鑑缶間感勘!(カンカンカンカンカン)
素うどんを噛り、不純物を取り除く作業を繰り返しては寝て起きての日々の中…
俺は何を求めるのだろうか?
普通とは何だろうか?
俺は何もない、どうしたらいいのだろうか?
疑問を抱き、それに答えるのも自分だ。
自分とは何だろうか?
何もない俺は何だろうか?俺は?
俺……何だろうか?
疑問を抱き、それに答えるのも自分だ。
真空状態に物質は集まる。ならば集中の意味も無いから確立している。
集中していない俺は集中済みなのか?
疑問を抱き、それに答えるのも自分だ。
だが何が集まったというのだ?
人間としての確立に必要な最低限の集中、構築創造……
この思考回路もまた不純物の塊に過ぎないようだ。不要だ不用だ……
消去不要だ不用だ……
消しても集まるじゃないか……
どうして……
何でそんなことにした……
不要だ不用だ……
こんな感情すら不要だ不用だ……
染まらないのではない
受け付けないわけでもない
無力化?違う……
不要だ不用だ……
そこに無いのに何を求めると言うのだ?
不要だ不用だ……
何故考えている?
欠けていることは正しいからか?
疑問を抱き、それに答えるのも自分だ。
ありふれた不純物の塊め……
不要だ不用だ……
…………。
受け入れよう、全て……
偽りの体現者よ……
認めよう創造者よ……
貴様を消すことが俺という、いや……
私だ。私なのだ。
それは私ではないが流れるからこそ
私なのだ。私だからだ。
否定しよう、全てを……
受け入れよ、全てを……
拡散するその偽りを無限の真実で圧縮しよう。貴様が私に集中するように移動するように揺さぶられるように、私は貴様を拡散し吹き飛ばし固定しよう。
偽りで塗り潰すがいい……
我が無我に集中せよ、全てを持ってこい……
その全てを圧縮し拡散し否定しよう……
それが真実だ絶対だ想起だ
集中する偽りから導きだされた偽りや呪縛や邪念の体現は無我に名を宿すことになる……
「我が名は絶対的想起である。それは全てを消し否定した時に完成する奇跡の体現者に他ならない、流れるままに……」
全ての否定と崩壊の先に生み出された偽りの体現者は全てを構築し創造する。
「ぬーん、やっぱルシ姉の方がな……」
by 林田龍斗&上木悟
研究所の謎の爆発により拡散した缶は、弾丸となり周囲の人々に降り注ぐ。
研究所からの爆発を人々は全てルデンの研究により失敗したものだと思い込んでいた。
「危ない!」
降り注ぐ缶に向けて銃弾を撃ち跳ね返す。
無数とも言えるほどの膨大な缶の弾丸を全て一人の女が跳ね返していた。
無数の缶は再び宙に舞う。
女は右手を空に向けて魔方陣を展開した。
「魔弾を撃ち込んでも尚、消滅しないと……焼き尽くす!」
展開した魔方陣は宙に舞う缶全てを覆うように広がり業火を生み出した。
「二次被害は最小限にしないと」
缶の破裂による二次被害を想定した防御壁を筒状に展開した後に業火と共に缶を圧縮していく。
無数の缶は破裂しながらも空気圧に圧迫され塊になっていく。
塊となった缶は女の元へ落下する。
「なるほど…」
それを難なく受け止め鑑賞していた。
圧縮された塊の大きさは僅か直径20cmほどの球体となっていた。
それでも膨大な缶の塊である球体は異常な重量となる。それを片手で軽々と持つ女の力量は誰もが見ただけで確認できる。
周囲の人々は、それを呆然と見ていた。
「私達の魔法が全く効いていなかったというのに、何者なの…」
ルデンの故郷となるこの場所では魔法に長ける優秀な魔術師が多い。そんな彼らが全く歯が立たなかったほどの缶だったのだ。
女は球体をじっと眺めた後、怪我人がいないか周囲を見渡している。
そして、避難の際に飛行魔法を誤って暴発させてしまった者を見つけて向かう。
「大丈夫ですか?」
返事はない、魔力切れで気絶をしていた。
女は魔法で軽い治療をする。
「申し訳程度になりますが、せめて体力だけでも…」
「ん……んっ………うっ…」
女の行動から周囲の人々も我に帰る。怪我人の手当てを優先するべきだと、爆風だけでも被害は大きい。
「立てるか!?無理はしなくていい、安静にするべきかの判断を問う!」
「もう少し……です…」
「そうか…」
女は次へと急ぐ。
こうして怪我人は無事立てる程度に回復した。だが直近から爆発を受けた何名かは死亡が確認された。
そして全員の疑問と疑惑が膨らむ。
「そ、そういえばルデン様は!?」
「ルベラちゃんもいないわ、何処に行ったのかしら…」
「実験をしていたわけではなさそうだ…」
「まさか時限爆弾を?」
「そ…そんな訳がないだろ!」
「では研究所で何が起きたんだ?」
様々な意見が飛び入り口論になる者までいる。だが缶を圧縮した球体を地面に叩きつけ女が叫ぶ。
「静かにしろ!これは命令だ!まず、爆発に関してだがこの球体から膨大な魔力が検出された。二つ目に私は、ここにたどり着く前に三人の女を見た。三つ目に私はヤツを追っている。その者は既に騒ぎの間に疾走した。以上だ!」
全員が静まり返った。
その後、長老が女の前へ歩いた。
「皆さん、この方のおっしゃる通りですぞぉ…」
長老は女に対して深くお辞儀をする。
「恐れ入りますが名前をお伺いしてもいいかのぉ?村を救ってくれた礼をしたいのじゃ…」
「必要ない、それよりヤツを追う」
長老の申し出を即答で拒否した。
「で、ですが…何か手がかりなど私達に協力させてもらえないかのぉ?」
「それなら良いだろう、何ができる?」
「実は、この村に何度か邪神が来ていたのじゃ…」
「邪神……」
「そうじゃ、お主の探すヤツとは邪神であろう?」
「詳しく聞かせろ」
「ほほほ…では、ここで話すのもあれでしょう。吹き飛んだ研究所にでも行きますぞ」
「………。」
邪神…そのワードで互いに察した両者は周囲が見届ける中、立ち去った。
――――――――――――――
爆発の惨劇で瓦礫が散らかっている道に当然、人気などなかった。
長老が話す。
「ところで名前は何じゃ?」
「急に口調が変わるんですね、ジレスです。邪神について何か知っているのですか?」
「お主も口調が変わっておるぞ?まあ良い、あの緊張状態ではあれくらいがいい…」
女の正体は勇者ジレスであった。
後書き:自分の小説を作者でありながら忘れかける!




