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回復依存の邪神様   作者: 災難な鳶
回之章
8/112

加減できない!初体験だもん!

マキア…それで何人目なんだ?

ルデン…料理、頑張れよ…!

アンユ…頼むから、敵も回復しないで!


by アース=マテラ

アース=マテラの伝説その1


彼が勇者の力に目覚めたのは、10歳からだった。

アース家の人間は皆、勇者の力を持つ

しかしその力の根源が同じではあるが、様々な形で能力が生まれていた。そのため代々、アース家に生また人間の能力は、全く異なる。同じ勇者だが扱う武器や魔法も異なる。マテラの場合、不死鳥の形で能力が磨かれていった。

その名の通り、マテラは不死身である。

正確には、死んでも直ぐに10代の姿で生まれ変わる。

無限に彼は燃え続ける。その勇敢な姿は、代々語り続けられた。

マテラには、幼なじみがいた。それはマキアである。

マテラは、いつもマキアの剣術を教わっていた。

彼の剣術にマテラは憧れていた。美しい剣術に魅了されていた。しかしマテラに剣の才能など無かった…

勇者なのに剣を振るのが下手だったのだ。いや、もはや彼には全ての武器を扱うことすら夢のまた夢かもしれない。

これにはマキアも驚いていた。

どうしても武器が使えない自分の才能の無さに葛藤する日々が続いていた。

ある日、村を散歩をしているとメイドと歩く村娘を見つける。美しい銀髪の少女にマテラは、一目惚れした。

少女は、怪我をしているモンスターに光を放っていた。


「回復魔法…」


光を受けたモンスターの傷は癒え、森へ帰った。

その少女の行動にマテラは更に惚れていた。

すると突然、雷が落ちてきた…

強い閃光が辺りを照らし、爆音が響く。


「あ…あれは、悪魔…か?」


その悪魔の雷に巻き込まれたメイドは、全身が焼き焦げ出血していた。


大きな翼に爪、そして牙。

全身が筋肉で覆われている。


「秩序を乱す光の存在よ…ここで消えてしまえ」


殺意に満ちた言葉に少女は怯える。

その様子を見ていたマテラは、悪魔に飛びつく。


「誰だ貴様!私の雷で灰になりたいのか?」

(装備など持っていなかった。だけど、勇者がここで逃げるわけにはいかない!)


マテラの背中を雷の刃が貫く…


「ガハッ…!」

「ふん!弱者め…貴様には、八つ裂きがお似合いだ」

(なんなんだ…あの雷…!変幻自在なのか?あんなのに武器のない俺が勝てるのか…?俺は死なない…でも守れなきゃ意味がない!)

そんなことを考えていると少女がマテラの前に立つ。


「あなたの狙いは、私でしょ?この人に手を出さないで!」

(嘘だろ…まさか勇者の俺が守られるなんて情けない…!どうして俺は、弱いままなんだ…)


雷の刃が少女の首を狙う。その時だった。

マテラの左手から炎が一直線に伸びる。


「武器が使えない、使えないのなら!そうか…そうだったのか!」


不死鳥の炎は、やがて剣のような形へ変形し光輝く刀身が炎の中から姿を現す。


「最初から俺に武器なんて必要なかったんだ!」


マテラの炎の剣が雷の刃を弾く。


「小僧…まさか勇者の血族だな!」


勇者であることに気づいた悪魔がマテラに無数の刃を生み出し放つ!

マテラは、その刃を身体で受け止め突っ切る。


「なんだと…効いていないのか!?」


痛みは、感じていた。しかし今のマテラに痛みなど無いのと同じだった。

マテラに刺さっていた雷の刃が風に吹き飛ぶ砂のように消えていく。


「効いてるぜぇ…だがな!俺は今、最高に気分が良いんだよぉ!お前、バーベキュー好きか?俺も好きだぜ!」


マテラの刀身が悪魔の首を跳ねる。


さらに一歩…


心臓を突き、蹴飛ばす…


悪魔の首から下が次々と切り刻まれていく…


剣から炎を放つ…


マテラの炎は、無惨な悪魔の肉片を焼き払った…


「はぁ…はぁ…はぁ…」


疲れきった身体が地面に崩れる。初の戦闘でもあったため無我夢中でマテラは、戦っていた。

銀髪の少女が駆けつける。


「あの…大丈夫ですか?重傷ですよ…今、治療しますから」

「いや、大丈夫だ…動ける!用事を思い出したから帰るよ♪」

「で…でも、その身体じゃ…」


マテラの身体はボロボロだった。大小様々な穴がポッカリと空いていた。生きているのが不思議なほどの重傷である。


「気にすることはないさ、勇者だからな!それじゃ…」

少女から逃げるようにマテラは、走り去っていった。


(ここで君に治療されたら、おかしくなりそうだ…)



―――――――――――――――――



8年後


マテラは、魔王討伐のため、仲間を集めた。

幼なじみのマキアはナイトの称号を得ていた。

彼も魔王討伐に自ら参戦した。

魔法研究チームの代表の娘ルデンともマテラは幼なじみだった。彼女の魔法の実力を見てマテラは、仲間に誘った。

そして、女神と呼ばれた村娘の噂を聞きつけてマテラは冒険者プレートの受付カウンターへ歩く…


プリーストになったあの時の銀髪の少女とマテラは、再開した。

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