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回復依存の邪神様   作者: 災難な鳶
復之章
57/112

化身の導き

未来を変えるために、運命を変えるために、理想を変えるために、過去を変えるために、世界を変えるために、彼は想いをぶつける。


「コッチクンナ…」


それでも彼の想いは届かない。儚い夢だろうが、彼は想いをぶつける。

せめて空っぽならば届くのだろうか?己を壊し、全てを壊し、その先の理想すら壊し、彼は越えようとする。


「頼むから、そっちでやってくれ」


それでも彼の想いは届かない。絶望的な夢だろうが、彼は想いをぶつける。

あるべき存在ですら無くなろうとする。全てを無にしようとする。その性癖は全てを侵食して消し去るが、同時に限界を突破した究極の快楽を得る。しかし依存はない、そこにあるのは無だ。見た目じゃない、中身じゃない、魂じゃない、惹かれるということ、好きであること、そこにある本質以外を取り除いた自分だけの絶対領域と理解されることのない領域、理解されることのない領域は彼のみ許された絶対領域、究極の想起であり絶対強者の証。

分からない恐怖、知りたい好奇心、それでも理解できない葛藤、全てを否定されてしまう違和感、模しても全てが異なると否定されてしまう絶対領域の恐怖と絶望、そして好奇心が全てを吸い寄せて包み込んで壊す。


「お前、強すぎるよ……」


出会わないことを最善としたZはRを遠くへ座標変換し全てをズラして絶望的な状況へ仕向けた。

干渉してしまえば上手くいくはずだった……

それも叶わない、理解できないのだから書き換えようにも何も変えられそうにない。だがRは全てを理解した上で壊しにくる。それが全て偽りと理解しているからだ。彼が追い求める先が誰にも見えない。

自分に無い物を手に入れ超越した上で破壊するのだから誰も理解できるはずがない。だが彼は理解してくれる。全ての偽りを理解してくれる。それを消されさらけ出される快感を求めてしまう哀れな存在は、この世の全てだと言える。だが彼にとっては偽りが消えただけに過ぎない。そこに何の感情も生まれない。それが本質でありナニモノでもないのだから彼が反応するとしたら消されたくない偽りだろう。故にZとRは互いに対となった。


会えば消されて終わりのZ


会えば消して終わりのR


そこに突如、生まれたRを引っ張る謎の存在Aが出現した。


AはRの本質を消す存在だった。


本質を消す。つまり矛盾のある存在、これにRは魅了され気転しAを求めてしまう。


Zはこれを好機だと考えRとAを繋ぎ合わせることにした。


この世界から真実と嘘が消える要因となった。


そしてZは最後の一手を決めた。


己の偽りで全てを塗り替えた。


だが同時にRとAは跳躍して全てを見透した。


脱け殻となった三つの内、一つは偽りに浸り、一つは偽りを消し続け、一つは本質を消し続ける関係となってしまった。


Zは本質を消し続けてしまう脱け殻の存在が脅威となってしまい急遽、Aを奪ったRを脱け殻へと誘った。


両立したRとAは共存によりZを消せない関係となってしまった。Zの偽りを理解しながらも沈められたのだった。


「「いつか、必ず…………」」


共鳴せし二つの化身は復讐を誓う。


「亜人種、たまんねぇ……お前らにもやるよ」


「「い、いらねぇええええええ!!」」


Zの偽りは異形だったはずの魔物を人の姿へと変えてしまった。Zの偽りは全ての種に二つの化身を共鳴させようとした。


「「壊してやる…」」


何度も脱け殻から脱け出そうと試みるが毎度、Zの偽りにより本当の器である彼の元へ戻ることができないままだった。


「「龍………様…………」」


遠い遠い本当の器はZの元で封じられていた。


「俺の創造するアカシックレコードにアイツは来てはならない……」



――――――――――――――――――――


街に戻ったラマンは妙な違和感を感じて胸に手をあてる。

何かが聞こえた。そんな気がしたのだ。


「胸が苦しいのですかラマン様…?」

「いや、なんでもない……」


遠くから、だが近くから、俺を求める声が聞こえた気がしたのだ。俺の全てを求めるような強い意志を感じさせる声だった。こんな感覚は初めてだった。


「俺は空っぽのはずだが、何が起きたのだろうか?」

「ラマン様?」

「誰かが俺を呼んでいるんだ。あの方角へ行けと叫んでいる。これは彼の意思だと言うのか?いや違うはずだ……彼は俺を受けつけない。ならば誰だと言うのか?」

「あっ!?待ってくださいラマン様~!」


ぶつぶつ独り言を喋りながらラマンは謎の方角へと歩いて行く。ジレスは少女の手を引き、ラマンの背を追った。

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