第2話 バイト?
8月8日月曜日執筆
チートの能力については大体把握できた。
純粋に素の身体能力が向上したわけじゃなくて、重い物を持ち上げて限界だと思ったら不思議パワーで軽くなるといった感じ、攻撃・防御面に関しては攻撃するとか防御するという意思で力が決まってるように思える。
木を粉々にするつもりで殴ったら粉々になったし、木を傷つけたくないと思って殴ったら手首痛めました。
あと魔法はファイアーボールとか言ってみたけど使い方はマジでわからないので、これから調べる機会があれば調べようと思います。
現状で分かる事なんて普通はこんなもんですよ?
「頭の中に使い方が浮かんでくる!? これで魔法を思う存分使えるぜっ!!」ってなるわけないじゃないですか(笑)
魔法は正直使いたかったけど力を隠して生きていくなら魔法にこだわるのはやめておこうとも思う。
「そろそろ人との交流が欲しいかも……。」
そう!俺は現在、川のほとりで息絶えた2匹の豚っぽいなにかと一緒にボーっとしてます。
解体しようとか考えてたんだけど、刃物持ってなくて手刀でなんとかならんかと思ったけど、なんともならなかったんだよね。いくらチートでもそこまで万能ではないか……。
というわけでコンビニ弁当を食します。
こんな時に限ってカルボナーラを買ってしまった自分を呪いたくなる!
冷たいままのカルボナーラはソースが絡まないという弱点がある!!
せめて火があれば温める事はできたかもしれないのにっ!!!
脳内でグチグチと文句を言いながらカルボナーラを完食すると、背後から人の気配がした。
「とりあえず一旦隠れとくか……。」
豚さん2匹と一緒のところを見られるのはマズイので、豚さんを川に放置したまま木の上に登って様子を見る。
現在時刻は周りの明るさから考えて午後5,6時といったところ
盗賊とかそんな類の連中だと対応が面倒なので、まずは容姿などから確認する
考えを巡らせていると川に2人の男が出てきた、1人は中年でもう1人は若者だ。
容姿的には戦士とか冒険者って感じの皮っぽい鎧と、ロングソードとか言われてそうな剣を豚に向かって抜いている。
しばらくして豚が絶命していることに気づいた2人は、なにやら喜んでいる様子。あの豚さん高く売れるとか、ちゃんと調理したらめっちゃ美味しいとかそんな感じなのかな?
中年の男はその場で火を焚き始め、若者は森の中へ走っていった。
それにしても、火を焚くときに掌をかざしてたのはおそらく魔法だよね?
なにか言ってる感じだったし詠唱的なのが必要なのか……。
と考えてる間に若者の方が2人の女性を連れて戻ってきた、男2人女2人のパーティーとか最高かよっ!!
女性2人の容姿も確認するが装備的には男2人と変わらず皮の鎧とロングソード、魔法使いって結構貴重な存在なのかな?
たまたま居なかった可能性もあるし、この件は一旦保留。
その後は焚火の周りに簡単そうな小さなテントを張り、豚さんを解体して調理していた。豚さん美味しいのか……次見かけたら絶対食べよう!!
いつまでも観察してられないので自分の寝床として考えていた城門まで来ていた。
やっぱり寝てるところ襲われたら死んじゃうし、最悪牢屋とかでいいから!安心安全が欲しいんだ!!
お金を落とした・頼れる人も知り合いもここにはいない・土下座でなんとか詰め所の簡易ベッド的なところは借りられてなんとかこの日を終える事ができた。
翌日
「おい、ラキアはこれからどうするんだ? 金がないんじゃ行く当てもないんじゃねーのか?」
山田アキラのアキラを逆にしたシンプルな名前にした。アキラだと同じ異世界人に出くわした時に即バレしそうだから、ちなみに話しかけてきたのは眠たいのになかなか寝かせてくれなかったレイモンドさん35歳。
「仕事とか手伝いとかお金稼げるようなところ知りませんか?なければまた森で野宿生活なんです……。」
「稼げるところかぁ……。城壁の補修工事とかやってたけど出来るか?」
「はい!是非やらせてくださいっ!!」
レイモンドさんの案内で城壁の外で現場監督らしき人と対面
「あんたかい無一文の中年ってのは?」
「は、はい。ラキアです、今日はよろしくお願いします。」
「しっかり働きゃ金は出す手を抜くんじゃないよ?」
「頑張ります!!」
現場監督が女性でビックリしたが、金を稼ぐ事が出来たのはラッキーだった。とりあえず今は仕事に集中して稼げるだけ稼いでみよう。
その後、現場監督のシャラさんに昼食を御馳走してもらい夕方まで城壁の補修に精をだした。
「ヒョロヒョロにしては中々頑張ったねぇ。ちょっとだけ色つけて銀貨5枚ってとこだね。」
「あ、ありがとうございます!」
銀貨5枚の価値がどのぐらいかはわからないけど、初めて自分で働いて稼いだ時の感動を思い出してなんだか少し泣けてきた。
硬貨の価値は小銅貨・銅貨・銀貨・金貨といった感じで10円100円1000円10000円の価値という考え方で良さそうだ。
つまり10円以下の物は売っていないという事と、俺の今日の給料は5000円だったという事
この世界でのアルバイトは5000円ぐらいが妥当なのだろうか?
あと、城門を通るのに銀貨1枚取られるんだよね………。4000円で宿に泊まれますかね?
なんと奇跡的に最初に入った宿は一泊食事なしで銀貨1枚だった!
ご都合的な何かに引っ張られたか?とか考えたけど、一回だけの幸運で決めつけるのは早計なのでこれも保留。
食事がないので近くの食堂へ、適当に席についた俺はメニューが分からないので店員オススメのメニューを頼んだ。
美味しかった!すごく美味しかった……だけど値段が銀貨1枚は高すぎないか!?
とりあえずシャラさんには明日も働かせてもらえるように頼んだので、明日は今日より稼げるように頑張ろうと思う!
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
次話も読んでいただけると幸いですので、今後ともよろしくお願い致します。