幻想郷巡りの旅〜紅魔館を出発!
いやはや、お待たせ致した。相変わらず拙い文面ですが、ご了承くださいな。
「…ふぁあ〜…良く寝たぜ…って、まだ外は暗いのか。」
俺はそう言ってベッドから下りて窓際に近付いた。
「ってか、俺いつの間にベッドで寝てたんだ?ついでに隼も俺の隣のベッドで寝ているみたいだが…」
俺は先程まで寝ていたベッドの隣を見てみると、もう一つ隣のベッドで隼が爆睡でしていた。
「まあ、隼に関してはここに来てから連戦続きだったしなぁ…」
俺は隼が起きない様に小さい声で呟きながら外を眺めた。
「…所で、そんな所で覗いてないで隣に来りゃあ良いじゃないか?幻想郷の管理者さん?」
俺は窓の外を眺めつつ、背後に居る人物に声を掛けた。
「…私の存在に気付くとは、気配探知能力も流石のものだね。」
「って言ってる割には、わざと気配を出てただろう?じゃなきゃそんな分かりやすい気配と"殺気"を感じ取れるかっての。」
「まさか私の殺気までも感知できるとは…紫が有能だと判断して連れてきてくれたのは良いが…君は一体何者だい?君の鋭い洞察力、それに気配を感じ取るだけならまだしも、ほんの僅かに出していた殺気までも感じ取るのは最早一般の人では有り得ない。」
そう言って俺の背後、何も無い空間を開いて現れたのは幻想郷の管理者である竜神だった。
「と、言われましてもねぇ…一応俺って学校内じゃあ成績常に上位に入ってるから頭はまあまあ良い方だし、洞察力に関しては俺の性格上、相手を良く見て観察しているから出来るものでもあるし。それに殺気に関してはそっちで寝てる隼がね?うん…レミリアとの戦闘見てて分かったとは思うが、相当な戦闘狂なんだよな。だから外の世界で隼と訓練する時は隼が完全無意識に殺気全開でやって来るもんだから自然と殺気の感知が出来るようになっちまっただけさ。」
「…成程。」
成程と言ってはいるが、恐らくそれでも完全に納得はしていないと思う。
「まあ、俺の事は時間を掛けてでもいいから見極めてくれりゃあ良いさ。んでまぁ、所でなんだが…」
俺は途中で言葉を切ると竜神の方に振り向いた。
「あんたは何で隼の事を怪しんでいやがるんだ?と言うか、命奪ってやるって言う意思まで感じ取れるんだが?どういう事か説明してもらおうか?」
俺はそう言うと、男はさぞ驚いたのだろう。目を開いてこちらを見た。
「!?何故それを…!」
「だから言っただろう?俺は殺気も気配も感じ取れるし、頭も良い方だ。だから、俺と話しながらも隼の方にも殺気を向けていただろう?だが、隼は寝ているから殺気を向ける意味が無い。って事はだ、隼の事を怪しんでいるか、それとも何かしらの理由があるの二つだからな。違うか?」
俺はそう言って竜神の方へと殺気を放った。
「…全く、隼君もそうだが、君も凄いな。」
そう言うと、竜神は近くにある机にとある物を置いた。
「ん?そりゃあ…上海人形じゃねぇか?ってか、そう言えば隼も人形持っていたな…って、もしかしてだが、人形を持っていたから隼の事を怪しんでいたのか?」
「ああ。上海人形…これの持ち主の事は君は知っているかい?」
「ああ、通称"七色の人形遣い"って言われている魔法使い、アリス・マーガトロイドの使っている人形の一つだろう?」
「正解だ。しかし今は行方不明になっていてな…」
