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回復依存の邪神様   作者: 災難な鳶
復之章
67/112

全能と無能の守備範囲

「倍プッシュ!」

「ロン!」

「大手!」


彼は、突然ギャンブルなのか将棋なのか分からなくなるような単語をあれこれ叫ぶ。彼の持つサイコロはカードになったり駒になったりしながら床に叩きつけられる。


パチンッ!!


カードの擬態でも叩きつけられる音は全て石打であった。見た目は何でも変わるが結局のところアレはサイコロ?不思議なのが彼が喜び「勝利!」と発言の度にサイコロが増えている気がする。俺は、てっきり彼のプレイするキャラクター達の冒険を傍観者のように見守るのかと思っていたが現在の求められる処理が全てボードゲームのCPUやギャンブルのディーラーでしかないのだ。みるみる彼の周囲に落ちているサイコロが山になっている。


「そうか、俺ルールをこちらが貫かないから…」

[完全に流されてるぞ、全能ちゃましっかり]

「マジでお前はどっちの味方だ!」

[ディーラーに味方は無いでしょ?]

「ニャニャ!?また負けたニャン…」


災凶さいきょう邪神ゆうじんもだが何故、ちゃっかり猫も着いてきているんだ?どうやら俺と彼の競り合いに猫がボロ負け状態らしいが、何をやっているのか全く理解できていない。と思っていたが猫の声質が急変する。


「こうなれば…私の最終兵器を見せるしかないようですね!」

[猫ちゃんの知能数が賢者モードに突入、セブンカード揃いました]

「何そのパチンコみたいな演出…」

「ま、まさか…」


彼もまたオーバーリアクションで相変わらず本心は無のまま手に持っていたサイコロを震えながら落としてしまう。


「迫真の演技にも程があるだろ…」

[ブーメラン]


さらっと高校や異世界での行いを脳内ビジョンで流されるが慣れたもの、それよりも猫の覚醒は予想外過ぎて腹がよじれる。語尾の「ニャン」が消えてしまったのが少々残念でもある。


…………………いや、待てよ


「クソッ!悟!このままじゃ俺達が負けちまうぞ早く動けぇ…」

「いやいや!その展開は予想外過ぎだってwww」


まさかの猫に全能が負けるフラグが立っているのだ。何だこのゲーム、クソ過ぎる!しかも猫ちゃん俺だけじゃなく邪神ゆうじんにも勝つ勢いのようだ。何度も言うがゲームの進行と状況が全く理解できていない。


「裂けて散りなさい!この邪神め!」

「この野郎……猫のくせに」

「うせやろ…w」


猫が放つサイコロはカードとなり縦に裂けて再びサイコロとなって弾ける。それと同時に彼は、もがき苦しむ。だが彼も光った。ニヤけた表情が見える。相変わらず本心は無でもあるが彼も何かを引き当てたのだろうか?


[こちらも巻き返さないとヤバいんじゃない?]

「いやサイコロ投げることしかできないんだが……」


彼の大きな笑い声が響く。


「あっはははははははは!来やがったぜ!」

[おーあれは~]

「ん?なんだ?」

「ニャッ……!?」


猫ちゃんの語尾が戻った。何を引き当てたのか早く誰か教えろ。何で全員、頭の中は真っ白なんだよ!


「くぅ~!それだけは勘弁ニャン!」

「もう遅いぞ猫ちゃーん♪」

「あー楽しそうだなー(棒)」


俺は無言になりサイコロを投げる。


カチッ!!


「?!」

「なんだとお前も?!」

「お、おう!なんだ!?」


俺も彼と同じものが出たらしい、猫ちゃんの表情が完全に恐怖のドン底にまで落ちた青ざめ方だ。


[好きな言葉は]

「は?」


内演算が急に変なことを言い出した。何だろうか?思い出せ!

そうこうしているうちに彼が先に叫ぶ。


「猫駆除だ!」

「あぁ!」

[フルボッコだドン!]


目の前にネットが横に広がる。その向こうには猫ちゃん、隣に邪神ゆうじん


「どこまでも進化する!」

「止めてニャ~!熱いニャ~!」


彼は歌い踊りだす。俺は棒立ちでそれを眺めた。


「猫野郎、後10ゲームいける…!」

「ふーん…私後、20ゲームいける」


俺は気づいていたからだ。


「それは、死亡フラグ……」


完全に負けるフラグ建築を彼がパーフェクトにやらかしていることに……

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