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回復依存の邪神様   作者: 災難な鳶
邪之章
96/112

異端者

風を切りながらバイクで走行する黒いローブを着た女、その後ろに乗っているのは人型のスライム。

ルデンは走行中に激しい頭痛に襲われた。痛みに耐えながらブレーキを掛けることはできた。だが、停車したと同時に倒れてしまうルデン。

その苦しむ様子に心配になるスライムだった。


「大丈夫…?世界変わったね…」

「何だよこれ…!!」


激しい頭痛の中で脳内に映るものがあった。世界の目により世界改変の内容を強制的に見せられる異様な出来事のフラッシュバックの数々。その一枚一枚がルデンの長年の人生の常識を覆す。

ルデンの処理能力では、世界の改変全てを認識できないにせよマテラの先祖アース・サキアの首が跳ねられている一枚絵だけでも驚愕。サキアの正面にあの邪神が見えた。恐ろしいことに邪神の真上に串刺しのアルディーアスも見え、本当に意味が分からなくなった。あの悪魔女王が、いやルデンが最初に契約した事実上の最強の悪魔が邪神に踊らされているのだ。しかしルデンには、それすらどうでもいいと感じるほどに異質な姿が見えた。


「誰なんだ、あの天使…」


天使…であろう翼は黒であった。その翼はただの黒とは呼べない全ての煩悩を感じさせるような漆黒と呼ぶべきだ。ルデンの知る堕天使と比較にならないフラッシュバックでも伝わる魔力を帯びていた。

邪神より漆黒の天使にルデンが注目したのには理由があった。


「こちらに気づいてるみたいだ」


漆黒の天使は、まるで見られていることを知っているかのように目線がコチラを向いていた。そこにいるはずもないルデンの見る視点にサキアの首を跳ねながら見ていたのだ。

そして静止画だと思っていたフラッシュバックが一変して動き始めた。

漆黒の天使の言葉がはっきりと伝わる。


「この世界の私の基点トリガーとやらが貴様か?」


目線は邪神を前にしてルデンの見る視点から変わらない。すると内側から声がした。


「誰なの…その魔力量…おかしいわ。サキアを一瞬で…」

(この声は…)


詳細不明の女と天使の会話が始まる。ルデンの見ている光景が女のものであることが映像の動きから察する。だがそれも邪神の一言で幕を閉じた。


「あっれ?何で居ないの?どこに行ったのっ!?」


焦っている様子だった。次の瞬間視界は歪みフェードアウトする。だが微かに「アンユ」と聞こえた。邪神が間違いなく叫んでいた。

アンユが居なくなった。邪神がそう言ったのだ。

何故ここで改変前の様子が終わったのかルデンには分かる。アンユを引き戻す為であろう。だが失敗したのだろうか?

暗闇の中で邪神が泣いているのが見えた。再び視界が歪む。

次の映像も同じだった。邪神は泣いている。再び視界が歪む。

次の映像も邪神は泣いている。再び視界が歪む。

次の映像も邪神は泣いている。赤い血の涙で泣いている。隣に生首が見えた。邪神の首が血塗れで鎮座している。再び視界が歪む。

また邪神が泣いている。赤い血の涙で泣いている。隣に邪神の生首が二つに増え血塗れだ。再び視界が歪む。

生首だ。血塗れの生首が沢山沢山…


「アンユ、アンユ、アンユ…」

(なんだ…なんだよ…?!)


増える。どんどん増える。

邪神が泣いている。赤い血の涙で泣いている。何度も何度も失敗を繰り返す。失敗の度に生首が増えている。血塗れの生首が沢山沢山…


「ダレガ」

「オマエカ…」

「ダレガ」

「オマエカ…」

「チガウ――ツノ―――――」


狂い歪みまくる邪神の姿に精神が耐えきれなくなったルデンは意識が吹き飛ぶ。

目が覚めると場所が変わっていた。


「おい、何処なんだ?」


バイクとスライム以外の全てが塗り替えられたかのように二人は森林にいた。


「世界変わった…ここ国…あった場所…」

「国?」


スライムが世界改変の前後を全て認識出来ていることは、この際どうでもよいと感じた。問題は…


「いや、嘘だろ…まさか国って」

「あの人…色々な世界…切れ端を…」

「そうか、何をしたのかは予想できた。アンユか…」


スライムの言う「あの人」や「切れ端を」の意味をルデンは意識が吹き飛ぶ前に見えた邪神の様子で直ぐに理解できた。


「アンユ…向こうにいる…」

「そうか、邪神は成功したんだな」

「たぶん…失敗…」

「え?」


ルデンは世界の目を使いスライムの言う方角へとアンユを探す。だが見つからない。


「いないじゃないか…」

「あれ…あの男の人…」

「………………」


言葉が出なかった。

スライムの失敗の意味すら越えて「意味不明」と表現するしかルデンにはできない。そこに見えるアンユと思わしき男は見たことのない巨大なモンスターを軽々と蹴り飛ばしたからだ。


「色々な世界のアンユ…あの人集めようとした…」

「あれもアンユ…?」

「でも失敗…あの人の中身…アンユが呼んだ…」

「ごめん、全然理解できない」


とりあえずスライムの提案から、あの男と会ってみることにした。二人はバイクに乗り森林を駆け巡る。


「リュート…イデア…」

「ん?イデア?」

「あの人…名前…」


邪神を欲しいと言っていたスライムにとって彼と出会えるのは歓喜の中の大歓喜。

後書き


全天録の本編が完結したようです

別作品に分けて帰還後の流れ作っているみたいですね

うわガチなハーレム始まるやん…気持ち悪い(誉め言葉)と言った書き出しであった

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