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箱庭のエリシオン ~ゲームの世界に転移したら美少女二人が迫ってくるんだが?~  作者: ゆさま
ゲームの世界に転移したら美少女二人が迫ってくるんだが?
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再会

 山岳地帯の転移ゲートを抜けて、北の転移ゲートの広場に戻ってきた。視界の端にある現在時刻表示は17時27分。腹も減ったことだし、センター施設にあるショッピングモール的なことろに行ってみるか……。


 転移ゲートの広場から、センター施設へとしばらく歩いていると、大きな建物が見えてきた。


 ぱっと見は何の変哲もない二階建てのショッピングモールのようだが、中に入ってみると剣やら槍やらを売っている店があったりしてなんか変な感じだ。


 案内板を見て、フードコートやレストランが集まっているところへ向かう。ここだけ見ると完全にショッピングモールだ。


 フードコートでは多くの人が食事をしていた。店員さんはファンタジーな色の髪や瞳で、スタイル抜群な美人ばかり。ついつい見とれてしまう。


 ……と、そんなことより腹減った。


 フードコートにあるメニューは、現実世界と変わらないようだ。美味しそうな匂いが漂っている。何を食べようかな……肉、食いたいな。


 何を頼むか目移りしてしまうが、結局丼物の店でかつ丼を注文した。電子マネーっぽく読み取り機にスマホをかざすと、ペロンと鳴って決済された。


 フードコート内は混雑しているが、一つだけ空いているテーブル席を見つけ、そこに座ってかつ丼を食べる。


 おおっ、うまい。夢中になって食べていると、一人の女性が俺に声を掛けてきた。


「すいません相席いいですか?」


「どうぞ」

 

 声の方を向くと、サラサラで艶のある長い黒髪をポニーテールにした美少女がいた。


「あっ、やっぱり柳津君だね。久しぶりー」 


「うぐ、ゲホゲホっ」


 なんでこんなところに鳴海さんが!? 俺は思いっきり動揺し、咳き込んでしまった。あの日、告白して断られ、走って逃げ出した時のことが脳裏に蘇る。


「なに? 憧れの人にこんなところで再会してしまって、興奮してせき込んでるの?」


「う……まぁそんなところだ」


 冷静な振りをしつつも、内心で慌てふためいている俺のことなど構わず、鳴海さんは向かいに座った。


「こんなところに突然飛ばされるなんて、参っちゃうよねー」


「鳴海さんもここにいるということは、あの新型スマホを貰ってアプリを起動したの?」


「そうだよ」


「鳴海さんもモンスターと戦ってきたの?」


「ううん、私はここでプラプラしてたよ。モンスターと戦うとか怖くない? 柳津君は戦ってきたの?」


「一応、北のフィールドで何匹か倒してきたよ」


「じゃあ、明日は私も一緒にいくね。モンスター倒さないとお金もらえないでしょ?」


「なん……だと?」


「だから、柳津君について行くから、モンスター倒すの手伝ってって言ってるの! 可愛い女子と一緒に行動できて、嬉しいでしょ?」


「はい。ものすごく嬉しいです」


 おっと、つい本音が出てしまった。中学三年間この子に惚れていたんだからしょうがない。


「じゃあフレンド申請するね」


 鳴海さんはそう言うと、スマホを操作し始めた。すると音声アシストが聞こえる。


「鳴海久奈からフレンド申請が届きました。受理しますか? Yes/No」


 断る理由は無い! もちろんYesだ!


「鳴海久奈とフレンドになりました」


 フレンドになったユーザー同士は、某メッセージアプリのようにチャットができるようになる。早速鳴海さんから「よろしくね!」とメッセージが届いた。


 現実世界では、女子とチャットなんぞしたことなかったわ。この世界は天国か? 俺が何とも言えない高揚感に浸っていると、鳴海さんは俺の目の前で手を振る。


「柳津君? ボーっとしてどうかしたの?」


「や、何でもない」


 その後は食事をとりながら、魔法とスキルの習得や、フィールドでの戦闘など、俺が体験したことを鳴海さんに話した。


「そういえば夜はどうするんだろう。泊まる所とかあるのかな?」


 鳴海さんがもっともな疑問を口にしたので、俺はスマホの攻略アプリを起動し調べた。


「このスマホに入っている攻略アプリを見ると、宿屋があるみたいだね。色々なタイプやグレードがあるみたいだけど、俺は一番安いところに泊まることにするよ」


「ふーん、私もそこにする。場所とかも分かるの?」


「目的地に設定すると、音声アシストがナビしてくれるみたいだよ」


「なら柳津君についていくね」


 俺はスマホを操作して宿屋を目的地に設定すると「目的地まで案内します」と音声アシストが聞こえる。


 鳴海さんと二人でショッピングモールの外に出ると、外はすっかり暗くなっており街灯が夜道を照らしている。鳴海さんと二人でこんなふうに歩く日が来るなんて……生きていて良かった。


 音声アシストのナビに従って歩くと、すぐに宿屋についてしまった。もう少し鳴海さんと二人で歩いていたかった。


 宿屋に入っていき、フロントでチェックインをした。


 別れ際、鳴海さんは可愛い笑顔で「柳津君おやすみー」と、ひらひらと手を振る。俺は高鳴る鼓動を感じながら、どうにか「おやすみ」と返した。




 * * *




 宿泊施設はゲーム的には宿屋だが、ほぼビジネスホテルだ。一番安い個室ではあるものの、風呂トイレ付。室内は清掃が行き届いた清潔な雰囲気である。


 備え付けの冷蔵庫内はソフトドリンクのみで無料のようだ。


 風呂に入ろうとして気が付く。あ、着替え持ってないや。どうしたもんか? と考えると音声アシストが聞こえた。


「備え付けの洗濯機を使用してください。魔導器なので一瞬で洗濯が完了します」


 魔導器? 魔法の道具的なヤツかな。一瞬で洗濯が完了する? ……便利だな。


 着ている衣類を洗濯機に入れ、開始ボタンを押してから風呂に入った。


 風呂から出ると洗濯は完了しており、一日外干ししたような感じに仕上がっていた。きれいにはなってるけど明日は服を買うか。しばらくこの世界で生活することになりそうだし。


 冷蔵庫からペットボトルの水を取り出し、ベッドに腰掛ける。水を飲みながら、ぼんやりと天井を見上げた。


 最近は鳴海さんのことを考えなくなっていたけど、振られた直後は割と本気でハートがブレイクしていたよなぁ。


 うじうじ泣いたり、夕日に向かってバカヤローと叫んだりと、色々大変だったことを思い出した。


 それにしても、久しぶりに会った鳴海さんは相変わらず可愛いかった。いや、以前より綺麗になったかも?


 このまま上手く仲良くなって、付き合うことになったりして。


 そんな楽しい妄想を膨らませながら、眠りについたのだった。


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