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箱庭のエリシオン ~ゲームの世界に転移したら美少女二人が迫ってくるんだが?~  作者: ゆさま
謎の異空間に飛ばされたら金髪美少女が迫ってくるんだが?

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愛してる

 箱庭に転移しログハウスのリビングに行くと、結月は既にソファーに座っていた。


 青色の丈の短いキャミワンピ姿で、結月の白い肌が多く見えている。俺の鼓動が速くなるのが分かる。


 俺は結月が座っているところのすぐ隣に座る。すると結月は俺の肩にもたれ掛かってきた。


「私って嫌な女だよね。アサカに向かって弱いとか、言わなくてもいいことを、わざわざ言ってしまった。記憶を無くしていた樹の心を奪ってしまったアサカに嫉妬してるんだ」


「私のこと、嫌いになって無い?」


 結月はまつ毛を震わせながら、俺の目を見つめている。そんな彼女が愛おしくて、手を握り締めた。


「嫌いになるわけ無いよ。アサカを好きになってしまった俺をまた甘やかしてくれてありがたいと思っているし、申し訳ないとも思っている。俺は結月を絶対に嫌いになんてならないよ」


 結月は瞳を潤ませ、俺の目をじっと見つめている。


「あのね……。樹とアサカはとても仲が良さそうに見えるんだ……。だから、樹の気が変わってしまわないか不安なんだ……」


「私が安心できるようにして欲しいな……。樹は私をどう思ってるの?」


「結月、大好きだよ」


 結月の顔が近づいて来て、俺達は唇を重ねた。唇が合離れると、結月は俺の首に顔を埋めた。


「樹って愛してるって言ってくれないよね?」


 その言葉に俺はドキッとする。俺は結月達三人のことを愛おしいと常に思っている。


 でも三股をしている俺が、女の子に愛してるなんて言っていいなんて思えなかったからだ。


「樹は三股してるくせに妙なところで堅いんだね」


 俺の心を見透かしているかのようだ、いや実際に固有スキルで見透かしているのか。


 俺の腕を抱き甘えた声で囁く結月。


「お願い、私のことを愛してるって言ってみて」


「……結月、愛してるよ」


「ありがと。嘘でも嬉しいよ。胸の奥が熱くなった」


 胸に手を当てうっとりと微笑む結月。


「嘘じゃないよ。ただ俺が愛とか言う資格なんて、無いような気がするから言いにくいだけなんだ」


「結月のことは好きという言葉じゃ足りないくらい想っているし、俺の命よりも大事だと思っている」


「それに……」


 結月は話している俺の唇に人差し指を当てて微笑んだ。


「フフッ、そんなに必死に言い訳を探さなくてもいいよ。ちゃんと樹の気持ちは伝わったから」


「あ……う……」


「私も樹を愛しているからね」


 結月に愛してると言われて、俺も胸の奥が熱くなるのを感じた。


「ねぇ、そろそろ部屋に行ってえっちしようよ。お姫様抱っこで部屋まで連れて行って欲しいな」


 俺は結月をお姫様抱っこして部屋まで連れて行き、ベッドに二人で横になり抱き合う。そのままイチャつきながら結月が囁き声で話す。


「このワンピース、魔刃のオーラで具現化した物なんだよ」


 結月がそう言うと、キャミワンピが青い湯気のようになって消えた。


「服も具現化できるんだね。肌ざわりも本物みたいだった」


 俺の腕の中で下着姿になった結月を見ると、下着も青い。まさか……?


「下着も魔刃で具現化したものだよ。樹が女の子の下着を脱がしたい派だったらごめんね」


 下着も湯気のようになり消えてしまった。結月は一糸まとわぬ姿となる。


「実はずっと裸だったんだ。変態っぽくてひくかな?」


「……。凄く興奮してきた」


「うわぁ、樹も変態さんだね」


 こうして気分の上がった俺達は、いつもより多めにしてしまうのだった。




 ――翌朝。


 頬をつつかれる感触がして目が覚める。


「樹、おはよ。樹の寝顔見てたら、またムラムラしてきちゃった。でも夜に、たくさんしたからもう無理かな……?」


 結月が甘えた声で囁きながら、俺の身体をそっと握り撫でる。


「良かった、元気いっぱいだね」


 結月の甘い攻撃で、俺の身も心もノックアウトされてしまった。込み上げる熱を抑えきれずに、二人の吐息と温もりが混ざりあうのだった。




 俺達はシャワーを浴び、着替えてリビングで一息ついていた。


「魔刃のオーラで服とかを具現化するのって難しいんじゃない?」

 

 結月は俺に擦り寄りながら答える。


「うん、凄く苦労したよ。でも樹が私に飽きたりしないように頑張ったんだ」


「はは……飽きたりしないよ。俺は結月にしてもらってばかりだね。ありがとう」


「樹が喜んでくれたら、私はそれが一番うれしいよ」


 結月は俺に文句を言うどころか、俺が喜ぶことをずっと考えてくれていたのか……。


 俺はいつも自分のことばかりだよなぁ。自己嫌悪に陥りそうになるが、俺はすぐに表情に出るみたいなので、結月に心配を掛けないように笑顔を作る。


「自分のことで手一杯の俺が、愛なんて言葉を使うのはおかしいのかもしれないけど」


「えっと、その……俺は結月を愛してる……よ」


 俺は、結月の目を見つめて頑張って言った。顔が熱くなってきた。俺の顔をじーっと見つめる結月の表情が、輝くような笑顔になった。


「樹、顔が真っ赤だよ! かなり無理して言ってるんじゃない? でも嬉しいよ。私も樹を愛してるよ!」


 結月は、はしゃぎながら俺に抱き付き、キスしたり頬ずりしたりしてきたので、俺は結月の背中を撫でた。


 その後「また後でね」と手を振りつつ、それぞれ自宅に転移した。自宅の自室に戻っても俺の顔は熱いままだった。


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