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箱庭のエリシオン ~ゲームの世界に転移したら美少女二人が迫ってくるんだが?~  作者: ゆさま
ゲームの世界に転移したら美少女二人が迫ってくるんだが?

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中ボス4

 昼食後、回復スポットに触れてHPとMPを全回復した。


 まだ時間は早いし、もう少し進んでみるか。

 

「次のボスの広間を確認してから帰ろうか?」


 二人に確認すると元気良く声を合わせて「りょーかーい」と返ってきた。


「私はまだMP回復を使ってないから、魔法をどんどん使っていくね」


 陽那……俺はMP回復するアイテムみたいな言い方だな。


 第四のエリアの雑魚は、今までよりも更に大きい。猪型の岩やカエル型の岩で、大きさの割に動きも速い。また、二番目のボスのゴーレムが普通に雑魚で出現する。


 それでも陽那と結月に掛かれば、瞬く間に蹴散らすので、難無く大扉のあるボスの広間までたどり着いてしまった。


 広間の奥の大扉の前には、ドラゴンの石像が鎮座している。かなり大きい……強そうだな。


 俺が怖気づいていると、陽那は一歩前に出た。


「じゃあ、あいつは私が倒すね」


「えっ、倒すの? 大丈夫?」


「多分余裕で勝てるよ。樹、MP回復して」


 俺は言われるまま、陽那に軽くキスする。


「よーし、やる気出てきた!」


 陽那は、ふわりと浮かび上がるとドラゴンに向かって飛んでいく。


 すると、ドラゴンの石像は咆哮を上げ動き出し、陽那に向かって石弾のブレスを吐き出す。だが、陽那の周りにある風の壁が、それらを弾き飛ばして一つも命中しなかった。


「私、魔法使い系のスキル持ちなんだけど、けっこう刀に憧れてるんだよね」


 陽那が右手を上げると、頭上に空を覆いつくすほどの巨大な火球が出現する。ゴォォ……と地鳴りのような音とともにみるみる圧縮され、陽那の身長の三倍はあろうかという一本の刀の形になった。


 陽那が右手を振り下ろすと、赤く揺らめく炎を纏った刀が、ドラゴンに向かって飛んでいく。


 その刀は、ドラゴンのいかにも硬そうな石の外皮をあっさり突き破った。


 ドラゴンを串刺しにした刀は輝きを増していき、炸裂し爆音を轟かせる。少し遅れて衝撃波が辺りにまき散らされた。


 俺が衝撃波に吹き飛されそうになっていると、結月が魔刃で壁を作って守ってくれた。あたりが静かになったころには、石像のドラゴンは消滅していた。また、オーバーキルのワンパンだよ……。


「ゴーレムドラゴンを倒しました。1000000Cr獲得。魂力が1000増加しました」


 一日で中ボスを二体撃破か。しかもワンパン。この調子だと、意外と早くクリアできるかもしれないな。


 さすがに今日は大扉を開放したら、もう帰るけどね。


「扉開放ボーナスとしてパーティーメンバー全員が1000000Cr獲得しました」


 俺達は、新しく出現した転移ゲートに入り帰路についた。




 * * *




 夕食を済ませて家に帰ってきた。一日中フィールドを歩き回って戦っていたので、陽那も結月も疲れているようだ。


「もう眠くて無理だわー、おやすみー」


 陽那は風呂から上がると、さっさと自分の部屋に寝に行ってしまった。結月も風呂から出て髪を乾かしながら、リビングのソファーで寝てしまった。俺もとりあえず風呂に入ってこよう。


 俺が風呂から出てくると、結月はまだリビングのソファーで寝ている。可愛いなーと思って近くに寄って眺めた。起きているときにジッと眺めると「どうしたの?」と言われてしまうので、この機会にじっくり眺めることにする。

 

 ソファーの傍で膝立ちになり、結月の顔に近づいて見つめる。整った顔立ち、白い肌、長いまつ毛は目を閉じていてもよくわかる。スースーと寝息を立てている。


 見つめているうちに俺は心臓が高鳴ってきたが、寝ているときにキスするのは悪いだろうと思って立ち上がる。

 

 すると結月の目がパチッと開いて、膨れっ面で文句を言う。


「なんでキスしてくれないの? 好きな女の子が寝てたらキスくらいするのがマナーだよ!」


 いや、そんなマナー知らんし。っていうか起きてたんだね……。


「こんなところで寝てたら、風邪ひくかもよ?」


「樹が抱っこして部屋まで連れて行って」


 結月が甘えた声を出すので、俺はわざとらしく「承知しました。姫様」と応えて、結月をお姫様抱っこして部屋に連れていくことにする。


 魂力の上昇のおかげか、結月の体重は羽根のように軽い。


 結月の部屋に着くと、そっとベットに寝かせる。すると結月は俺の首に腕を回して捕まえた。


「キスして……濃厚なやつ。昼間約束したでしょ」


 言われるまま、結月とねっとりと絡めるように唇を重ね合った。


「ねえ、……しよっか」


 結月は、俺の耳に顔を寄せて囁く。彼女の吐息を肌で感じ、俺の鼓動はどんどん早くなっていく。


 そりゃ俺だってしたい。下半身に血が集まってパンパンに張っている。でも……。


 陽那の顔が浮かんできて、胸の奥がチクリと痛む。そのせいで俺の情欲は抑えられ、どうにか我慢できた。


「今日は結月も疲れてるでしょ? ゆっくりやすんでね。おやすみ」


 結月のおでこに軽くキスをして、俺は自分の部屋に戻っていくのだった。


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