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箱庭のエリシオン ~ゲームの世界に転移したら美少女二人が迫ってくるんだが?~  作者: ゆさま
謎の異空間に飛ばされたら金髪美少女が迫ってくるんだが?
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体調不良

 箱庭のログハウスに集まって、まったりしている。



 さて今日は何をするかな? ふと、アサカを見ると顔が赤い気がする、なんかふらついてるな……。


「アサカどうしたの?」


「あ……、昨日遅くまで鍛錬していたから、ちょっと体調が悪いかも」


 アサカはぐったりとソファーの背もたれにもたれ掛かっている。俺がアサカの額に手を当てると、……熱いな。


「熱があるよ。今日は大人しく寝てた方がいいのでは?」


「うん……、イツキが私の家まで送って」


 アサカは、上目づかいで甘えた声を出し、俺の首に腕を回す。仕方がないので、シエラスにあるアサカの家まで送ることにした。


俺は陽那と結月に「アサカを家まで送っていくね」と断りを入れると、陽那は「アサカ、お大事にー」と返ってきた。結月は「行ってらっしゃい」と手をひらひらと動かした。


 アサカが端末を操作して、転移ゲートを出現させる。俺はアサカをお姫様抱っこしてその転移ゲートを抜けた。


 転移した先は大きな家の大きな庭だった。真夏の日本とは違い寒いな……。とりあえず、俺達の周囲の空気を操作して暖かくした。


「もしかして、この大きな家がアサカの家?」


「そうだよ」


 凄いなー、と俺が感心していると、一人の女性が俺達に近づいて来て声を掛ける。綺麗なお姉さんだな。


「アサカさん、今日は早いお帰りですね」


「あ、プレセア、今日はちょっと体調が悪いので夫に送ってもらったんだ」


うん? イヤ、夫ではないよ。プレセアと呼ばれた女性は、俺に自己紹介をする。


「私はアサカさんの専属の家政婦のプレセアです。いつもアサカさんから話は伺っていますよ、イツキさん」


「あ……、どうも」と、俺は軽く頭を下げる。


「ひとまずアサカさんを、部屋まで運んで頂けますか?」とプレセアさんに頼まれたので、俺は「はい」とアサカを抱き上げたまま頷いて付いて行った。


 アサカの部屋まで案内されたので、俺はアサカをベッドに寝かせる。


 プレセアさんは「お薬を用意しますね」と、部屋を出ていった。


「アサカの家、大きいね。それに専属の家政婦がいるなんてすごいね」


「前にも言ったけど、魂力の高い人はこれ位は普通だよ。クラウスやセフィリアはもっと大きな家に住んでいるし、執事やメイドさんも何人かいるよ」


「へー、そうなのか」


 プレセアさんが、薬と水を持って部屋に入ってきた。アサカは錠剤を口に含んで、水と一緒に飲み込んだ。


「体調不良って魔法で治らないの?」


「治せる魔法もあるけど、これくらいなら寝てれば治るよ」


 俺の疑問に笑いながら答えるアサカ。傍らにいるプレセアさんが口を開いた。


「アサカさんは連日遅くまで鍛錬をしているので、過労でしょう。ゆっくりと休んでください」


「アサカ、毎日遅くまで頑張っていたのか……」


「えへへ、少しでも陽那と結月に追いつけるように、内緒で頑張ってたんだけど、イツキにバレちゃったね」


 俺は照れ笑いをするアサカの手を握って言う。


「でも、アサカが体調を崩してしまったら元も子もないよ、ほどほどにしてね」


「はーい」


「イツキはここにいても退屈でしょ? もう箱庭に戻ってもいいよ。送ってくれてありがとね」


「そうか、なら戻ろうかな……」


「うー、そこはアサカと一緒なら退屈じゃないよ、って言って一緒に居て欲しかったなぁ」


「はは、そう言うと思った」


「イツキの意地悪……。でも、ホントに戻ってもいいよ。その代わり今晩はこの部屋に来てね。今日のイツキ当番は私なんだから」


「ああ、分かったよ。この部屋に直接転移できるようにしてくれるの?」


「うん、あとでスマホにアドレス送っとくね」


「早く体調が良くなるといいね。ちゃんと大人しくしてるんだよ」 


 俺はアサカをキュッと抱いて、頬にキスをしてから箱庭のログハウスに転移した。



 

 * * *



 

 「ただいまー」と言ってリビングに入ると、陽那が意外そうに俺を見る。


「あれ、もう戻ってきた。樹のことだからアサカを寝かしつけた後、寝てるアサカにえっちなことをしてから帰ってくるかと思ってたのに」


「陽那……」


 前例があるので否定はできない。とりあえず苦笑いをしておく。


「今夜もう一度様子を見に行くよ。今日は久しぶりに三人で鍛錬しよう」


 訓練フィールドに移動して、俺が試そうと思っていることを二人に言う。


「固有スキルの変化によって、二人の固有スキルの能力を、同時に使えるようになっているか試したいんだ。今までは、二人以上同時に魔力を混ぜることが出来なかった。でも今なら出来るかもしれない」


「いいけど……大丈夫?」


 結月が心配そうに俺の顔を覗き込む。俺は「ヤバかったら中断するよ」と応えて天照と月影を呼び出した。


 まずは光の魔法を使って陽那と混ぜてみる。これは当然のように上手くいった。光の魔法を維持したまま魔力を魔刃の青いオーラにして放出し、結月とも魔力を混ぜようとすると、こちらもうまく混ざった。


