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箱庭のエリシオン ~ゲームの世界に転移したら美少女二人が迫ってくるんだが?~  作者: ゆさま
ゲームの世界に転移したら美少女二人が迫ってくるんだが?

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中ボス2

 そういえば現在の所持金は……。


 4万Crづつ増えて、俺は22万Crくらい、陽那は20万Crくらいで、結月は21万Crくらいだ。


「もう少し頑張る?」と二人に聞くと「もちろん!」と声を揃えて力強く答えた。


 午前中と同じように、結月に指示された通りに刀を振ってモンスターを倒していく。陽那はさらにやる気が出たようで、魔法を次々とぶっ放す。


 調子よくモンスターどもを蹴散らして、どんどん進んでいくと開けた場所に出た。大扉のあるボスの広間だな。


 大扉の前にいるモンスターは、見るからにゴーレムな形をしている。かなりの大きさだ、3m以上はあるな。アシストによる強さ判定は強い……か。


 俺は陽那と結月に向いた。


「中ボスのところまで来ちゃったね。どうする? 戦ってみる?」


 結月がゴーレムを眺めながら応える。


「少し戦えば、相手の力量が分かるから、ちょっと戦ってみて無理そうなら逃げよ」


 結月が前に出てゴーレムの相手をし、機を見て俺も攻撃に加わる。陽那はゴーレムから距離をとって、魔法で狙い撃ちするという作戦でいくことになった。


 よし、気合入れていくぞ!


「もし、勝てそうになかったら逃げるって合図するね」


 結月はそう言って、広間を進む。彼女がゴーレムに近づくと、ゴーレムの目が怪しく光り動き出した。


 ゴーレムはドスドスと地面を踏みしめ、結月に向かって突進した。見た目のイメージに反してかなり速い。


 しかし、魂力が上昇しているおかげか、俺でも十分反応できそうなスピードだ。


 結月は軽やかな動きで、ゴーレムの突進を回避。すれ違いざまに抜刀しゴーレムの足に斬撃を放つと、ゴーレムは勢い良く転倒した。


「樹! 陽那!」


 結月が叫ぶと、陽那の持っている杖から稲妻が走り、ゴーレムに直撃した。陽那の稲妻がおさまるのを見計らって、俺はゴーレムにダッシュで近づき渾身の居合切りを放った。


 俺の振るった刀とゴーレムの体が激しくぶつかり、火花と破片が飛び散った。そこらの雑魚よりもかなり硬い!


 ゴーレムは上体を起こして、俺に拳を叩きつけようと腕を振り上げた。全力で刀を振り切った俺は体が硬直していてすぐには動けない。


「フフッ、私の樹を殴らせるわけにはいかない!」


 冷たく笑う結月が、俺とゴーレムの間に素早く移動してきた。そして、目にも留まらぬ速さで、何度も斬撃を浴びせ、鞘を叩きつける。


 すると、いかにも重たそうなゴーレムが軽々と吹っ飛んだ。魂力が上昇しているので、膂力も上がっているのだろう。


 結月はそのまま追撃の体制をとるが、ゴーレムから何か嫌な感じがした。


 すぐさま俺と結月は、バックステップでゴーレムから距離をとる。直後、ゴーレムは巨大な岩の槍を作り出し俺に向かって投擲した。


 速い!? 直撃する!! 


 そう思った瞬間、目の前に氷の壁ができて岩の槍を止めた。陽那の魔法か? 助かった!


「私の樹に何するのよっ!」


 陽那が叫び、数えきれないほどの無数の炎の矢をゴーレムに連射した。絶え間なく撃ち続けるそれは、まるでガトリングガンのようだ。それらは次々と命中して、ゴーレムは煙に包まれていく。


 うわぁ……陽那の目つきヤバい。


「はぁはぁ、MP無くなった」


 炎の矢の連射が止まり、立ち昇る煙が晴れていく。ゴーレムはすでにボロボロになっていた。


 結月が、とどめと言わんばかりの気迫のこもった居合切りを放つと、ゴーレムは真っ二つになって消滅した。

 

 俺達は「やった!」と口々に喜びの声をあげ、三人でハイタッチをする。俺は緊張が解けて息を吐く。


「ふう、何とか勝てたな……」


「大丈夫だった?」

「怪我してない?」


 二人は心配そうに俺の顔を覗き込むので、平気であることをアピールするために笑顔で答える。


「陽那と結月のおかげで無傷だよ、ありがと」


 二人は「良かった」と胸をなでおろして微笑んだ。


 音声アシストが聞こえてきた。


「ゴーレムを倒しました166666Cr獲得。魂力が200増加しました」


 16万Cr? 変に端数があるな、パーティメンバーで等分だからか。強敵だったからかなりお金が増えたけど、家を買うにはまだ足りない。でも大扉を開けたらボーナスでお金がもらえるはず。

 

「魂力の総量が1000を超えたため、プレイヤーの資質に応じた能力が発現します」


 ん? 音声アシストがなんか言ってるけど、とりあえずお金欲しいから大扉を開けよう。俺は大扉に触れる。


「この扉を開けることで、次のエリアが開放されます。扉を開けますか?Yse/No」


 ……Yes。


「扉を開けました。次のエリアに進入できるようになりました」


「この地点から、センターにつながる転移ゲートが開放されました」


「回復スポットが利用可能になりました」


「扉開放ボーナスとしてパーティーメンバー全員が200000Cr獲得しました」


 おお! 20万Crか! ついでに転移ゲートと、回復スポットが広間の中央に出現した。


 これで所持金は……俺が58万、陽那56万、結月57万だ。これであのログハウス風の家を買うことが出来る。一日で達成してしまったな。


 俺たちは新しく出現した転移ゲートをくぐり、センターに戻っていった。


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