少しで七時よ」
「そうか。もうそんな時間か」
今日は、色々あったから時間の感覚がなくなってたよ。