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箱庭のエリシオン ~ゲームの世界に転移したら美少女二人が迫ってくるんだが?~  作者: ゆさま
ゲームの世界に転移したら美少女二人が迫ってくるんだが?

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飛ぶ練習

 そしてその夜……。


 陽那と結月が、「一緒に寝よう」と俺の部屋に来た。半袖、半ズボンのパジャマで、露出は低いものの、二人の胸部の盛り上がりが俺の心音を高鳴らせている。


 部屋の入口で、結月が上目使いでモジモジしている。


「樹は私達と一緒に寝るの嫌かなあ?」


「嫌じゃ無いんだけど……」


 結月は「けど?」と反復し、俺の反応を探るように目を見つめている。


「その……、我慢できずに襲っちゃうかもよ?」


「なーんだ、そんなことか。私なら襲ってもいいよ。我慢しなくていいのに」


 結月が頬を緩めてベッドに乗ると、陽那も笑顔で「私も襲っていいよ。いつでも襲ってね!」と笑いながらベッドに乗った。二人はベッドの上に座り、早く来いとばかりにポンポンとベッド叩いている。


 俺は二人の間に行き、お休みのキスをして横になる。


 二人がすり寄って、密着してきた。結月が、俺の耳に吐息を吹き付けるように囁く。


「樹はなんで我慢してるの?」


「なんか悪いことのような気がして……」


 陽那も、俺の耳に吐息がかかるほど口を近づけて「二股だから?」と囁いた。


 その言葉に動揺するが、事実なので言い訳はしない。というよりも、二人の色香のせいで頭が全く回らない。


「うぅ……、そうだね。二股だから」


 とても気まずいので、目をつむって寝たふりをする。


 俺はこの都合のいい三角関係を、しばらく続けたいと思っているんだろうな……。二人の内の、どちらかを選ぶなんてできないし。


 自分の優柔不断さが情けない。そんなことを思ながらも、陽那と結月の体温の心地よさに包まれて、眠りに堕ちていくのだった。




 * * *




 ――翌朝。


 目を開けると、結月を抱き枕の代わりにして、べったりと抱きしめていた。俺の片手は結月のパジャマの中に入り、手全体から直に彼女の温もりが伝わってくる。


 そーっと結月の顔を見ると、紅潮し蕩けた表情をしていた。少し息が上がっており目は潤んでいる。


「樹が我慢できなくなって襲ってきたのかと思った……。こんなにきつく抱きしめられて、いろんなところを撫でられたから……気持ちよかった」


 結月は俺に軽くキスをすると、ベッドから下りて部屋を出ていった。


 陽那は俺の背中にぴったりと抱き着き「むぅー、また結月ばっかり」と不満そうに言いうと、ベッドから下りていった。


 俺は寝ているときに結月に何をしたんだ……?




 * * *




 三人で朝食をとりながら話をしていると、陽那が俺に向かって甘えるような声を出す。


「毎日一緒に寝ようよー。いいでしょ?」


 結月は、うつむき加減で頬を赤らめている。


「私も毎日一緒に寝たいな。樹は朝の方が積極的だし……」


 うーむ、なんて言えばいいんだろうか? 何もいい案は思いつかないので、立ち上がって声を張った。


「さて、今日は空を飛べるように練習するぞ!」


「「あー、誤魔化したー」」


 二人が何か言っている気はするが、俺は振り返らずに庭に出た。




 そんなこんなで、三人揃って庭に出て空を飛ぶ練習を始めた。


 結月はもともと魔刃で魔力を扱っていたので、魔力操作に慣れていたのだろう。練習を始めて、すぐに自由に飛べるようになった。ついでに陽那がいつもやっている、風の壁も作れるようになったらしい。


 俺はというと、浮くことはできるがバランスをとるのが難しくフラフラしてしまう。


 50㎝ほど浮き上がってじたばた手足を動かしていると、陽那がログハウスの屋根のあたりの高さに浮いて、俺に手を振っている。

 

「ここまで来てみてー」


 俺は頷いて魔力を放出してみた。すると猛スピードで陽那の方へ突っ込んでしまった。ぶつかると思って目をつぶると、陽那が魔法で緩衝して優しく受け止めてくれた。


 目を開けると、陽那の双丘の間に顔をうずめていた。俺は慌てて「ごめん」といって離れようとすると、ギュッと抱きしめ捕まえられて、優しい笑顔で指導してくれた。


「一気に魔力を放出しすぎだよ。もうちょっと魔力を押さえてみて」


「こらー、樹。わざとやってるでしょー! 今度はこっちきてー」


 結月が下の方から両手を広げて、大きな声で呼んでいる。


 今度は慎重に魔力を調整して飛ぶ……遅いな。


「ちゃんと受け止めるから、遠慮なく飛んできてー」


 魔力を少しずつ増やしていくと……また加速しすぎてしまった。うまくキャッチしてもらえたものの、結月を地面に押し倒してしまった。


 結月はうっとりしながら、俺の背に腕をまわした。


「たまには乱暴に押し倒されるのもいいね」


 そんなハプニングがありながらも、二人の指導により夕方には空を飛べるようになっていた。


 自転車を、補助輪なしで乗れるようになった時のように嬉しかった。





 ――その夜。


 三人とも風呂から上がり、リビングでくつろぎながら談笑していた。11時か、そろそろ寝ようかと思ていたら、陽那と結月が笑顔で近づいてきた。


「さて、そろそろ寝ようかー」


「樹も一緒に寝るよね!」


 二人は俺の手を引いて、当然のように俺の部屋に入っていく。そして当然のように俺のベッドで横になった。


 どうやら、俺の部屋で三人で一緒に寝るのは決定事項のようだ。仕方がないので陽那と結月の間に横になる。


 陽那が「明日の朝は私を思いっきり抱きしめてね!」と俺に体を押し付けてキスをすると、結月もぴったりと俺に密着して「できれば毎朝、私を抱きしめて欲しいんだけど」とキスをする。


 美少女二人にスキンシップを求められて自制心が崩壊しそうになりつつも、心の中で何かが引っ掛かり、どうにか襲い掛からずに我慢して眠りについた。


 でも、寝ている間に触ってしまうのはノーカンだよね? なにをしたか憶えてないんだし……。


 そんなこんなで、今後は毎日三人で仲良く寝ることになった。


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