「行方不明!?…ちょっと待てよ、確か正確な位置は焦っていてあまり覚えてはいないが…確か最初に襲われた場所は…!」
「…まさかと思うけども、魔法の森なのかい?」
「…」
俺は無言で頷いた。
「そうか…君達を襲った屍人被害等の報告は受けては無かったが…アリスの行方不明の件と関係ありそうだね…」
「…だけど、俺がその人形を拾った付近には争った後も何も無かったぞ?」
そう言って寝ていたはずの隼がベッドからムクリと起き上がった。
「隼、起きていたのか?」
「そりゃあな。あんな鋭い殺気を向けられちまったら嫌でも起きちまうってもんだ。おかげでナイフを反射的に投げ飛ばしそうになっちまったぜ?」
そう言って見えない様に持っていたナイフを見せてきた。
「それは…上海のナイフかい?」
「ああ、その人形を見つけた時に一緒に見つけたヤツだ。まあ、見つけたって言うよりかは、人形がナイフ持ったまま木に引っかかっていたんだがな。」
「そうか…ちょっと君の"記憶"を覗かせてもらけども、良いかい?」
「んえ?まあ、良いけども。」
「変な声出した割にはあっさり快諾すんのかよ。」
「では、ちょっと失礼するよ。」
竜神はそう言うと隼の頭に手を乗せると、目を瞑った。
「…」
「んー、これ暫く喋らない方が良いパターン?」
「だろうな。って事で暫く静かになー」
「あー、もう終わったから別に話していても良いよ?」
「って、終わるの早!」
「そりゃ、君の幻想郷に来てから紅魔館に来るまでの記憶しか見ていないからね、直ぐに終わるさ。流石に一ヶ月前とかになっていたら一時間は掛かるだろうけどね。」
「ほへぇ…そんで、何の記憶を覗いてたんだ?」
「さっきも言ったんだが…幻想郷に来てから紅魔館に辿り着くまでの記憶。それと、その人形を拾ったと言う記憶の二つだけだよ。しかし、君達も災難だったね。来て早々に屍人に襲われてしまうとは…」
「ありゃ?最初に屍人に襲われた事は言ってたけど…もしかして信じてなかった感じ?」
「まあね。紫やそれ以外の者達からは屍人の事は報告として聞いていなかったからね。」
「あー、成程。んでも、竜神も幻想郷の管理してるんだったら自分自身でそう言うのを見つけれたりしないのか?」
「いや…確かに自分でも確認は出来るんだが…何せ紫が放置しまくっていた仕事がね…藍と二人でやっていても全く終わらなくてね…はぁ…」
(あ、これ凄く大変なヤツだ。)
確か藍は九尾の狐で、計算やその他の仕事もかなりの速度で終わらせれるはずだが、竜神と藍の二人で溜息付きながら終わらないとなると、かなりの量があるんだなと思える。まあ、竜神の仕事速度を知らないからなんとも言えないけど。
「うん…まあ、心中お察しする。」
「ありがとう…にしても、屍人か…これは"彼等"と話し合いをしないと行けないかもしれないね…」
「ん?彼等って?」
「ああ、気にしなくても大丈夫ですよ。いずれ必ず会う事になりますから。」
「…うーん、何か未来を見られてる感がスゲェんだけど。」
「あー、それ俺も思ったわ。てか、もしかして何だが、竜神って多重能力者だったりするのか?さっきの記憶を読むってのもそうだが、俺達とレミリア達で暴れまくって散らかり放題になった部屋を一瞬で元通りにしちまうし…まだ他にも能力を持ってたりするんじゃないのか?」
「おや、流石に能力を見せ過ぎてしまいましたか…ええ、確かに私は多重能力者です。ただし、能力の数は多過ぎて私ですらその正確な数を覚えていない程です。」
