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罪人の願い


無知は罪であると人は言う。

ならば、何も知らないままで天寿を全うして欲しいと祈る私を、無知であれと我が子らに願う私を。

人はきっと罪人だと言うのだろう。


世界の真実を知らなくても生きていける。

過去の事実を知らなくても生きていける。

自身の正体を知らなくても生きていける。

我らのことを知らなくても生きていける。

未来を。幸せな未来を。


我々の想いを押し付けるこの行為はもしかしたら間違っているのかもしれない。

しかし、この方法しかないのだ。

何千何万と思考しても、結局ここに行き着いてしまうのだ。


このまま我らの手の中で微睡んでいて欲しい。

無垢で無邪気な笑顔のままでいて欲しい。

泣いたり怒ったり様々な感情を知って欲しい。

この箱庭の中で少しでも長く、自由に、生きて欲しい。


我らの願いも言葉も伝えることは出来ない。

もう二度と会うことさえ出来ないけれどそれでも。

私の命が尽きるまではどうか何も知らないままで穏やかな夢を。

どうか、幸せに。




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