 魂力の上昇によって、魔法と魔刃を両方同時に使いこなせるようになっていたようだ。混ざった魔力は天照と月影に送り込んで吸収させた。


 二人同時に魔力を混ぜると、これまでよりも気持ちいい。二人分の快感が上乗せされているのか、かなり強烈だ。


 気を失いそうになったので一旦中断した。三人で膝をついて息を上げている。


「今の……すごく気持ち良かった」


「私も今まで以上に気持ち良かった」


 陽那と結月の顔は上気して蕩けている。物欲しげな表情で俺を見つめている……。


 二人とも俺と感覚がリンクしているのか、三人分の気持ち良さを感じたようだ。


 俺が考え事をしていると、水の魔法で作った水のベッドが出来ていた。陽那と結月は俺を捕まえて、水のベッドの上に放り込むように押し倒すと、二人同時にのしかかってきた。


 陽那は飢えた野獣のようなギラついた目で俺を見る。


「魔力を混ぜようって誘ったってことは、こうなることも当然分かってるよね?」


 俺はもう少し、二種類の魔力を同時に使う練習をしたかったので「それはそうなんだけど、もうちょっとやってみよ」と迫る二人に頼んだ。


「いいよ。でも魔力を混ぜるのは、抱き合いながらでもできるよね」


 結月はトロンとした目つきで、俺の身体を握っている。


 我慢できなくなった二人にもみくちゃにされ絡まりながら、魔力を混ぜる練習をしたのだった。


 しばらく激しく鍛錬してMPも底をつきてしまった。三人で衣服を乱し、赤い顔で肩で息をしながら横になっていた。


 俺が「良かった……」と漏らすと、陽那はぐったりとしながらも呟く。


「うん、すごく良かった。けど……こんなことばかりしてると、ダメになってしまう気がするね……」


 結月はニンマリと笑みを浮かべ陽那に言う。


「なら、私が陽那の分もするよ。私は樹と一緒ならダメになってもいい……」


「それはダメ。きちんと三等分にするって決めたでしょ? 樹がはっきり誰かを選んだのなら話は別だけど」


 三等分って、俺はケーキみたいだな……。余計なことを言うと「今すぐ三人のうちの誰かに決めてよ」と迫られても困るので黙って聞いていた。


 少しの間、三人で脱力して横になっていた。その後、まだMPに多少の余力のある陽那の魔法で体を流してから、着替えてログハウスに戻った。


 かなりの魔力を注いだから、天照も月影も輝きを増している気がする。魔力密度が上がったのかな? 


 限界までMPを消耗した俺は疲労感が強かったので、その後はログハウスで大人しくしていた。陽那と結月はMP回復したので元気だったのだが。



 * * *



 ――夜になりアサカの部屋に転移した。


 アサカは俺の顔を見るなり半眼で言う。


「私がいないことをいいことに、ヒナとユヅキといっぱいえっちしましたって顔してるよ」


「えっ、分かるの?」


「あー、ホントにしてたんだー! 私は体調悪くて寝込んでたっていうのにー!」


「ゴメン……」


「ハァ……。まぁ仕方ないか」


 アサカは嘆息を漏らして下を向いた。かと思ったら、顔を上げて今度は甘えた声を出す。


「ねぇ、イツキ……私の体を拭いてよ。汗かいちゃったんだ。そこのタンスからタオルと着替えを出して持ってきて」


 俺は言われるままタオルと着替えを準備する。


「じゃあお願いね」と言ってアサカは横になった。

 

 俺がアサカのパジャマのボタンをはずすと、胸部の膨らみが主張してくる。


「谷間の所がむれてるからきちんと拭いてよ」


「くっ……、ああ」


 何度も見てるんだからいちいち反応するな、と心の中で自身の強張った部分に言い聞かせる。タオルを持って、アサカのしっとりとした白い肌を優しく拭いた。


 どうにか全身を拭き終わり、服も着替えさせた。俺の鼓動は高鳴ったままだ。 アサカはニヤッと笑みを浮かべている。


「イツキ、どうしたの? 興奮してるんじゃないの?」


「……してる」


「早くおいでよ」


 アサカが俺の手を引くので、誘われるまま彼女の隣に横になった。アサカは俺に抱き付いて頬ずりをする。俺もアサカの体に腕をまわして抱いた。


 ……でも。


「今日はアサカの体調が悪いからえっちできないよね」


「えー、出来るよ。したらきっと元気になるよ!」


「えっちすると体力を消耗するから。今日はもう寝よう」


「イツキだってこんなにガチガチなってるのに?」

 

 アサカは俺をギュっと握って、涙目で抗議する。俺はアサカのとがらせた唇にキスをした。


「アサカが元気になったら思い切りしよ」


「う、分かった……」


 不満そうなアサカを、よしよしとなだめるように撫でた。俺達はどうにか我慢して眠りについた。




 明け方、アサカが俺を揺すって起こすので目を開けた。


 窓の外はまだ暗く、時刻を見ると4時半だった。


「もう、完全に元気になったよ! イツキも早く起きてよ! イツキ当番が回ってくるのは三日後なんだから、今からしようよ!」


 アサカの額に手を当てても熱くはない。顔色も良くなっていて、いつもどうりの元気なアサカだ。


「元気になったんだね、良かった」


 俺はそれだけ言って、アサカを抱きしめ魔力を放出した。すぐにアサカは俺の意図を理解して魔力を放出して混ぜた。


 あたりが明るくなるまで、魔力と互いの吐息を溶け合わせたのだった。


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