「ええ…って、普通そんな膨大な数の能力を所有出来るはずが無いと思うんだが…精々持っていたとしても二つか三つが限度だと思うんだが?そんなに能力を持っていたら妖怪だったり神様だったりしても、体があまりの能力の多さに耐えきれずに体が動かなくなるか、下手したら死んじまうんじゃないのか?まあ、これは俺の憶測ではあるんだが…」
「全く…君にはその都度驚かされるばかりですよ…ええ、普通なら死んでしまうでしょうね。まあ、それは私が"人間"や"妖怪"、"神様"の類にも入らないから出来る所業なのですがね。」
「人間にも神様にも妖怪でも無い??そんじゃあ竜神は一体全体何なんだ?まさかバケモンって訳じゃあ無いだろう?まあ、幻想郷に居る奴らの大半はバケモンだと思うが…」
「うーん…どう説明したものか…まあ、簡単に言うと龍族の仲間だと思ってくれたら一番早いかな。」
「龍!?確か幻想郷に龍族って居なかったはずだが…?」
「いや、龍は居る。滅多に人前に出ないからね。だから外の世界にも詳しくは教えていないのさ。一応、華扇のペットという事で伝えては居るけど…もしかして、知らなかったのかい?」
「んー…そう言えばどっかで聞いた事ある様な…」
「まあ、龍に限らず外の世界には曖昧にしか伝えていない人妖は居るからね。幻想郷各地を見回って自分の目で確信してみると良いよ。」
「お、そりゃ願ったり叶ったりだ。丁度、幻想郷を見て回りたいと思っていたんだ。まあ、流石にあのバケモンには会いたくはないがな。」
「化け物に関しては出会ったとしても、今の君達なら能力を駆使して撃退する事も可能だろうとは思うけどね。一応、各所の要人達にあったらこの化け物の事を伝えておいてはくれないかい?本当なら私の仕事ではあるのだけど…」
「あー、分かりましたよ。でもまぁ…とりあえず先に何処に行った方が良いか…」
「だったら、先に妖怪の山の方へと向かってくれないかい?そこにいる守矢の二神と大天狗に会うと良いよ。守矢の二神には化け物が現れたから注意喚起を促す様に、大天狗の方にも同じ様に伝えておいてくれ。ついでに私の名前を伝えて何人か天狗を護衛に付けてくれるように頼むといいよ。彼なら快く快諾してくれるだろうからね。」
「了解っす。まあ、妖怪の山の場所がどこだか全くわからんけどな!」
と、何故かドヤ顔で隼が胸を張っていた。
「大丈夫さ。私が妖怪の山の麓まで送ってあげるよ。」
「お、そりゃありがてぇ。」
「となれば、早く寝て体力を回復させておいた方が良いだろうね。流石に話も結構長くしてしまったからね。」
「あー、そんなに長く話してたっけ?」
「これでも既に三十分近くは話をしているね。」
「意外と長く話してたのか…」
「まあ、深夜帯だからなのもあるのかな。夜中は時間を感じにくいものさ。」
「そんなものなのかねぇ?まあ、流石にまだ眠いから早く寝るに越したことはないけどな。」
「では、私はこれで失礼させてもらうかな。これ以上居ても長話をしてしまうかもしれないからね。」
そう言うと竜神は静かに暗闇の中に消えていった。
「さてと、また寝るとすっかな。」
「だな。」
俺達は再びベッドに横になると、すぐに眠りに落ちていった。
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「起きろー!」
