拾弐-訪問者
ピンポン~
Guili:「あれ、Sihonaなんかなってない?」
Sihona:「ひゃはははあっははあははっは~~!!」
Guili:「Sihona、なってるよ」
Sihona:「ひゃぁ……え?あ、本当だ。ごめん、ちょっと落ちるね」
Guili:「了解、じゃあね」
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ヘッドホンを頭から外し、テーブルの上に置く。
「誰だろう?」
私の家に来るのなんて、ネットショッピングで頼んだ荷物を届けてくれる宅急便の人ぐらいしかいないし。
まぁ、出てみればわかるか。
「はぁ~い、どなたさまですか?」
「よ!シナ。来ちゃった」
玄関を開けた先にいたのはさっきまで一緒にゲームをやっていたはずのGuiliだった。
ゲームの中のキャラクタと同じように、肩まで伸ばした蒼髪のショートカットが魅力的な活発的な女の子だ。
うん、というかなんでいる。
「あれ、さっきまで、一緒にゲームしてたよね」
「ふふふ、驚いた。私もあなたと同じGOLのプレイヤーなんだよね!!驚いたよ、新プレイヤーが戦うっていうから、気になって観戦してたらまさか、司奈だったんだもん」
そういって、GOLと書かれたアプリを見せてくるGuili。
「まさか」
「そうそう、今想像してることは大体あってると思うよ。安心して、私は司奈と戦おうなんて考えていないから」
「そう、よかった」
親友であるGuiliと戦うのは嫌だったから。
「それはそうと、相談なんだけどシナ。私と一緒にクランをつくらない?」
「クランって、ゲームでよくあるあの?」
「そう、そのクラン」
「わかった、わたし一人で戦うの怖かったから」
「よかった。あ、ついでにご飯食べて行っていい?」
「うん、いいよ」
私はGuiliをロナがシチューを作っているキッチンに案内し、仲良く夕食を共にした。