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回復依存の邪神様   作者: 災難な鳶
邪之章
94/112

ジャイアントゲジゲジ

暖かい気候と緑に包まれた森林。

リュートはそのど真ん中に立っていた。

何かの手違いだろうか?

目印になるような建物なんて何もない地に送られている。


「【アンユ、ここ何処か判るか?】いえ全く」


異世界にダチの助っ人を頼まれた直後に目的地が何処か分からない状況。だが彼は進んだ。

片っ端から調べる他無い。ここは異世界だからだ。ダチに会うのが当分の目標となる。


「【ブロックの世界じゃないんだから…】」


素手で木材をボッコリ採れるような野菜せ…じゃなく優しい世界とは程遠いサバイバル生活であった。


「【てか何の支給も無しに始まるものか】治療なら任せてくださいね。祈ります【そういう世界なのね】」


かなり原始的な状況と思っていたが実際はファンタジーであった。彼にとっては…


「【あーやっぱりそういう世界なのね…】逃げましょう【え?魔法でドカンとできない?】回復しか」

「グギャァアアアアッ!!」


その大きさ十階建てのマンションを軽く越える無数の脚が生えたゲジゲジらしき巨体。

その咆哮で察する迫力と力の差、ただの人間であったリュートにその巨体を相手にするには手持ちが無い時点で詰み。

巨体ゲジゲジの口らしき部分が大きく開き空気が揺れる。


「【なんか来そうだ】早く逃げましょ!」


それは鋼鉄の塊に見えた。

リュートは駆ける。全速力で走った。


「何やってるんですか!?【ああいうのって至近距離だと当たらないと思うぞ】」

「アヴォアァアアアッ?!」

「【おーけい理解した。効くんだな?】ウソ…」


巨体に向かって走ったリュートは拳で突いていた。彼は構える。


「【創造・開拓・打つ・創造・開拓・打つ】」


左右の拳を交互に打ち込む。

巨体ゲジゲジは真上に鋼鉄の塊を吐き出してしまう。その落下地点は勿論その下で口を開いてるゲジゲジ自身。


「【阿仏想龍斗アブソリュート・真打ち!!】」


大きく回し蹴り


森林を破壊しながらその巨体は吹っ飛び体液を撒き散らしながら砕ける。

リュートは最初の構えに戻り深呼吸した。


「何が起きたんですか…【たぶんチャイナドレスはこの為】それって強力な装備なんですか!?」


リアクションに困ったリュートは石ころを拾う。


「【この世界はファンタジーであった。ならば思想を固めると力になる。こんな風に】」


ゲジゲジの飛んだ方角へ走り出した。


「【示せ…我が分身】形が変わった!錬金術できるのですね【これは十字架?】」


ただの石ころが十字架となった。この状況で武器になってくれないというのはコツが掴めていないと察するリュートはゲジゲジに目掛けて投擲する。


「あっ…!ロザリオをそんな投げちゃダメですよ!石ころだったとしても【アンユは聖職者か?やはりアンユの影響で】」


巨体ゲジゲジの亡骸に刺さったロザリオは不思議と輝いていた。そのロザリオに引っ張られるかのように中から人が出てきたのだ。


「わ…私じゃないですよ?【何も言ってないだろ】」


というのも出てきた人が普通じゃないからだ。無数の脚が生えた人型のゲジゲジといった見た目。


「生まれ変わった…貴方、何者?」


まさかのゲジゲジが擬人化。虫の脚が脇から横腹、腰へと何本も生えている。


「【通りすがりの冒険者だ。雌だったのか】あぁ…えっと私は聖職者のアンユです」

「ただの人間だと思って夕飯にしようと思ってたんだけどお兄さん強いね……あれ?お姉さん?」

「【何でもいい、意思疎通のできそうな生命体に初めて会うのだ。友人を探している】ちょっと龍斗さん!まずは自己紹介から!」

「二人いるの?私もね大地が26000年前からバラバラになって自分が何処に立ってるとか分からないかな」

「【何年生きてたんだよ…あんな巨体】」

「いや私に質問させてよ。本当に何者?」

「【誰でもいいだろ】良くないですよ!」

「私この世界で結構強いはずなんだけどね、それをこんな醜い姿にして責任取ってよ」

「【そうか?似合ってるぞ】それ絶対本心じゃないですよね!?【悪いか?】」

「に…似合ってる…かな?」

「【そういうのいいからどっか人がいそうな場所を教えろよシバくぞ】ちょっとリュートさん!?」


なんやかんやありましてリュートに「【ゲジ】」と名前を付けられて仲間入り、というより勝手にゲジは着いてきた。


「【よぉーしゲジ、まずはお前のデケェ亡骸使うぞ】えっ?」

「優しくですよ?」

「【人外とはいえ服くらいは必要だからな】あれで?」


巨体ゲジゲジの亡骸から皮を剥ぎ取り、ゲジの脚を覆う服にした。


「キツくないですかこれ…」

「【そりゃ敵はキツく縛らないとな】リュートさん仲良くしてください!【は?】」


覆うというより彼女の手足を縛り付けただけであった。それをアンユは解く。


「回復魔法……初めてかも」

「こんな女の子を縛るなんて酷いです【すまんククラ、これは遅刻確定だな】大丈夫ですかゲジちゃん」

「いや本当にあんたら何者?」


ゲジの問いに答える者などいなかった。

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