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回復依存の邪神様   作者: 災難な鳶
復之章
66/112

本物は一つのみ

「さあーて、ゲーム開始だぜ」


彼はルールも特に聞くことなくサイコロを手に取る。

というか俺もルールを知らない。


「じゃあGMを任せるよ」

「え?」


突然、俺はゲームマスターにされた。もしやこれはトーク系のサイコロで判定を決めるアレなのか?


「えっと、じゃあステータスを決めるか」

「は?そんなの必要ねぇ!」

「?!」


彼の言ってることが判らない。これは何のゲームなのだ?まずそこから俺は判っていない。彼の考えを見透し調べるしか無さそうだ。


[うん、知ってた]

(どうなっている…)


彼は一切、考えてない。今、何が行われようとしているのかも互いに判ってない!何だこのクソゲー絶対やりたくない!というか俺がGMなのに何でアイツが指揮ってやがる!


「まずは俺のターンだな、どうやら四人のようだ」

「お、おう…」

[流されちゃダメだ。コチラのペースに引っ張れ!]

(代わってくれないかなー?)

[やだー]

(俺が唯一苦手なジャンルなのに…)


トーク系なのは間違いないはずだ。しかしステータス設定を無視とは、今後に響く。強制せねば…


「何ッ!?職業だと…」

「おーいステータスを…」

「すなわち、この四人は人間…くそっ!」

「おーい、聞けー」

「彼らの出会い…それは運命なのか…」

「ダメだコイツ…」

[早く何とかしたいけど出来ないや逃げたい]

(わかる!)


俺は自分の目を疑った。そして内演算が勝手にしたのでは?とも疑ったが彼が四人に別れたように見えた。その姿は、やがて顔の似た二人の男と黒い服装の小さな女、そして誰よりも輝く銀髪の美しい女となった。


[ナニコレ?何が起きてるの?]

(お前じゃないのか?)

[知らねー]

「なるほど~勇者騎士魔法使い聖職者といった感じだな♪」

「ゼル?」

「?!」


気づけば、周囲は異世界で見たような建物へ変わっていた。どういうわけか嫁が隣にいる。コチラの反応を待っているかのように彼女は俺を見つめていた。全てを疑い自分の手を見る。


「おかしい…」

「大丈夫なの?」

「あぁ、なんでもないよ♪」


いったい何が起きているのだろうか?俺の様々なスキルが誤作動しているのだろうか?今いる時空列は何処なのだ?


[たぶん無い]

(無い?)

[とりあえず彼が目の前に四人いることだけ伝えるね]

「四人…」


確か俺がGMのはずだ。つまりこのゲームの審判を俺が持つ。そして俺は、このジャンルに経験がない。プレイヤーは彼だけのはずだが四人いる。そしてNPC全ては基本GMがやるんだったな…


[全能の出番だ。頑張れよぉ~]

(嫌な予感しかない)

「まずはサイコロだな」


彼がいた。しかし四人だ。彼はサイコロを振る。いや、アレは振った判定で間違いないのだろうか?俺は目を擦る。


[GMだけどチェックする?]

(いや結構です!)


彼は、いや彼らはサイコロを食べていた。そして今後の流れが決まっていく。周囲が暗くなってきた。まるでフェードアウトだ。


「む…プレイヤーに魔王が混ざったか」

「少し思い出したぞ、お前は魔王だったな」

「俺は魔王か…」


コチラの世界では、そんなに経ってないが遠い記憶にも感じられる何気無い冗談だった。俺が彼に言ったのだった。彼も何気無く話し合っていたはずだ。しかし、ここで出るのか…


「我が名はラマン…魔王なり……人間よ。絶望せよ!」

「全てを喰らう悪の象徴、魔王ラマン……」

「私達で勝てるのでしょうか…?」

「大丈夫だ!俺達は無敵だからな!」

「そうだよアンユ!軽く殺っちゃいましょう!」

「それよりもだな……敵も回復するの止めないか?」


凄い、見えちゃいけない部分を除けば清々しい冒険を見れるのだが何せ現実では彼独りが喋ってるだけなのだ。しかも、その冒険する四人のラスボスのような魔王だって彼なのだ。何で俺もこっち側に異世界の姿で嫁と一緒に見てるのか不思議な状況だ。


「あれほど重ねるなと言ったのにな……」

[GM出番ですよー]

「え?NPCか?」


その単語を口にして気づいた。俺の隣に立っている嫁は誰がやっているのか?NPCは全てGMがやるはずだが……


「ニャニャ!?猫じゃなく犬っぽくなってるニャ…」

「お前かよ」

[はよサイコロ振れ]

(おっと、すまんすまん…って何の?)

[GMしっかり~]

「おりゃあああああ!」


ヤケクソで足元のサイコロを幾つか拾って投げる。その全てが身体に溶けるような映像が流れる。俺が何の判定をしてたのか全く判らないが彼らが落ちた。


「うわあああああああああああ!!」

「きゃあああああああああああ!!」

「飛べ!間に合え!」

「アンユ、回復頼むぞおおおおお!」


落とし穴の判定と思っていいのだろうか?まだ彼らは建物から出てなかったような気がするが、考えないことにした。


[あぁ、さっきのサイコロはエンカウトだ]

(絶対GMお前だよな!?)

[違うも~ん]

「ご主人、私は何をしたらいいですかニャン?」

「その姿でニャンは止めろ…」

[しかし、萌えである]

「否定しない…」


とは言え彼らが落ちた理由が全く判らないままだが、まあ彼のことなので自爆はお得意なはずだ。


「飛行魔法でMPが減るな…」

「とりあえずサイコロ振ればいいから、ていうか何でいるの?」

「いくニャン!えっと、楽しそうだなーって思っただけで」

「そうか、ならば振れ!」


本当に何をやっているのか判らないが、とにかくサイコロを投げる。その全てが溶けるが忘れることにした。普通のサイコロを用意しました!何て誰も言ってないんだ。


[じゃあ今から言うね、普通のサイコロを一個用意した]

(残りは?)

[さあ?]


これだけ言える。このゲーム本当に狂ってる。

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