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回復依存の邪神様   作者: 災難な鳶
邪之章
86/112

少年の記憶・邪神適合者

またこの感覚だった。体が重い。

私は目を開き暗闇から開放される。そして目に映る光景と体の違和感に直ぐに気づいた。


「部屋なのかな?」


部屋にしては狭い気がしたが私はここで【寝ていた】のだ。物置小屋かと一瞬思ったのだが物が少ない、そしてカーテンが見える。そのカーテンは日差しを全て防ぐことはなく長さが少し足りていない。クローゼットのようなものも見える。間違いない、ここは誰かの部屋だ。


「確かルデンから魔法を受けて…えーっと…」


そこからの記憶が全くない。そして目が覚めると自分の体は男性になっていた。鏡はないが全身に全て違和感を感じた。違和感からなのか魔法の影響なのか動きにくい…


「全部魔法なんだろうな…きっと夢だ」


フラフラしながら立ち上がった。


そして部屋のドアを開けて外に出る。


「…………………ウソでしょ」


しばらくの沈黙の後に現状を理解できないアンユは目を擦った。そして全て夢だと自分に言い聞かせながら階段を降りていく。


再び違和感。


「あれ…?何故階段を知っていたの?」


自分がこの家の構造を理解していることに疑問を持つ。


「いえ、これは夢よ…勝手に体が動くのも夢だからよ」


そして自己解釈しながらアンユは空を眺める。

夢だからと言い聞かせてしまえば何も不思議なものでもない普通の光景だった。


「あれは獣人だろうか?あっちはエルフ?色々飛んでるわね…」


空飛ぶ円盤のようなものに様々な種族の女が人間の男と一緒に空を楽しんでいた。

体は次の目標に向かって歩んでいた。現実であれば無意識と言うべきか…しかしこれは夢である。そうアンユは言い聞かせる。


「次は何を見れるのかしら?」


右手は腰のポーチに手を伸ばす。そこから龍の鈴が付いた青い財布を取り出した。

青い財布は何かのゲートのようなもののセンサーに当てていた。


ピッ!


ゲートは開き次に進む。


『ご利用有り難うございます』


アナウンスが聞こえる。アンユの耳に【チカテツ】と聞こえた。そんな気がした。

動く階段に乗っていた。どんどん下へと移動していく。すると左右に大きな乗り物が二つあった。


「これが【チカテツ】なのかな?初めて見るわね…」


周囲に人がいなかった。この大きな乗り物に自分だけ乗るのだと直ぐに感じた。最初に見たあの優雅に空を楽しんでいる人々から考えられるのは【チカテツ】を利用する人が激減したのだろう。時代の変化を感じた。


「私も同じだったわ…」


自分は転生という形で時代に流された。これはその記憶の整理が夢となっているのだろう。

アンユはそう考えた。

次は地上に進んでいた。再びポーチにある青い財布を取り出した。今度は様々な数字が並ぶ画面の前であった。その下に映る挿入口にコインを入れていく…

右手は【740】に触れていた。機械音が鳴る。


ピィピィピィピィピィピィー!ガチャ…


紙切れが出てきた。この紙にも【740】と書かれている。体が紙を持ってゲートに向かう。


「もしかして記憶の中?」


アンユは違和感の正体に気づいた。夢にしては鮮明過ぎる光景に自分の意思では体が動かないことに


『3番乗り場の電車は…』


アナウンスが聞こえる。それを最後に何かがプツリと切れたように世界が暗転した。


「【そろそろ遊びに行こうかな】【あいつNEETやってる】」


少年の声だった。

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