俺が爆睡していると、突然上に誰かが飛び乗ってきた。
「グハァ!?」
「あ、ようやく起きた!」
「…起きたじゃねぇー!ってか、寝てる時に急に上に飛び乗るんじゃねぇよ!」
俺はお腹を押えながら、上に飛び乗ってきたフランを叱った。まあ、怒られてるフランは遊んでいるだけみたいな感じではあるけども。
「えー?だってもう一人のお兄さんがこうすれば絶対に起きるから〜って言ってたから!」
「アイツの仕業かよ!」
俺はとりあえず突然の出来事&寝起きだった為、顔を洗いに行こうとした。が…
「…そう言えば洗面所って何処だ?」
「どうしたの?お手洗い?」
「うん。まあ、とりあえず顔を洗いに行きたい。」
「だったら案内するよ!着いてきて!」
と言うとフランは元気よく廊下に出ていった。
「朝っぱらから元気だなぁ…ってか、吸血鬼って朝は弱いはずじゃないっけか?」
俺は少しだけ腕組みをしたが…
「まあ、いっか。元気なのはいい事だしな。」
考えるのが面倒なのでとりあえず元気だからって事にしておいた。
「さて、待たせると何されるか分からんからさっさと行くかな。」
俺はとりあえずパジャマから学生服に着替えると(って言うか何時の間にパジャマに着替えてたっけ?)、さっさと部屋を出た。
「あ、来たね。それじゃあこっちだよー。」
そう言ってフランは右の廊下を歩き始めた。
「にしても…最初来た時はあんましよく見てなかったが…建物の中も紅色に染まってるんだな。」
「まーねー。私達はからしたら普通だけど、慣れてない人には結構鮮やかすぎるんじゃないかな?」
「まあ、普通に目が痛くなるぐらいの紅さはあるな。ってか、まーた見られてるし。」
「また?」
「あー、うん。ほれ、そこに隠れてこっち覗いてる妖精メイド。」
「あ、ホントだ。もしかして遊んでもらいたいのかもね?」
「なのかねぇ?まあ、遊ぶのは良いけど頭に乗っかって来るからなぁ…」
「へぇ。妖精メイド達が人間相手にそこまでして遊ぶなんて…もしかして妖精に気に入られるような事したんじゃないのかしら?」
「んー?全く記憶に無いんだが?」
「じゃあ引き寄せる何かがあるのかしらね?」
「さあなぁ…」
「あ、話している内に着いたみたい。タオルは洗面台の隣にある棚の中にあるからね。」
「お、どうも。んじゃまあ、とりあえず先に隼達ん所に行っといてくれ。ちっとばかし時間かかるからな。」
「分かったわ。それじゃ、また後でね!」
そう言ってフランは食堂の方へと飛んで行った。
「おー、やっぱ早ぇな。さてと、さっさと顔洗って食堂に行くかなぁっと。」
俺は洗面所に入ると、すぐに顔を洗って廊下に戻った。すると、丁度俺とフランが来た方向からメイド服を着た女性が歩いて来た。
「あら、確か貴方は…昨日フラン様と戦っていた…詠 大地様…でしたかしら?」
「ん?ああ、そうだが?って、その服装に腰に着けている懐中時計は…もしかした紅魔館のメイド長、十六夜咲夜か?」
「あら、私の名前を知っていて、しかも見た事ない服装をしているという事は…外来人の方かしら?」
「お、正解。意外と頭が切れるようだな。」
「メイド長って言う仕事をしていますと、自然と考察したりする能力が付くものですよ。」
とまあ、目の前にいる紅魔館のメイド長、十六夜咲夜は笑って見せた。
(メイドの仕事と考察ってあんま関係ないような…?)
