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箱庭のエリシオン ~ゲームの世界に転移したら美少女二人が迫ってくるんだが?~  作者: ゆさま
ゲームの世界に転移したら美少女二人が迫ってくるんだが?
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触りたいの?

 ――翌日。


 朝食を三人で食べていると、またルイさんからメッセージが来た。


「昨日のお礼に、今晩はご馳走するよ。何かリクエストはあるかな?」


 何か食べたいものか……。


「今日の晩御飯はルイさんがおごってくれるんだって。何か食べたいものある?」


 陽那が少し考えて答える。


「うーん、何でもいいけど」


 結月も「私も何でもいいけどなぁ……」と考えるような素振りをするが、なにか閃いたのか声をあげた。 

 

「せっかくだからなんか豪華なコース料理とか」


「うん、分かった。そう送っとくね」


 俺はルイさんに「なんか豪華なコース料理」とメッセージを送った。しばらくして「了解。19時頃に迎えに行く」と返事が来た。


 さて、今日も転移ゲートに入ってモンスターを倒して来るか。




 転移ゲートを抜けた先は湿地帯だった。


 見渡す限りの沼地で、水生植物が茂っており陸地は僅かだ。その僅かな陸地も湿っている。俺達は足が濡れるのが嫌なので、空中に浮かびつつ周囲を探った。


 沼地の表面に影ができ、ボコボコと泡が出てきたかと思うと、巨大なワニのモンスターが勢いよく飛び出し、空中で口を大きく開け食らいつこうとしてきた。


 俺達が躱すと、着水し再び水中へと潜っていった。


「避けれない速さじゃない。飛び出てきたところを斬る」


 結月は空中に氷で足場を作り、納刀し魔刃を込め居合切りの構えをして水面に注意を払っている。


 俺と陽那も水面に注意を払う。すると水面に影が現れ、巨大なワニが浮き上がってきた。


 今度は飛び掛かってくることは無く、巨大な尻尾を振り回し飛沫を飛ばしてきた。風魔法のガードで弾くことが出来たが、ただの飛沫がまるで弾丸のような威力だ。


 巨大なワニは攻撃を終えると、また水中に戻って行ってしまう。こちらから攻撃しにくいな。


「水棲生物ってことは電気に弱いのかな? ってモンスターだから生物じゃないか……」


 俺の独り言を、陽那が拾って


「じゃあ、雷をたくさん落としてみるねー」


 巨大ワニが潜んでいるであろう辺りの沼一帯に、陽那は魔法で無数の雷を落とした。


 少し様子を見ていると、巨大ワニはのそのそと陸地に上がってきた。雷が効いているのか動きが鈍い。


 巨大ワニは前足をドンと地面に叩きつけると、地面から鋭くとがった岩の槍がいくつも出現し、俺達に向かって飛んできた。


 しかし、所詮は苦し紛れの攻撃だ。結月は魔刃の青いオーラを込めた虹刀を地面に向けて一振りすると、青いオーラが小さな刃となって、いくつも飛び散り岩の槍を粉砕した。 


 そのまま結月は二回三回と、地面に向かって虹刀を振るった。一振りごとに青い刃が流星のように無数に降り注ぎ、巨大ワニを切り刻んでいく。


 巨大ワニは、なす術もなく細切れになって消滅した。





 巨大ワニを倒して、ログハウスの庭に戻ってきた。時刻は11時前だな。


「昼食にはまだ少し早いから、ショッピングモールにいって買い物をしつつ、昼ごはん食べてから帰ろうか?」


「いいよー」「賛成ー」


 そんなわけで、三人でショッピングモールをプラプラしながら適当に買い物をして過ごした。


 12時を過ぎた頃に、レストランに入る。


 昼食を食べながら、昨夜結月が言っていたことを思い出した。正面に座っている、陽那と結月の胸部をチラリと見る。


 彼女たちの丸く盛り上がった部分は、同世代の子と比べても主張が強めだと思う。意識してみると、鼓動が早くなっていくのが分かる。


 つい見惚れてしまったが、こんなのは良くないと思って、視線をテーブルの上に移した。


 ところが、結月はそんな俺の視線に、気が付いていたようだ。


「樹……、目つきがエロおやじみたいになってるよ」


「結月、そこはあえて気が付かない振りをしてあげた方がいいんじゃない?」


「それも、そうだね。樹が珍しくいやらしい視線で私を見てたからつい嬉しくって……。で、触りたいの?」


 結月は胸を張って、嬉しそうに笑いながら俺に問いかけると、陽那も両腕を組んで、胸を持ち上げるような仕草をして、妖しく笑みを浮かべた。


「触りたいなら、好きなだけ触らせてあげるけど……、樹、顔真っ赤だよ。照れてるの?」


 俺は何と答えたものかとうろたえて、結局口から出たのは「うん」の一言だった。


「じゃあ、早く家に帰ろう!」「そうだね! 急がないと!」


 陽那と結月は乗り気のようだ。二人は俺の手をグイグイ引いて早足で歩く。

 

 ほどなくしてログハウスに帰ってくると、二人は俺の寝室まで、俺を引っ張って連れて行く。


 二人は俺をベッドの上に突き飛ばすと、のしかかってきた。


「二人とも、これじゃあ俺が襲われてるみたいだよ」


「えー、だって樹ってヘタレだから、こうでもしないと触らないでしょ?」


「そうそう、私たちも樹を勝手に触るから、樹も勝手に触ってね!」


 陽那と結月にもみくちゃにされるたが、どさくさに紛れて俺も彼女たちに触ることができた。


「ふおぉぉ、柔らかい!」


「あれ、こっちは硬いね?」


「ちょっと、そこは!?」


「いいでしょ? 触りっこしようよ」


「いや、ダメだって……。ちょ……っ!?!?」




 * * *




 陽那と結月は、乱れた服を整えている。


「それにしても、あの状況でも挿れようとしないなんて、樹は筋金入りのヘタレだよね」


「本当にね」


 陽那……、結月……。なんかゴメンね。でも俺は……。


「あー、またそんな難しい顔してる!」


 陽那が寄ってきて、両手で俺の頬を摘まんで引っ張った。


「もっと楽しそうな顔をして! あと、これからは遠慮しないで、好きな時に触ってよ!」


「そうだよ、樹は遠慮しすぎなんだから!」


 好きな時に……? ああ、俺はなんて幸せ者なんだろう。


 そんなことを考えながら、ルイさんとの約束の時間である19時になるまで、三人でティータイムをまったり過ごしたのだった。

 

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