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回復依存の邪神様   作者: 災難な鳶
復之章
56/112

今もどこかで見ている

あの後もジレスの行動は変わらなかった。


「ねぇねぇ、ところで痣だらけだったのは何で~?」

「………………。」

「俺は、しばらく訓練でもするから離れるぞ…」


変わらずベタベタ引っ付き、その度に少女が俺のところへ逃げる。


俺も逃げる。


「あ!?ちょっと待って私も行きます!」


二人は無視した。

ラマンが向かった先は相変わらず湖…

だった場所


「さて、今日は色々と道具の製作といこう」


ラマンは様々な元素エレメントを思い出しながら構築していく、全てをイメージで設計し生み出すのは難しいものだった。特にラマンはイメージが乱れやすい。本人に絵を描かせたら誰もが見てわかる意味不明な世界観を書き上げてしまう。色合いも混ぜまくりで酷い色となる。

彼の魔法による製作もそれに近い、目的が決まっていないため出来上がりは異形であった。


「これは何だ…武器なのか?」


初めのイメージは剣であり、そこから爆発、光、銀河、ビックバン…

彼が生み出した剣は剣の形をした触れれば種も仕掛けも何もかも吹っ飛ぶ謎の起爆装置のようなもの

そんな恐ろしいもの生み出したのだから直ぐに撤去することにした。都合のいい異質元素により全てを抹消する。


「もはやこのためと言わんばかりに使えてしまうのか……」


イメージの乱れを自覚したラマンは目的を事前に決めた上での製作へ移った。

破壊に関する連想を脅かしかねない目標は除外し以下の項目をまとめた。


1.作る

2.繋がる

3.動く

4.伸びる

5.縮む

6.燃えない

7.擦れない


ラマンが製作したのはイメージが乱れた結果から項目以外の性質も混ざってしまったスライムだった。これはモンスターではなく異質な素材となるスライム。何故スライムなのか本人も分からないがイメージの乱れが起こした奇跡とも言える素材となる。


「もはや何を作る!ではなく何ができるのか……になってしまうな」


もちろん項目に入れた動く性質もある。生きているわけではないが動く。その動きは生き物ではないことが見てわかる。


「なんですかこのスライム……」

「滑ってますね……」

「あぁ、確かにこれは滑ってるな……」


跳び跳ねてもいない、伸縮による行進でもない、外部の影響なしで滑っている。


「擦れないからだな……摩擦がないから常に滑っているんだ」

「これ、何に使うんですか?」

「知らない」

「これ、どうするんですか?」

「知らない」


どうしようもないから仕方なく放っておくことにした。余計な連想効果も含むこのスライムが何を起こすのか俺にも判らないからだ。少なくとも俺の知っているスライムのような遊び方はできない。これは摩擦を持たないため掴むことすらできない異質なスライムだからだ。


ラマンがスライムから目を離した瞬間、地面に目玉が転がった。そして次から次へと同じような目玉が転がってくる。


「ま、まさか……」

「うわぁ!?何ですかこれぇええええ!!」

「気持ち悪い……」


スライムから大量の目玉が生み出されていた。その度にスライムが小さくなる。そして消えた。

大量の目玉を残してスライムは消えた。


「あぁ……」

「うわぁ……」

「どうしよ、これ……」


何も思いつけないラマンは異質な元素による打ち消しをする。が、しかし……


「あ、あれ?消えない…」


ラマンは異質な元素の水を放ったが目玉が濡れ周囲の地面に穴ができてしまった。これによりスライムが異質な元素と同じこととなったが不明な部分が多すぎた。


「どうなっているんだ……この水と同じなら地面と共に既に消えるはずだろう?」

「ラマン様、これはどういう実験です?」

「知らない」


まだまだ謎が多いため今夜はこれくらいにしたラマンだった。三人は街へ戻る。

目玉はそのまま放置され穴の中で何かを眺め続けた。

もしもこの目玉に生命が宿っていたなら、これほど酷い結末は他にないだろう……


「……シラ…ナ……イ………?」


本当に酷いものだ。

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