まあ、何か深く突っ込んじゃ行けないような気がするから気にしないでおくか…
「あー、そう言えば食堂に行かねぇと…」
「あら、まだ食堂に行かれてなかったのですか?」
「ああ。ちょいと顔を洗いたくてな。フランに案内してもらってここに居るって訳。フランには先に食堂に行ってもらったんだが…昨日部屋に運んでもらったみたいだから食堂の場所が分からねぇんだよなぁ…」
「あら、それでしたら丁度私も食堂に行きますので一緒に行かれますか?」
「お、そりゃ願ったり叶ったりってヤツだ。」
「では行くとしましょう。恐らく詠様と一緒に来ていたお客様も待っているでしょうから。」
「おう。あー、所でなんだがな?俺の事は呼び捨てで構わんぞ?何か様付けはむず痒いからな。後敬語も無しな?」
「あら、そうですか?でしたら普段通りにさせてもらいますわ。」
そう言って咲夜は薄く笑った。ついでにその後に小さい声で何かを呟いていた。
「…あの時の竜神と同じね…彼も…もしかしたら何か役割を持って来たのかもね…」
「んあ?何か言ったか?」
「いえいえ。瀟洒な従者の独り言ですわ。さて、立ち話も長くなりすぎてしまったから早く行きましょう?」
「おっと、やべぇ。早く行かねぇと隼がうるさくなっちまうな。」
「では、ちょっと失礼しますね。」
「へ?」
失礼しますってどういう事?って聞こうとしたら、俺達の前にはあの食堂の扉が現れていた。
「うお!?食堂の扉が急に出て来た!?」
「…ふふふ」
「って何で笑ってんだよ!?」
「私の能力…と言えば察しは付くのでは無いのですか?」
「…あー、もしかして空間弄ったか?」
「いえいえ、確かに空間も弄ることは出来ますが…もう一つあるのはご存知無いですか?」
「って事は、もしかして時を止めたか?」
「正解です。時を止めてる間にこう…抱えるようにして運ばせてもらいました。」
「うん。まあ、何となくは想像してたよ?でもやっぱいざ言われるとなると、何だかねぇ…小っ恥ずかしいなこりゃ…」
「あら、意外と恥ずかしがり屋さんでしたか?」
「いやいや、普通に恥ずかしいと思うんだがねぇ…まあ良いか…とりあえず入るとするかね。」
俺はとりあえず話を切り上げると、食堂の扉を開けた。まあ、隼とレミリア達だけで待たせてしまったので、多分何かしら起こるとは思っていたが…
「っしゃあ!!ストレートフラッシュだ!」
「嘘でしょ!?これで13連勝目!?」
「あー…まさかのポーカーしてたか。」
「お?よーやく起きたか!丁度良い!詠も一緒にポーカーしようぜ!多分負けると思うけどな!」
「負けると分かっていながら勝負吹っ掛けるって…」
「いやいや、それよりも13連勝目って聞こえたのですけど!?」
「まあ、隼はポーカー得意だしな。俺も得意ではあるが。」
「お嬢様も結構強いと思うのですが…」
「手も足も出なかったわ…」
「ってか、何でポーカーしてんだよ…てっきりレミリア達と食事してっかと思ったんだが。」
「ん?いやぁ、丁度俺が食堂に入った時にレミリアとフランがババ抜きしていてな。面白そうだったんで参加してたらいつの間にかポーカーになってたぜ。」
「何でだよ…」
まあ、何か楽しそうだからいっか。にしても…なんで咲夜は後ろを向いてるんだ?
「おーい咲夜、どうし…あ(察し)」
まあ、何となく分かってたけども…咲夜は後ろを向いて鼻血を垂らしていた。まあ、あの二人が仲良くカードゲームしてるってのを想像したら微笑ましいってのは分かるんだが…やっぱ咲夜ってこういうキャラだったか…面白いから良いけども。
「あ、どうかされましたか!?」
あ、しかも声掛けられてめっちゃ焦ってるし。なんか可愛いな。うん。
「あー、いや何か後ろ向いていたから気になってな。とりあえずハンカチ貸すから鼻血拭きな?」
「あ、ありがとうございます…」
焦り過ぎていたのか、ハンカチを物凄い勢いで取るとすぐに後ろを向いて鼻を押さえていた。
