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箱庭のエリシオン ~ゲームの世界に転移したら美少女二人が迫ってくるんだが?~  作者: ゆさま
ゲームの世界に転移したら美少女二人が迫ってくるんだが?

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迫る二人

 センターに戻ると、家に帰る前に夕食を食べようということになり、イタリアンな店に入る。


 四人掛けのテーブル席で、俺の正面に陽那と結月が座っている。二人からは変にプレッシャーを感じるので、余計なことは言わずにメニューを開いて注文を済ませた。


 料理が運ばれてくると、陽那がパスタをフォークに巻きつけながら、ニッコリ笑って口を開いた。


「樹は可愛い女の子だったら、誰でもいいのかな?」


「決してそういう訳ではありません」


 俺が大きく首を横に振りながら答えると、結月も無表情で続く。


「あの子、樹に気があるね」


 俺はさらに首を横に振って「そんなことないと思うけど」と答えるが、二人はジッと疑いの目で俺を見ている。


 確かに相場さんのことは綺麗だとは思ったが、陽那と結月の方がずっと綺麗だし、そもそも相場さんに対して恋愛感情は一切無い。


 どうやって話せばいいだろうかと思案していると、結月が重ねて問う。


「あの子と樹って、どんな関係なの?」


 関係も何も、中学の時にクラスが同じだっただけなんだけど。あ、そういえば……。


「中三の時、たまたま同じスマホゲームやってるのが分かって、少し話をしたことがあったけど、その時俺は陽那に夢中で、他の女の子には全く興味がなかったからなぁ」


 陽那の表情はわずかに緩むが、結月の表情は変わらない。話の流れを変えなければ……。


「そういえば、陽那は刀の練習の方はどんな感じなの?」


「あっ誤魔化した。……まぁいいか。結月に教えてもらって上達したと思う」


 陽那はこの辺で勘弁してくれるようだ。結月はまだ何か言いたそうだったが、ため息を吐いた後で陽那に続いた。


「陽那は才能あるよ。戦ってると動き方や技をどんどん吸収して強くなっていくから」


「強くなるのは自覚できたけど、結月の強さもだんだん分かってきて、やっぱり結月の強さにはかなわないなって思った」


「それにしても、PvPで訓練してるとHPが0になるたびに試合終了になるよね? するとまたインターフェースを操作して、対戦を申し込まないといけないから煩わしいよね」


「PvP無しで攻撃しようとすると『プレイヤーへの攻撃は禁止されています』ってアラートがでるし」


 確かにそうだよな。ルイさんに頼んだら、普通に訓練できるようになるかも。早速俺はルイさんにメッセージを送ってみた。


「PvPで刀の練習をしてると、試合終了で中断されるのが煩わしいです。PvP無しで攻撃するとアラート出るし。何とかなりませんか?」


 すると、すぐに返事が来た。「何とかなるよ。明日君達の家に行くよ」



 

