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回復依存の邪神様   作者: 災難な鳶
邪之章
87/112

対の正妻ククラ=ニーツ

暗転した世界から再び目を開くことで光を得る。

今度こそ目覚めの時だとアンユは思っていたが違った。


「あれ?ここは何処だろ」


まだ自分は眠っているものだと考えた。

目の前に建つ大きなアパートを見上げた。

アンユは特に驚くことはなかった。転生後の世界で見慣れていたようだ。


「アン…ユ…?」


背後から女性の声が聞こえた。

自分を呼んでいるがアンユは疑問を抱きながら振り返る。


「誰です?」

「どういうことだ…そんなことがあり得るのか!?」


振り返ると目の前の女性は化け物を見るような目でアンユに問う。

アンユには理解ができなかった。


「あの…私の名前を何故」

「おい!何をした!?答えろ!」


アンユには理解できなかった。

自分の姿が違う誰かであるのにアンユと呼ばれたこと。

今、目の前で自分の肩を掴んで謎の質問をする女性のこと。


「なるほど、知らないらしいな…しかし何をどうしたら…」

「あの…夢の中で何ですけど誰ですか?」

「夢?現実逃避と来たか…私もそうしたいくらいだ」


女性はアンユを理解した。


「だがな…そう上手くいかない相手と戦っている。彼の敗北は確定するが故に多発した失敗…絶望…それをねじ曲げたら思わぬ事故の誘発と奇跡の復活。アンユ、貴女はそういった当事者だ」


アンユは女性を理解できない。


「すみません…何を言ってるのかさっぱりなのですが」

「そりゃそうさ、言語の壁など通過済み!世界の壁など通過済み!論外アウターだぞ?それを今まで見てきた傍観者と自覚のない当事者の違いだ。解るな?」

「わ…わからないです…」

「それはそれで結構大事だ…しかし問題は何故そんな復活をする?彼と面識は無いの?」

「彼って誰ですか?ラマンのこと?」

「あぁ…やっぱいいよ…こっちで調べる」


女性はアパートの中へアンユの手を引っぱりながら連れていく。


「では挨拶といこう。私はククラ=ニーツ。ククラとでも呼ぶといいゾ」

「ククラさんですか…私は」

「アンユだな、お互い頑張ろう」

「え?何をです?」

「作戦は、これから決める。私にとっての全てを取り戻す為に…そしてアンユの全てを戻す為に」

「つまり回復ということですか?」

「人の話を聞いてたのか…?回復馬鹿のままじゃこの先きちぃZE…」

「きちぃぜ?」

「んんっ!忘れろ…」


ピンポーン


インターホンが鳴り響く。誰か来たようだ。


ククラはニヤリと笑い扉に向かう。

アンユは座って待っていた。


「聞いて驚けルーシー!いや、聞かなくても驚け!」

「そのテンションは悟だけに……」

「……………」


ルーシーと呼ばれる女性とアンユは目があった。そして女性はククラに言おうとしていた言葉など忘れて絶句した。


「あのー私に何か付いてます?」


アンユは未だに状況を知らない。

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