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回復依存の邪神様   作者: 災難な鳶
復之章
42/112

フェイの授業その二:火属性

アラクネが食事を済ませて戻ってきた。


「よし、続きといこうか…」

「やらなきゃいけないですか…?」

「奴隷が何を言っている。早く教えろ…」


しばらく考えたモーガンは何か思いついたようだ。


「では実際に試しながら習得してみましょう!」

「それは名案だな」


俺は魔法の使い方を指導される。構えや魔方陣の描き方などを実際に…

やりながら覚えるタイプだったのかもしれない。


「では詠唱をイメージしてください」

「何故イメージなんだ?」

「悪魔に詠唱は不要なので」

「心の詠唱になるんじゃないのか?」

「そうですね…」


どうやら魔法の属性と別で種類があるらしい、それに応じたイメージが必要なようだ。


「では指先に火を出してみましょう。ロウソクをイメージしてみてください」

「ロウソク?やはり自滅じゃないか?」

「えっと…ロウソクの火をイメージしてみてください」

「魔力を資源としたイメージなら納得かもしれないな…つまり、この指先に鳥をイメージしたら不死鳥でも出るのか?」


物凄い爆炎と共に周囲の空気を吸い寄せ俺の指先から鳥のような形をした火が出た。その美しい光を放つ火の鳥は天へと昇って、静かに消えていった。

近くにいたモーガンは腰を抜かした。


「わ、わぁっ!?何ですか、その大魔法は!?」

「ん…ロウソクだろう?」


初めて出した魔法が妄想連鎖するせいで威力が桁違いになった。本来ならイメージが乱れると出ないらしい。つまりさっきの火は、ちゃんとしたロウソクの火をイメージしたものだった。


「しかし、これでは誤爆しそうだ…」

「どうやったら、あんな立派な火を出せるのですか…?」

「知るか!それを知りたいのはこっちだ!」


俺は何度も練習する。そして無詠唱による魔法が強力になる理由を見つけた。この属性だとイメージに左右されやすいようだ。つまり脳内も暑苦しいやつほど威力が増す極めて使い勝手の悪いものだった。威力を上げるために気合いを入れる必要がある…または妄想を膨らませる必要がある…


「俺には不向きな属性だな…勘の良い馬鹿が使う属性だ」

「そ…そうですね…」


この属性は一歩間違ったイメージをすると自身が火を纏う自滅技になる。つまり扱うには、熱変動に耐性がないと危険となる。この流れだと全ての属性に共通で耐性を持たないと扱うのも困難なものになるのだろう。だが流石は魔王の肉体だったと言える。ちょっとの火くらい暑さも感じないのだ。


「あぁ…なるほど、掴んできたぞ…たぶん光は使えそうにないのだけ理解した」

「まだ…火属性の説明なのに」


俺の思考が授業より先走った。でもいつものことであるが次に進む。


次は武器に属性を付与する魔法だった。これまた口論となった。武器が適していなかったらダメになってしまうからだ。判りやすく言うなら木の棒に火属性付与したら灰になるだろ?そんな感じの問題だ。


「しかも、これでは風属性がおかしなことになるぞ…いや全ての属性が普通に考えて穴だらけだ!」

「うぅ…まだ火属性の説明だけなのに…」


俺は手に風と雷をイメージする。樹木一本に向けて放ってみた。空気抵抗で樹木は曲がり葉っぱが吹き飛ぶ、そしてへし折れ雷が当たる。が…

その雷は樹木に当たった瞬間、垂直に地面に落ちた。


「やっぱり、変だ…」

「そんな…!二つの属性を同時に放つなんて…」


モーガンのリアクションなど気にもせずに俺は、再び質問を続ける。


「雷は雨雲の静電気だぞ!つまり水属性が必要なはずだ!風属性も気体を動かしているのか出現させているのか全く判らんのだが!?」

「うぅ、知らないですよ…そんなのぉ…」


これは独学で検証していく必要があるようだった。それには、道具の用意が必要となるが俺の欲しい道具があるのだろうか……この異世界には


「水属性だって出現させているのか操作するのかで全く性能が変わってしまう。これはヤバい…」

「姉さん…私、ダメだったよ………」

「お腹空いた…」


終了のチャイムがなった。アラクネの腹の音だが…


「もうそんな時間か…すっかり夜だな、明日になったら続きといこうか…」

「まだやるんですかぁ~!?」

「いいから俺に魔法を教えていればいいのだ」

「…………………。」


モーガンは夜景に向かって黄昏た。

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