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回復依存の邪神様   作者: 災難な鳶
復之章
40/112

勉強不足のせいで盲点だったわ…

プロフィール11

蜘蛛に生まれ変わりし女アラクネ

身長:345cm

体重:960kg

好きなもの:血・肉・ラマン

嫌いなもの:火

趣味:衣装作り

特技:生命の死を認識、または操作

生け贄となった人間の女性がベースとなり突然変異で生まれた。湖の妖精の悪戯により一時的に洗脳されるがラマンが名を与えたことで進化と同時に消し去った。糸は全てタンパク質で生成するため乱用すると空腹に襲われ、動物なら何でも食べる。生命の死を黒い糸で認識可能な魔眼を持ち、操作が可能。自身の糸と繋げると指先や足先の延長線上のように操ることができる。この糸が切れると、その糸の持ち主は確定で死ぬ。これをアラクネは意図的に切断が可能であるが、黒い糸が見えるのは、善の心を持つ者やそれが認識されないように遮断されていない心でないと見えない。そのため操ることが可能なのは、ごく一部となる。

ラマンに繋がりたい想いでこっそりと自身の黒い糸をラマンの小指に縫い付けている。彼女の悩みは他の蜘蛛にモテないこと、また上半身が人間に近いため襲われる。仕方なく共食いをする日々…

泣き叫ぶ褐色の女をアラクネと一緒に見つめて数分後、アラクネが妙なことを言い出した。


「魔王様、何故か黒い糸が見えるようになったんです。この者の黒い糸を引っ張ってみたら倒れました。この糸は何でしょうか?」

「ふーん、糸ねぇ…女神を喰った後、アラクネの目の色が変わったもんなぁ…うーん、確か漆黒の魔法書によると魔眼だと思うぞ?」

「漆黒の魔法書?」

「あぁ…忘れてくれ…」


少し口が滑ってしまった。彼のノートを勝手にそう呼んでいるだけなのだから恥ずかしい。だが糸については検証せねばな…


「あと、この者に羽根が生えているの見えました」

「はっ!?なんでそれ先に言わなかった!」

「すみません…」


羽根?つまり妖精になる。

女神の妹となると、これは難しいな…

いや待てよ…そもそもあれが女神とは限らんぞ?

この褐色の女は、【この湖を守護する妖精】とさっき言っていたはずだ。確か妖精は悪戯が好きなんだっけ?つまり…


「あの女に見事に騙されていたのか…人間」

「話がややこしくなりましたか?」

「いや、むしろ整理できた。アラクネ、礼を言う」

「感謝…」


褐色の女が泣き止んだ。そろそろコイツから色々聞かねばならない、コイツの姉に騙された上でアラクネが喰ってしまったから空回りしそうになった。もしかしたら洗脳された可能性も否定できない、最初に湖へ生け贄の女を放り投げた時だってそうだ。豹変っぷりに驚かされた。そして俺も何だかんだ流された。ただの妖精じゃないはずだ。俺の魂を識別したのだ。俺が転生したことをあの女は知っていた。だが今ではアラクネに喰われたのだ。アラクネが黒い糸が見えるようになったのも能力を受け継いだ可能性が高いだろう。だとすると俺の魂はアラクネに見られているのか?だが、それでもアラクネは俺を魔王様と呼んでいるのだ。いや、深読みし過ぎなのかもしれない…


「魔王様、何か考えでも浮かびました?」

「一応、念のために聞いておくぞアラクネ」

「何でしょうか?」

「俺の糸は見えるのか?」

「残念ながら見えません…」

「そうか…」

「うぅ………姉さん…」


俺とアラクネが話していると褐色の女が何か小声で言う。

俺はアラクネが魔眼を所持しているため拘束は必要ないと感じた。それより顔しか未だに確認できていないのだ。本当に羽根があるのか見てみたいものだ。


「アラクネ、糸を取れ…」

「よいのですか?」

「弱っているはずだ問題ない。本当に羽根があるのか確認しておく…」


アラクネは頷き糸を取る。

褐色の女の背に間違いなく羽根が生えていた。

糸を取ったことで外見が全て確認できるようになった。

妖精のサイズが人間とほぼ同じ大きさになっている。

姉との違いは肌の色と髪色くらいだろうか?


「なるほど、姉妹だな…」

「姉妹ですね…」

「…ろ…ないのか…?」


褐色の女は、また小声で言う。聞き取れない。二回だけ足を刺したくらいで凄い弱っている。出血が原因だろうか?


「聞こえない、何て言った?」


俺は褐色の女の口元まで顔を近づける。

あの女と同じ甘い匂いがした。だが不味いのが残念だったな…


「殺さないのか…?」

「質問に全て答えるなら奴隷くらいには、してあげよう。答えないのならアラクネが美味しく頂くと思う…」

「何が…知りたい?」


答えてくれるようだ。

俺は順番に疑問点をぶつけていく。


「お前は妖精か?」

「そうだ…」

「お前のような大きさの妖精は他にもいるか?」

「たぶん、いない…」

「両親も妖精か?」

「そうだ…」

「産まれて何年経つ?」

「23年…」

「妖精の中での立ち位置は?」

「英雄の育成…」

「お前の姉は何故、女神を名乗っている?」

「湖を守るため…」

「お前の姉は魂を見透せるのか?」

「そうだ…」


俺は頭を整理する。そして…


「エルフは存在するのか?」

「何だそれ…?」

「妖精の一種だ」

「そんなの知らない…」


エルフは存在しないのか?


「どういうことだ?妖精にエルフがいないのは変な話だ…」

「ゴブリンはいたのに…」


アラクネと首を傾げて唸る。どういうわけかエルフが存在しないが妖精は存在する世界のようだ。


「……………………。」


いや待てよ…?ゴブリンも妖精?


俺は再び質問に移る。


「妖精と言うから、ややこしいんだ…」


俺は明らかな盲点に気づいた。

妖精と言うと種類が多いのだ。

俺は最初に見た妖精を基準に考え過ぎていたようだ。

俺がどれだけ勉強不足なのか思い知らされた。


「湖に姉がいるということはお前も湖に住むんだな?」

「そうだ…」

「英雄を育成しているのは姉も同じか?」

「そうだ…」

「お前の種族はフェイで間違いないか?」

「そうだ…」


種族を判明できた。だが、それが原因で大きな矛盾が出来てしまった。


「何故、羽根が生えている?」

「これは魔法…」

「俺にも使えるか?」

「できるはず…」


かなり質問責めとなった。だが理解できた。

そしてフェイは魔法を身につけているのだ。今の俺に最も欠けている魔法の使い方を知る絶好の機会となった。


「今日から奴隷として飼うことにした。俺にお前の知る全ての魔法を教えろ…いいな?」

「はい…」


やっと大きく前進できそうな気がした。

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