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箱庭のエリシオン ~ゲームの世界に転移したら美少女二人が迫ってくるんだが?~  作者: ゆさま
ゲームの世界に転移したら美少女二人が迫ってくるんだが?
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魔法とスキル

 訓練場につくと大勢の人がいた。やはりゲームの世界に入れたなら、魔法を使ってみたい。同じこと考える人は多いようだ。


 訓練場と言うからには、道場のような所だろうと思っていたが、中はATMのような端末がずらりと並んでいた。


 また、スタッフが数名いてプレイヤーに説明をしていた。紫の髪やピンクの髪など現実世界には中々いないような髪の色、そして美人なお姉さんばかりだ。NPCかな?


 俺が入り口で立ちすくんでいると、美人なスタッフさんの一人が「こちらへどうぞ」と素敵な笑顔で空いている端末に誘導して説明してくれた。


「こちらで使いたい魔法を選択し、個人の端末へ登録すると使用可能です。魔法の習得は一律300Crです」


「魔法の登録?」


「はい、地球の人々は魂力が低ので、魔法を使うことが出来ません。そこで、スマホの機能の一つである魔法行使アシストによって、魔法を使えるようにします。魂力が上昇すればアシストなしで魔法を使えるようになります」


 良く分からないけど、このスマホに登録すれば魔法を使えるようになるってことだよな?


 ATM風端末のディスプレイを見て適当にタップしてみる、攻撃系、治癒系、補助系。いろいろあるが、魔法といえば、やはり炎の攻撃魔法だろう。


 というわけで、攻撃魔法、炎系魔法、放出型を順番に選択してタップした。消費MPも設定するのか。……消費MPが多ければ、威力も大きくなるということだろうか。


 えと、俺の最大MPっていくつだ? と考えると視界の左上のMP表示が点滅し19であることが確認できた。


 そうか、じゃあ4にしておくか。あとは発動方法の設定……ってなんだ? 迷っているとスタッフのお姉さんが説明してくれた。


「特定の言葉を発したり、動作をすると魔法が発動できるように設定します。例えばファイアーボールと発声したり、手を前に突き出し手のひらを開くなどです」


「何とも厨二心を刺激する設定だなぁ……」


 必殺技らしく、それっぽい名前を付けたい。しばし考え込んで「紅蓮轟火爆炎殺」にしよう、とか一瞬思ったけど、そんなの声に出すと恥ずかしいか。ここは無難なやつにしておこう。


「じゃあ、発動方法は『火炎』という言葉で」


 設定した内容が俺の端末に登録され、魔法『火炎』を習得できたようだ。次は剣スキルとやらを習得してみよう。


 剣スキルも、このATMのような端末で習得できるようだ。剣スキルも端末に登録すれば、システムのアシストで、自動で体を動かしてくれるらしい。実際に訓練して、技を身に着けるんじゃないんだね。さすがゲームだ。


 剣の技ってどんなのがあるのかな? 端末をスワイプして、良さそうなスキルを探す。


『高速で敵に接近して、横薙ぎを放つ。200Cr』 


 こんなのどうだろ? とりあえず習得してみた。技名とかは無く好きなように呼べばいいらしい。他にもいろいろ見てみるとこんなのがあった。


『剣に炎を纏わせ袈裟切りする。2000Cr』


 魔法剣だ。いいなぁ、使えるようになりたいけど所持金が足りないな。いずれお金が貯まったら習得しよう。


 無事に魔法と剣スキルを習得できたことだし、次はフィールドに行って、モンスターと戦ってみるか。


 フィールドに行くには、転移ゲートを使用すると言っていたよな。東西南北の四か所あるらしいが、どれがいいだろう。


 考えても分からんし、とりあえず行ってみるか。特に理由は無いが、北の転移ゲートを目指すことにした。




 * * *




 あちこちに設置してある案内板に従って、北の転移ゲートへと続く通路を進んでいる。


 道幅はかなり広く10mくらいあるだろうか? 道の端にはところどころベンチが設置してあり、街路樹も植えてある。大きな公園の遊歩道のようだ。


 しばらく歩くと広場があり、中央付近に直径2.5m程度の真円状の黒い物が浮いているのが見える。これが転移ゲートか? と考えると音声アシストが解説してくれた。


「転移ゲートです。この黒い円の中に進入すると、特定の場所へ瞬時に移動が可能です」


 こんなのに入って大丈夫なんだろうな? 一抹の不安を抱きつつ、恐る恐るその黒い円の中に入っていった。


 転移ゲートを抜けた先は、ゴツゴツとした岩が辺りに転がっている山岳地帯だった。切り立った断崖でできた天然の迷路のような地形だ。

 