 食事も終わり店を出ると、陽那が「ちょっと買い物してから帰ろ」と言うので俺は「いいよ」と答える。


 ショッピングモールに寄ってから帰ることになった。陽那についていくと女性向けの服の店だ。


 陽那と結月は店内を一通り見て回ると「試着してくるね」と試着室に入っていく。俺は試着室の周りに設置してある椅子に座り二人を待つことにした。


 しばらく待っていると、陽那に呼ばれたので試着室の前まで行った。カーテンが開き陽那の姿が現れる。緋色のホルターネックのトップスにミニスカート、ニーソこれって……。


「樹、こういうの好きなんじゃない?」


 陽那は両手を上げて、頭の後ろに持っていきポーズをとる。


 陽那の白い背中がほとんど丸見えだ。肩から胸の上部分も見えており、腕を上げているので滑らかな腋の下も露になっている。


 絶対領域から見える白い太ももは、ニーソに圧迫されてわずかにへこんでおり艶めかしさをより際立たせている。


 あまりにもセクシーな陽那の姿に俺は息を飲み、一つ一つの部分を順番に凝視してしまった。


「そんなに見つめられると恥ずかしいな……。どう、可愛い?」


「可愛すぎる……」


 思わず本音が漏れるが、すぐに我に返る。こんな露出の多い格好で外を歩いたら、男どもにいやらしい目で見られることだろう。


「でも、陽那の肌を他の男に見せたくないし……」


「じゃあ、これ買って家の中で樹にだけ見せてあげるね」


 そう言って試着室のカーテンを閉めた。しかし、今の陽那の格好は相場さんのしていた格好を意識してるよな。対抗してるのか、可愛いな。


 俺が一人でニヤニヤしていると、今度は結月に呼ばれる。


 試着室の中の結月の格好は、紺色のタンクトップにミニスカート、ニーソだ。やっぱりか……。


 タンクトップはVネックで大胆に胸元が開いており、結月の双丘の谷間が惜しげもなく晒されている。結月は前で腕を組み、胸部がより強調されるようなポーズをとる。


 あまりの強烈な刺激に照れてしまい視線を下ろすと、太ももの絶対領域が目に入る。スカート丈は下着とツライチなんじゃないかというほどの短さで、少しかがむと見えてしまいそうだ。


 結月はニヤリと笑みを浮かべ「どう?、気に入った?」と俺に聞く。


 普段の雰囲気とは違う、色気あふれる結月の姿に、俺はつい「うん、大好き」と本音を漏らしてしまった。


 しかしすぐ我に返る。この姿では、多くの男どもを魅了してしまうだろう。


「結月の肌を他の男に見られたくない」


 結月は嬉しそうに笑みを浮かべ、俺に顔を寄せ耳元で囁く。


「樹は独占欲が強いんだね。しょうがないから、家の中だけにするよ」


 結月は試着室のカーテンを閉めた。


 その後もしばらく待っていたが、二人は他にもいくつか服を買ったようだ。アイテムストレージに入れるので、どれだけ買ったのかは分からないが……。


 自宅の庭に出現した転移ゲートの先でモンスターを倒すと、バグかと思うほどお金が増えるので、そっちの心配はないんだけどね。




 * * *




 その夜、二人は太ももが丸出しになるほどの、丈の短いネグリジェ姿で俺の部屋に入ってきた。陽那はピンク、結月は青色で肌が透けて見えるような薄い布地だった。


 二人とも小悪魔のような妖しい笑みを浮かべて、ベッドの上に横になる。


「さ、寝ようか?」


「樹、早くおいでよ」


 促されるまま二人の間に横になると、二人は俺にぴったりと密着した。滑らかな肌触りの素材越しに二人の体温を感じる。いつになく色っぽい姿に心音は高鳴り、俺の体の一部分は熱く硬くなってしまっていた。


 何て強烈な刺激だ……だが、心頭滅却すればなんとやらだ。


 必至に言い聞かせプルプル震えていると、陽那が腕を回し抱き付いてきた。そして耳元で囁く。


「そんなに必死に我慢しなくていいんだよ。私達、どっちが樹の初めての人になっても恨みっこ無しだって話してるんだよ」


 結月も俺に抱き付いて、耳の戸で囁いた。


「その代わり二人をきちんと可愛がって欲しいな。将来のことは分からないし、樹が最後にどっちを選ぶかは分からないけど、今は私達二人を好きでいてくれるならそれでいいと思ってる」


 なんて俺に都合にいい状況なんだ。二人は本当に俺に甘い。もちろんとても嬉しいが、罪悪感で心が締め付けられるようだ。美少女二人にここまで言わせておいて……俺はヘタレだ。


「陽那、結月ありがとう。でももう少しだけ待って。ヘタレでごめん」


 俺は二人に「おやすみ」とキスをして寝たふりをしたのだった。


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