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箱庭のエリシオン ~ゲームの世界に転移したら美少女二人が迫ってくるんだが?~  作者: ゆさま
ゲームの世界に転移したら美少女二人が迫ってくるんだが?

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中ボス3

 陽那の用意してくれた朝食を食べながら、今日はどうするか相談している。


「陽那も結月も強いから、次のエリアもクリアできるんじゃないかな? 試しに行ってみようか」


「賛成ー! 次のボスはどんな奴だろうね」


「私も賛成。もっと強いモンスターと戦ってみたいし」


 そんなわけで、今日は第三のエリアのボスの広間を目指すことにした。




 * * *




 北の山岳地帯フィールドの第三のエリアを進んでいる。今回は中ボスの広間まで行くつもりなので、MPを抑え気味でモンスターを倒している。


 MPを抑えているばずなのだが、このエリアのモンスターでさえ、陽那の撃つ炎の矢を一発当てるだけで倒せてしまう。


 結月も魔刃のオーラを刀に宿して斬ると、大型の岩のモンスターでも簡単に真っ二つだ。元々の身のこなしに魂力上昇が加わって、人間離れした動きをしている。それなのに息一つ切らしていない。


 派手な魔法や技を使わなくても、彼女たちの強さはこのエリアのモンスターよりもずっと強かった。


 集団でモンスターが出現しても、俺が一匹を相手しているうちに気が付いたら全滅している。


 ……いいんだ。俺にはチートスキルが無いから地道に強くなるんだ。


 思うところはあるものの、余裕で中ボスの広間にたどり着くことが出来た。


 今度の大扉の前に立っているのは石像の騎士だ。ボスを見るなり結月が聞いてきた。


「あれ、私が一人で倒していい?」


 すると、陽那も戦いたいらしく「えー、私も倒したいー」と不満げだ。俺がどうしようかと考えていると、二人はじゃんけんを始め、数回のあいこの後で結月が勝利した。


 結月は「よし、私が倒す」と軽くガッツポーズをすると、俺の前に来て上目遣いで甘えた声をだした。


「樹、念のためにMP回復して欲しいな」


 俺は結月の唇に軽くキスをする。本当は、MPを回復するだけならこれで十分なのだ。


 結月は不満そうな表情を浮かべて「うぅー」と唸っているので、俺はなだめるように言う。


「あまり濃厚なのをすると、気持ちよくなって足腰が立たなくなるから後でしよ?」 


「し、仕方ないな。後でね」


 結月は振り向いて、石像の騎士に向かって歩いて行った。そして、石像の騎士と対峙すると、緩んだ表情が引き締まり凛々しい顔つきになる。


 あ、本気の顔をしてる。結月から放たれる剣気で、空気が震え始めた。


 結月は真正面から堂々と、石像の騎士に向かって歩き近づいていく。すると、石像の騎士の目がギラリと光り動き出した。


 石像の騎士は勢いよく大剣を振り下ろすが、結月は回避する素振りも見せない。


 直撃する! と思ったら、大剣は結月に当たる前に停止した。結月の刀から噴き出る青いオーラが、石像の騎士の大剣を止めている。


「魔刃のオーラで壁を作ってみたんだけど、うまくいったみたいだね」


 結月の握る刀から、更に勢いよく青いオーラが噴き出す。その強大なオーラが渦を巻いて刀身に収束していくと刃が青白く輝きだした。


 そして彼女は青いオーラに包まれた刀を頭上に掲げた後、真正面に振り下ろす。


 その瞬間、刀に宿る青いオーラが一気に弾け、広がった衝撃波が石像の騎士を飲み込む。土煙が巻き起こり、激しい破壊音と砕けた石の破片が飛び散った。


 離れた場所にいる俺も吹き飛ばされそうになったが、陽那が魔法で壁を作り守ってくれた。


 巻き上げられた土煙が収まった頃には石像の騎士は跡形もなく、結月の正面の地面が広範囲でえぐれていた。


「こんなの、もう剣技じゃないけどね」


 結月はやれやれといった感じで苦笑いをしている。中ボスをワンパンでオーバーキルって、どんだけ強いの?


 音声アシストが聞こえる。


「ゴーレムナイトを倒しました333333Cr獲得。魂力が500増加しました」


 続いて大扉の開放もした。


「扉開放ボーナスとしてパーティーメンバー全員が500000Cr獲得しました」


 転移ゲートと回復スポットが広間の中央に出現する。


 よし、これで次からはこの場所にすぐ来られる。それにしても、お金が多すぎるな。邪魔にはならないけど、何か使い道があるのだろうか?


 あまりにサクサク進んだのでまだ12時前だな。昼休憩してからもう少し進んでみるか。


「ちょっと早いけど、昼にしよう」


 俺は二人に声を掛けて、座るのに丁度いい岩を見つけて座った。


 三人で食事をしながら、結月は先ほどの中ボス戦を振り返る。 


「陽那が魔法で壁を作っていたから、真似してみたんだよ。魔刃のオーラって、私の意思で自由自在に操れるんだ」


「もう一回、結月と勝負したらすぐ負けちゃうかもね」


「陽那には勝てる気がしないな……。きっと陽那のことだから、私の戦い方を見て、何か新しい戦い方を思いついているんでしょ?」


「あ、バレてる? でもさっきの青いオーラの壁の対策も考えないとだし、私だって結月に勝てる気はしないかなー」


 美少女二人がバトルについて意見交換しているのを、俺は黙って聞いていたのだった。


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