三人の恋人
アサカとセフィリアが転校してきてから数日が経った。
今の所、大した波乱も無く穏やかに日々を過ごしている。
マナ化植物の件は少し心配だけど、実際にモンスターが自然発生するのは、まだまだ先だろうとのことなので、それはひとまず置いておくか。
今後は陽那、結月、アサカという三人の可愛い恋人とイチャつきながら、学校生活を満喫するとしよう。
もちろんセフィリアとも学校では仲良くするつもりだし、一応恋人設定だから共に高みを目指して一緒に鍛錬もしようとも思う。
でも、これ以上恋人を増やすのは、陽那と結月とアサカに悪いから、そういう関係にはならないつもりだ。
学校生活での大きなイベントと言えば、一番に思いつくのは文化祭だろうか。この界隈での定番であるメイド喫茶イベントがあるだろうし楽しみだ。セフィリアのメイド姿はさぞかし可愛いんだろうな……。
「樹、顔がいやらしい感じに緩んでるよ! どうせまたセフィリアのことでも考えていたんでしょ?」
「いやいや、そんなわけないでしょ!」
陽那の指摘に、俺は慌てて首を横に振る。最近は油断するとすぐにセフィリアのことを考えてしまう。気を引き締めないと……。
今日も学校が終わってから、訓練用フィールドに集合し鍛錬することになった。セフィリアは仕事があるので来れないとのことだ。
俺を中心に5m程離れて、陽那と結月とアサカが囲うように立っている。
アサカは気合を入れて、魔力を固めて具現化させた槍を手に構える。
「今日は私達三人が同時に攻撃するからね!」
またこのパターンか……。俺は三人の顔を順番に見た。
「えーっと、もう、普通にえっちしようか?」
すると、陽那がヤレヤレと言わんばかりにかぶりを振った。
「分かってないなー。樹が必死な顔で魔力が混ざらないように頑張ってるのを見ると、キュンキュンきて興奮するんだよ!」
結月はいい笑顔で俺を励ます。
「そういうこと。一秒でも長く、魔力が混ざらないように頑張ってね!」
プレイの一環なのね……。三人がそれで喜んでくれるなら俺も嬉しいので頑張るか。
結月が斬り込んできて、陽那とアサカが魔法で俺を狙い撃ちする。
三人の素早く息の合った連携攻撃を、魔力が混ざらないように能力を切り替えながら応戦している。
刀を具現化すると接触する面積が増えるので、右手に魔刃のオーラを纏わせ、左手は水と風魔法を練り上げて覆う。
さらに炎と岩魔法を固めて作った球体を俺の周囲に衛星のように配置し、全方位から浴びせられる攻撃を臨機応変に受ける。
コレ、俺だけ負荷が大きくないか?
30秒ほど頑張って対応するも、苛烈な連携攻撃を捌ききれずに次々と魔力が混ざってしまった。
三人同時に魔力が混ざったせいで、あまりに強烈な快感が全身を駆け巡り、俺はその場に倒れ込んだ。
地に伏せながら三人の顔を見上げると、嬉しそうに微笑みながら近づいて来る。
気が付くと魔力で作ったフカフカのマットが出来ている。俺はその上に押し倒され、三人は次々とのしかかり、抱きついてきた。
結月が自身の服を緩めつつ俺の服をむくと、陽那は「今日は長く頑張ったね! ご褒美上げる」と唇や首筋にキスをする。アサカも二人に負けじと俺にしがみついて身体を撫でている。
俺は快楽の渦に飲まれながらも、三人の美少女に求められる喜びを反芻したのだった。
地球とレジーナ、二つの異なる星に生を受けた俺とアサカは、言うなればお互いに異星人だ。普通だったら決して出会うことはなかった。
魔導器で飛ばされた異空間で、偶然出来たアサカとの縁。
今思えば俺はアサカに一目惚れしていたのかもしれない。アサカと恋人になれたのは運命だったのかも、なんてね。
そして、記憶喪失になっていたとはいえ、アサカと恋人になってしまった俺に対して、三股男と言いながらも、俺を好きなままでいてくれる陽那と結月には感謝するばかりだ。
そんなこんなで気が付いたら、俺には三人も恋人が出来てしまっていた。
俺にとっては三人とも同じくらい愛おしく、一人を選ぶなんてできない。
だからこそ、これからも俺は三人をずっと大切にするし、命を懸けて守っていこうと思うのだった。




