琥珀園⑪
「ハハッ、興味シンシンだな」
そう言ってる凌の眼は穏やかな光を帯びて二人の背中を見ていた。
「いいじゃないの。動物はめったに見れないんだから」
「そうだな」
ほのぼのした空気が流れる。
「りょー!」
という叫び声とともに背中に衝撃が走る。
「ぐはっ・・・!」
勢いとともに床に激突した。
「・・っ。いってー。なにすんだ!秋一!」
元凶を怒鳴る凌。
「ヘッヘェー!すきありー!」
今だ凌を馬乗りにしている秋一。
「いい加減降りろ!重いんだよ」
「やだー」
「いいから降りろ!」
「いやなもんはいやだ!」
駄々をこねる。
凌は思わず溜息を吐いた。
普段からわがままを言う秋一だが、限度を知ってるのでここまでわがままは言わない。
「・・・どうした?秋一」
このさい床に寝転んでいることは気にしない。
まずは、目先の問題を解決しなくてはどうにもならないだろう。
「・・・・・・」
急な呼びかけにうつむく秋一。
「言ってくれなきゃボクはわからないよ」
やさしく声をかける。
「・・・って」
「ん?」
「だって最近かまってくれなかったじゃないか!おれのこと、りょー、キライになったの?
ワガママ言ってばかりだからっ・・・!」
涙声で必死に訴えかける秋一。ギュッと凌の制服をつかんで泣かないように耐える。