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プロローグ
太陽が昇れば目を覚まし、
月が昇れば仕事を終え、
星々の瞬きと共に眠りに就く。
この世界がいつから始まったかなんて人々はまるで知らないが、この世界の循環の中で平穏な生活を営んでいる。
ところで、こんな噂もある。
この世界は、かつて神の怒りに触れて崩壊し、『魔法』と呼ばれる超自然的技術が喪われたんだって。
各地に点在する遺跡には『魔法』の名残が刻まれていて、今も細々と『魔法技術』を受け継ぐ民族もいるとかいないとか。
神とは何かって?
魔法技術とは何かって?
そんなもの、世界各地の宗教聖典を調べりゃわかる。
どれも統一性が無く信憑性に欠ける。
つまるところ『噂』に過ぎず、しかしながら『どの聖典でも語られている』。
まったくもって、不思議だと思わないかい?