「…まあ、あっちは気付いてないみたいだし良かったんじゃねぇか?俺も別に言いふらす様な事はしねぇしよ。うん。」
「あ、はい…ありがとうございます(?)」
何でか知らんがお礼を言われちまったな…やっぱ可愛いな。
「あ、所で飯ってもう食ったのか?」
「ん?ああ。詠を待っておこうとも思ったんだがな?思ってたよりもグッスリと熟睡してたからな。先に食っちまったぜ。」
「あー、やっぱそうか。」
「一応詠さんの料理もご用意出来ますが…食べられますか?」
「んー…いや、大丈夫だ。代わりに持ち運びの出来る握り飯を何個か用意してくれないか?歩きながら食べたいからな。」
「分かりました。それではいくつかご用意してきますね。」
そう言って咲夜は能力を使って食堂から出ていった。
「さて、とりあえず上からこっそりと覗いている管理者さんには攻撃仕掛けても良いって感じかな?」
「おっと、それは勘弁願いたいね。」
そう言って上から逆さまに竜神が現れた。
「全く…こっそり見るのは良いけど、何で上から見るのかねぇ?」
「はっはっは。まあ、なんと言うか何となくだね。特に深い意味は無いよ。」
「それに意味があったら怖ぇっての。」
「それもそうだね。」
竜神は上から降りてくると、近くの椅子に座った。
「さて、今日は妖怪の山に連れて行ってあげるけど、準備とかは済んだかい?一応話は聞いていたから咲夜がおにぎりを作り終えるまでは待つけど。」
「んー、俺は特に無ぇかな。」
「あー、じゃあ出来れば何だけど何かしら武器を用意してくれないか?またバケモンに遭遇しちまったら能力だけで対処するってのも大変だしな?」
俺はそう言ってチラリとレミリアの方を見てみた。
「あら、何かしら?」
「何でもねぇ。」
やべぇ、何となくレミリアの方を見たらすんげぇ殺気出しやがった。
「まあまあ、あながち間違ってはいないだろう?」
「それを言うなら竜神だってそうでしょう?今の貴方には私ですら勝てないのだから。」
「おっと、そうだったね。」
そう言って竜神はまた笑った。
(いやいや、それ笑って流せるって中々メンタル強いな!?普通だったらうぐっとか言う反応見せるだろ!?)
「まあ、私はこれでも前に精神ダメージ受け過ぎて慣れてしまっただけなのだがね。」
「慣れるなよ!?ってか何気に俺の心の中読まないで貰えますかね!?」
何か色んな意味でスゲェ疲れる…
「まあまあ、これはこれで変に緊張しなくても良くなるでしょう?」
「だから心の中を読まないでくれっての…と言うか、居るんだったら声をかけるなりなんなりしてくれないか?幻想郷の住人ってこっそり覗き見たりするのが日常なのか?」
と、俺は食堂の扉の方へと声を掛けた。すると扉の裏から儚月が出て来た。
「おっと、まさか気付かれてしまうとは…たまには悪戯としてビックリさせようと思ったのですが…」
「あー、言っとくけど俺ってめちゃくちゃ僅かな気配でも感じ取れるぐらいの能力は持ってるからな?普通に気付いていたっての。」
「おや…私のほんの僅かな気配だけで見つけたと?」
「当たり前だろ?じゃなきゃ見つけれねぇっての。」
「まあ、そういう反応になるのは当然だろうね。私の気配ですら気付かれてしまったのだから。」
「竜神の気配ですらも…昨日の戦闘も凄かったけれども、気配探知も相当なものだね…下手をしたら私達以上かも知れないね。」
「んー、何か竜神達にそれ言われるといよいよ俺の気配探るのがバケモンじみてるって思っちまうのは何故だ?」
「まあ、そこは気にしなくても良いと思うよ?っと、どうやら咲夜の方も終わったみたいだね。」
竜神がそう言うのと同時に咲夜が儚月の隣に現れていた。
「すみません。ちょっと妖精メイド達が勝手に摘み食いをしていたので説教をしていたら遅れました…」
