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回復依存の邪神様   作者: 災難な鳶
復之章
44/112

深まる謎

迫り来る炎は、唸りながらこちらへ近づいてきた。

俺は、警戒し構える。炎そのものとなると熱量の概念は、どうなっているのか?この炎が何をエネルギーとして燃えているのか考えなければ倒すことが出来ないかもしれない。単純に水を放ったところで命中する前に蒸発するのが普通だ。そして、この世界での火の概念は、未だに納得できていない。モーガンの言うことと俺の検証が全く合っていないからだ。つまり、ほとんどの概念や法則などが伝承されてきたことと矛盾のある世界だ。だが、そんなことなど常識に決まっている。本当に正しい答えを全ての生命が受け継いでいるわけじゃないからだ。もはやどの世界に行ってもそれだけは、変わらない。それこそ善と悪の関係が消えることになる。だが俺は知らなければいけないのだ。その間違いを知った上で俺は、行動していかなければいけないのだ。間違いすら知らないのが最も危険だと言える。正しいこと間違ったことを知った上で誰もが行動しても理想なんぞ幻想に過ぎない。遠い遠い果てしない夢物語だ。


だから人間は神に頼るのだ。

だから人間は失敗するのだ。

だから人間は神を殺すのだ。

だから人間は成功するのだ。


それを俺は知っている。俺は、考えなければならない。ただ待っていても答えは待っていない。見つけなければならないのだ。彼のいる理想に到達するまで、答えを見つけなければならないのだ。そして破壊しなければならないのだ…


失敗を

神を

世界を

理想を


破壊した先に答えがあるはずだ。

そうやって人間が進化するように破壊するのだ。

俺が望むものが出るまで破壊するのだ。


そして俺は問う。


「やるのか?」

「あぁ…ああああああああああああぁ…があぁっ!」


気のせいかもしれないが、燃えている女の腕が剣に見えた。その腕を遠心力を全力で使ったフルスイングで振り回して接近してくる。やはり戦闘のようだ。


火花を散らしながら燃えている女は、俺の身体を両腕で交互に叩くが何も感じない。俺は、腹に蹴りを入れる。


「な…何だこれ?」

「あぁああああ…ぎゃああぁ!!」


俺の足は腹を貫いた。全く感触もなくすり抜けた感じだった。そして浮いている俺の足に燃えている女は、連打する。だが何も感じない。

俺は、足を下げて後方へ飛び、距離を取る。

だが、同じように腕を振り回して接近してくる。


「肉体がないなら、いったいエネルギー源は何処から来ているんだ?」


叩かれながら俺は考える。

ただ人間が燃えていると考えるのは止めよう…

だが、どうやって燃えているのだ?

魔力になるのか?しかし、その魔力も何処から…


全く答えが出てこないのならば試すしかないのだった。

魔法の知識は、未だに噛った程度な上に本質に関しては不明な部分が多いため検証するしか他にない。


「不思議なのは、この魔王の肉体もそうだったな…」


燃えることもなく暑さも感じない。そして斬られたこともないのだ。単純な力の差が圧倒的なのは判る。だが、基準が未だ不明であり喜ぶことができない。


そしてこの女の変化も理解し難いのだ。元々が人間じゃなかったのかもしれないが、それにしても変なのだ。まるで…


「属性付与…」


俺は、何かを感じた。あと少しで何か掴めそうなそんな感じだった。モヤモヤする。何かが足りないのだ。何なのだ?両腕が剣に見えたのも気のせいじゃないのかもしれない。だが何故だ?もし仮に女が剣と結合したとしても燃える原因が判らない。そして足がすり抜けたのも意味が判らない。あの腕だけ触れるのか?根拠がないなら試すしかない!


俺は、腕を掴んだ。確かに剣の感触がそこにはあった。

そして、属性付与と同じようにイメージする。

勘でしかないが出来そうな気がした。俺は、闇を流し込むイメージをした。

この世界の闇の概念など知らないが、俺は、何もない宇宙の外を妄想連鎖していた。そこに本当は何があるのかなど誰も知らない、あったとしても認識は難しいだろう…

などと妄想が膨らみ誰もが恐れるが興味を持つであろう不明ということ、知ることができないということ、それであること、それを属性へと変換する。


「そうだ…俺こそ最大にして最強の絶対的な闇だ」


燃えている女の両腕から流れるように闇が染まっていく。そして炎は消え去る。


「ミエナイ…ナニモミエナイ…」


少し装飾が何故か付いた黒い剣へ戻った。そして喋る。

これでは鞘に収まらない。


「俺の闇の中で眠れ…答えなど何処にもない永遠の闇の中で…」

「ミエナイ…ミエナイ…」


しばらくすると、その声は聞こえなくなった。


「まだまだ謎が多いが、いつの日か俺は手に入れてみせる…」


ラマンは、黒い剣を見つめながら呟いた。

彼が求めるものは、紛れもない絶対的な光…


「さて、戻るとしよう…授業の時間だ」


気づけば朝日が地平線から出ようとしていた。

ラマンはアラクネとモーガンのいる湖へと歩いていった。

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