 うわ、広いな。どこへ向かえばいいんだ? 考えると、音声アシストが聞こえる。


「探索アシストを起動しますか? Yes/No」 


 「Yes」と答えると、視界に赤い三角い印と青い三角の印がいくつか表示された。


 赤い三角印を指さすと「モンスター 弱い 253m」と表示された。次に青い三角印を指差すと「プレイヤー 同じ強さ 475m」と表示された。


 いくつかの表示を指差してみると赤い印はモンスター、青い印はプレイヤーのようだ。強さと現在位置からの直線距離もわかるみたいだ。


 赤く点滅し他より少し大きな三角印を指差すと、「ボスモンスター 強い 1576m」と表示される。


 いきなりボスに戦いを挑んでも負けるだろうから、とりあえず一番近くのモンスターのいる方向に進むことにした。


 あっ! なんかいるな。15mほど離れたところで何かが動いた。

 

 目を凝らしてよく見ると、サッカーボール程度の大きさの岩に、赤く光る目のようなものが二つ付いている。あれがモンスターか?


「岩型モンスター、ロックです」


 音声アシストの答えに緊張が走る。腰に下げているミスリルソードを引き抜き、両手で握った。


 さっき習得した剣スキルを試してみよう。


 スキルはショートカットキーのように三個までセットできるらしい。


 先ほど習得したスキルは、スキル1のところにセットしてある。スキル発動と念じることで、システムが俺の体を操作して技を出せるらしいけど……。


 ええい、考えていても仕方ない。やってみるか!


 両手で剣を握ったまま、スキル1発動と念じてみた。すると体が勝手に動き出し、凄まじい速さでダッシュしモンスターに突進した。


 一気にモンスターとの間合いを詰めて、スッと停止したかと思うと勝手に体が動き、剣を素早く水平に振るった。


 剣と岩のモンスターがぶつかって、ギィィンと硬質な音が響く。岩のモンスターに切り傷をつけ吹っ飛ばしていた。


 おおっ、俺の体どうなってるんだ!? 勝手に動いたぞ! 軽く感激していると岩のモンスターはこちらにまっすぐ飛んで、体当たりをしてきた。うわっ、まだ生きてたのか!


 驚きはしたが、反射的にしゃがみ何とか躱すことができた。モンスターは俺から10mほど離れたところに着地し、様子をうかがっているように見える。


 次は魔法を試すか。手のひらをモンスターに向けて「火炎」と呟いてみた。すると、手のひらから火炎放射器のように炎が噴き出し、モンスターに向かって真っ直ぐに伸びていく。


 炎に飲み込まれたモンスターは、砕け散って消えた。


「ロックを倒しました。10Cr獲得。魂力が2増加しました」


 Crはこの世界のお金だよな。魂力ってなんだ? 考えると音声アシストが解説してくれた。


「魂力とは、その存在の強度です。魂力が強化されるとすべての能力が上昇します。モンスターを倒すことで魂力は強化されます」


 レベルみたいなものか。「ステータス的なものって見れるの?」と聞いてみた。すると視界にステータスが表示される。


 柳津樹やなづいつき


 魂力   12

 最大HP 22 

 HP   22

 最大MP 19

 MP   15



「HPとは体を覆う防御フィールドの耐久値です。魂力のリソースの一部をシステムが強制的に占有し防御フィールドの展開に充てています。魂力の上昇に伴いHPも上昇します」


「MPは魔法を行使する度に消耗する、精神力と考えて下さい。過剰に消耗すると命に関わる為、MPという形でシステムがリミッターを設けています。魂力の上昇により増加します」


 HP、MPの解説は正直よく分からない……。さっき魔法を使ったからMPは減っているな。それにしてもステータスってこんだけ? もっと力とか魔力とか速さとかあるだろ?


「基本的には個人の素の性能と魂力を掛け合わせた強さになるので、他は隠しパラメータとなります」


 素の性能……? つまり俺自身の腕力やら反射神経とかってこと?


「概ねその認識であっています」


 俺、インドア派だから体力ないんだよね。モンスターを多く狩りまくって、魂力をしっかり上げるとするか。


 少し歩くと、動く岩がまたいた。さっきと同じモンスターだな。「ロック。同じ強さ」と視界に映っている。同じ強さか、ちょっと危ういかな? まぁ、負けても死なないみたいだからやってみるか。


 スキル1発動。急接近して斬りつけるが、さっきのヤツよりも吹っ飛ばない、表示の通り少し強いんだな。


 感心していると、ロックは俺に飛び掛かってきた。不意を突かれてそれを躱せずに、もろに腹部に喰らってしまった。


 イテテ……、あれ? 衝撃はあったが痛みはさほどでもない。防御フィールドとやらのおかげか。


 気を取り直して、ロックに手のひらを向けて「火炎」と唱える。炎に包まれたロックは消滅した。


 視界に映るHP表示を見ると19に減っていた。……次からは気を付けないとな。


 その後もしばらくは転移ゲートから離れすぎないように、ウロウロして周辺にいるモンスターを狩り続けた。


 残りHPも7になったことだし、今日はこの辺にしておこうかな。


 俺は転移ゲートに入り、センターへと戻るのだった。

 

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