「あー、大丈夫だぜ。こっちはこっちで話をしていたからよ。そんで頼んでいたやつはそれか?」
俺は咲夜の持っている包袋を指さした。
「はい。ついでに凩様のも作っておきましたので一緒に食べて下さい。」
そう言って咲夜は包袋を渡して来たのでそれを受け取った。
「ありがとよ。んじゃあ、俺達の用事はこれで終わりだからな。妖怪の山に連れて行ってもらおうか。」
「ええ、それでは君達を妖怪の山の麓へと送るよ。念の為に言っておくけど、私が頼んでおいた事は忘れないように伝えておいて下さいね?」
「分かってるって。んじゃあ頼むわ。」
「では、スキマを開くからその中に入ってくれ。」
竜神は空間に結構な大きさのスキマを開いた。
「よっしゃ!んじゃ俺が先に行くぜ!」
そう言って隼はスキマの中に勢いよく飛び込んで行った。
「全く…挨拶ぐらいしてから行けってのに…」
「まあまあ、幻想郷にいる限りは何時でも会えるのだから気にしなくても良いですよ。」
「んまあ、そう言うのであれば良いけども。ま、とりあえず隼を先に行かしたままなのは危ねぇから俺も行くわ。んじゃまあ、また会おうや。」
そう言って俺はスキマの中に入っていった。
「…行かれましたね。」
「ええ、そうね。それにしても、あの二人かなり強かったわね。下手をしたら八雲紫かあの月の綿月姉妹と同等ぐらいの実力は持っているんじゃないの?」
「確かにそうだね。外の世界にまだあれだけの実力を持っている青年達が居るとはね…まだまだ外の世界も捨てたものじゃないね。」
「まあ、とは言っても彼等の様な実力を持っている者達は極わずかしか居ないだろうね。それか、もしかしたら…」
「もしかしたら、何だい?あの二人も貴方達と同じく定められた運命で幻想郷に来たというの?」
「恐らくですけどね…ですが恐らく杞憂でしょうね。幻想郷はあの一件以来、平和に過ごせているのですから。」
「まあ、これからの事は彼等の行動によって決まるでしょう。それが良き未来なのか、それとも…」
竜神はそこまで言うと少しだけ言葉をきった。
「幻想郷を滅びの道に誘う破滅の未来なのか…流石の私でも、彼等の幻想郷に及ぼす未来は読めませんからね…」
相変わらず今までのキャラが出てくる後書きなり〜(꒪꒫꒪ノノ"パチパチパチパツ
今回の後書きには八雲紫に出て来てもらいますぜ!ではどうぞ!
「と言う訳で、後書きに出る事になりました八雲紫ですわ。通称永遠の18歳ですわ♡」
…何言ってんだこのBBAは?
「あら?何か聞こえた気がしますわね?」
あ、何でもないです。うん。だからとりあえずその傘をこっちに向けないで貰えますかね?
「あら、気の所為だったのかしら?ついでにここでうp主消して私がずっと後書きに出ようと…」
何かすっげぇ物騒な事が聞こえた気が!?
「気の所為気の所為♪」
むう…ものっそい心配ではあるけども…まあ、とりあえず後書きって事だから何か言っといて。
「何だか投げやりな気もしますけども…」
気にしない気にしない。
「あ、はい。とりあえず何を言いましょうかしらね…うーん。」
なんも思い付かないんだったら、あの主人公二人の事でも話したらいいんじゃね?
「あら、それはいい考えね。とりあえず私から言える事は一つしかないのだけども、あの二人私の正体を見破っただけでもなく、戦闘能力も高いなんて思わなかったわよ?しかも、隼君だったかしら?あの子に関してはレミリアとサシで勝負してほぼ互角何て有り得ないわよ?下手をしたら空や霊夢にも匹敵するんじゃないかしら?」
∑(Ò⌓ Ólll)マジか…。
「貴方うp主なんでしょ?それぐらい分からないの?」
ノリと勢いでやっているものなんで。
「あ、はい。と言うか私はもう喋る事無くなっちゃったわよ?どうするの?」
うーむ、喋る事無いんだったら今日はこれでお終いにしようかね。
「分かったわ。じゃあ、次も何時になるか分からないけども、次回でお会いしましょう!」