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箱庭のエリシオン ~ゲームの世界に転移したら美少女二人が迫ってくるんだが?~  作者: ゆさま
ゲームの世界に転移したら美少女二人が迫ってくるんだが?

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固いモノ?

 陽那と結月の激闘の後、俺たちは帰路についている。


 歩きながら、俺はふと気になったことを、陽那に聞いてみた。


「陽那って、結月の動きが見えるの?」


「本気の結月の動きは全然見えないよ。でも固有スキルを覚えてからは、目で見なくても周りのことがはっきり分かるようになったんだ」


「あと、結月と勝負して気が付いたんだけど、相手が何をしようとしてるかも分かるようになったみたい」


「相手の行動を予測できるっていうこと?」


 俺の問いに、陽那は視線を上に向けて、顎に手を当てて考えるような素振りをした。


「予測っていうよりも、一瞬先の未来が見えるって感じかな?」


 うん、チートスキルだね。羨ましい。


「そんなことよりも、思いっきり魔法使ったらお腹すいたー。なんか肉食べたい」


 そうだな。俺も肉を食べたいと思っていたところだ。そういえばこの世界にも焼き肉屋があったな。


「じゃあ、焼き肉食べに行く?」


「いいね、そうしよう!」


 俺達は、焼き肉をお腹いっぱい食べて自宅に帰った。




 * * *




 深夜、自室で目が覚めた。


 何故か眠れず、布団をかぶっていると、昼間の二人の戦いを思い出した。


 結月は一生懸命に戦い方を教えてくれる。おかげで少しづつは強くなっているとは思う。でもあんな圧倒的な戦いが、いつか俺にもできるようになるんだろうか……。


 チートスキルいいなぁ。でも、よく考えれば、美少女二人が俺のことを好きだと言ってくれるのも十分チートか。


 眠気が完全に冷めてしまったので、起き上がってリビングに向かった。


 ふかふかのソファーに大の字でドスッと座った。そして、この世界について、考えを巡らせる。


 モンスターと戦うとはいえ、命の危険を感じることも無く、生活するだけなら現実世界より快適だ。

 

 魂力、スキル、魔法とかの要素で、プレイヤーを強くすることが目的なのかと思ってしまう。いや、大体ゲームってそんな感じか?


 そんなことをぼんやり考えていると、陽那が起きてきた。淡いピンクのキャミソールとショートパンツという可愛らしいけど、俺にとっては刺激の強い格好だ。


「樹、こんな時間になにしてるの? 結月と逢瀬?」


「違うよ、なんか目が覚めて眠れなくなったから考え事をしてたんだ。っていうか、俺ってそんなにいつも結月とイチャついてるかな?」


「うん、イチャついてる」


 大股を開いて座っている俺の脚の間に、陽那がストンと座り、もたれ掛かってきた。


「ちょっと甘えさせて欲しいな」


 陽那のサラサラな黒髪が、俺の顔を撫でて少しくすぐったい。陽那の香りと背中の体温が伝わってくる。陽那の肩越しに見える、二つの膨らみに思わず視線が行ってしまう。


 後ろからその膨らみに触りたいという衝動に駆られるが、我慢して陽那のお腹のあたりに腕をまわして緩く抱いた。


 俺の下腹部が、陽那の色香に当てられ熱を持ってしまった。その部分が陽那に当たっており、早く体勢を変えなければ彼女に気付かれてしまう。そう思った直後……。


「ねえ樹、ズボンのポケットになんか固いもの入れてるの? お尻に当たるんだけど……」


 陽那は自分のお尻のあたりを後ろ手で探り、その『固いもの』をズボンの上からギュッと握る。


「何だろうこれ?」


 陽那は天井を見上げながら固いものの形を探るように、後ろ手のまま両手でさすったり握ったりしている。


「陽那……それ、俺の……」


「えっ!?」


 陽那は固いものを握っている両手を開いて、バッと立ち上がった。そして慌てた様子で、俺の下半身に視線を向けた。


「ごっ、ごめん。なにか分からなかったから、まさか、その……樹の……」


 俺も慌てて、ズボンの盛り上がっている部分を手で隠した。


「いっ、いいよ。気にしないで。大丈夫だよ」


 陽那は顔を真っ赤にして、パタパタと自分の部屋に戻って行った。


 陽那の華奢な手で握られちゃった。……気持ち良かった。




 * * *




 ――翌朝。


 陽那と顔を合わすと、俺は昨夜のことを思い出してしまった。どうやら陽那も、俺と同じのようだ。


「あっ、樹、お、おはよ」


「ひ、陽那、おはよう……」


 俺と陽那がぎこちない挨拶を交わすと、その様子を見ていた結月が俺に問いかける。


「樹と陽那、何かあったの? まさかえっちなこと、しちゃったんじゃないでしょうね」


 俺と陽那は声を揃えて「してないよ!」と答える。


 結月は俺に顔を寄せてジッと目を見つめて「ホントに?」と聞いて来るので、俺は後ずさりして「ホントだって」と苦笑いで答えた。


「嘘はついてないみたいだね」


 俺が困っていると、陽那が助け舟を出してくれた。


「そんなことよりも、朝ご飯食べながら今日何するか話そ。私、準備してくるよ」


「おっ、俺は顔洗ってくる」



 別にやましいことはしていないはずだが、必死に誤魔化そうとしてしまった。

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