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回復依存の邪神様   作者: 災難な鳶
邪之章
82/112

覚醒状態

覚醒状態について:本来の力を特定条件を満たして解放するもの。この状態では従来の能力とは全く異なる能力に変化して職業も変化する。その為、新たな戦闘スタイルへと変化する。覚醒状態は主に本能的な部分から能力を引き出す為、その新しく変化した戦闘技術なども同時に甦る。知らないはずなのに知っている状態となる。この覚醒状態は条件や変化も個人で異なる為、血の繋がりや種族や元々の力に一切関係を持たない独立した力となる。つまり素質次第で神すら凌駕する可能性も秘めた究極の力となる。ただし従来より劣る場合も少なからずある。

「マテラ様くらい簡単に倒せなければルデン様を越えるなんてできませんので」


ルベラは軽い挑発をした。バハムートの頭に乗り手招きをマテラにする。

サキアはジレスの肩を叩き立ち去ろうとする。


「お呼びらしいぞマテラ、後は頼んだ」

「待てサキア、今のマテラでは…」

「大丈夫だ、ちょっといいかマテラこれをやる。ほら…」


サキアは投げ捨てた杖を拾いマテラに向ける。


「どういうつもりだ…」

「ほらほら受けとれ」

「杖なんかで俺にどうしろと、相手はバハムートだぞ?」


待ちくたびれるルベラはバハムートに指示していた。


「いつまで待たせるつもりですか?逃げるなら早く逃げちゃってください、追いかけて焼きますので」

「あの野郎、舐めやがって…!」


ぶちギレるマテラは杖を乱暴に取りあげた。

バハムートの口から放たれる灼熱の息吹きがマテラ達に迫る。

ジレスが構えようとしたがサキアが止める。


「これ以上の被害は見てられないだろ何故止める!?」

「落ち着けって…よく見ろ」


サキアの渡した杖はマテラに共鳴するかのように炎の亀裂を見せながら光りだしていた。


「あれは…」

「おいクソババア、何だこの杖は…」

「だからさ、覚醒状態のことでさっき説明してたのだが聞いてたか?」

「違うだろ、この杖は何だ!?」

「さぁ?まあ後は頼んだぞ~私達は邪神を追うから」


サキアはジレスの手を引き立ち去った。

バハムートの息吹きをその身で受け止めたマテラは無傷であった。


「あら?バハムート程度じゃ話にもならないと言うことでしたか…通りで余裕を見せていたのですね。ふーん、勉強になります。」

「知るかよ!それよりも、その気持ち悪い杖は何だ?」

「これですか?この目玉を取るとですね~」


ルベラは先ほどバハムートの攻撃を無傷で耐えられたこともあり、そのまま更に召喚を繰り出す。


「見せるのが速いでしょう?」

「そうだな、ルデンにも色々聞きたいことがあるが殺るしかなさそうだな!」


ルベラの投げた目玉は先ほどと違い眩しい稲妻を周囲に放っていた。それは再び門を呼び幻魔を召喚する。


「我に従い怒りの雷鳴で敵を討て、そして歴史を黒く塗り潰すのです」


開かれた門から光る馬のような幻魔が駆ける。

だがその馬の脚は何と八本もあった。

それを見たマテラは鼻で笑う。


「ふっ…面白い手品を見せてくれるな。ルデンを越えるって?無理だね…」


バハムートから飛び降りたルベラに向かって光る馬が走り、ルベラは背に乗る。


「ガキだと思わないことですよマテラ様、たとえ伝説の勇者であっても過去の話です。」

「おいおい、古くさい幻魔ばかり呼んでおいてそれか?」

「あなた、杖を持った瞬間から何か変わりましたね…」

「それはお互い様だろ」


マテラは杖を構える。彼の背から炎の翼が伸びていた。ルベラも幻魔達に指示をする。

バハムートの巨体が突進してくるがマテラは翼を使い上空へ回避する。だが上空に待っていたのは複数の魔方陣、その中の一つから馬に乗るルベラが槍を持って迫っていた。


炎を周囲に放ちながら旋回してマテラは回避する。マテラの放った炎は別の魔方陣に入ったルベラに届いていなかった。


「槍に八本脚の馬、マジかよ…」

「そこっ!」


再び別の魔方陣から槍を突くルベラ、それを旋回して避けると真横をバハムートの巨体が通り過ぎた。


「おっと危ない…」


マテラはルベラが追加で召喚した馬と手に持つ槍の正体を思い出した。


「はぁ…それでいてまだ追加で出せるって想像するだけで嫌な相手だな」

「まだまだ余裕なんですね、ですが何時まで続くのでしょうね?」

「そうだな~俺は長期戦は大嫌いだ。手短に済ませるぜ!」


その言葉を最後にマテラから黒い炎と邪悪なオーラが溢れた。


「燃えるぜ!俺の魂が…荒ぶるぜ!怒り狂う業火が…光と闇が交差せし我が炎を持って貴様を喰らう!【邪神ゴッドキッスい】」


マテラの肉体は黒い皮膚で覆われていき、手に持っていた杖が姿を変える。それは黒い刀身だった。

マテラの背後から抜け落ちるように鳥のような形をした何かが出現して朽ち果てた。

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