琥珀園⑬
「あーー、ほらいい加減泣き止め!男の子だろう」
リズムよく秋一の背中をたたく。
今まで傍観していただけの槇が口をはさむ。
「あら、泣かしたのは凌でしょ?相手しなかったんだから」
「そういわれてもなぁ・・・・」
お前だって分かるだろう?
途方に暮れた凌の眼が雄弁に訴えかける。
やれやれ、我が幼馴染様は御困りのようね。世話の焼ける。
槇は今だ泣きやむ気配がない秋一を見る。
凌がここ数日秋一に逢わなかった意図は知ってるし、あたしもその立場ならやってるね。
彼らは孤独の故ココロに大きな穴を持っている。大きさは個人差と過去に関係性があるが、その中で秋一はとりわけヒドイ。
さて、どうしたもんか・・・・。
困惑にたたずんでると園長室にいってた健太と絵梨が戻ってきた。
「りょーにいー、まきねぇーー」
秋一の様子には気付かず、槇のところへかけよる。
「どうだった?性別分かった?」
「うんっ!女の子だったよーー!」
「そっかー、女の子だったか」
「えんちょうせんせいは、ものしりだねー。ね、けんた」
猫とじゃれていた健太は曖昧な返事を返す。
「ちょっと、えりのはなしきいてたの」
ぷくぅーー、と頬を膨らまし、健太の方へ行った。