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回復依存の邪神様   作者: 災難な鳶
復之章
36/112

お遊びは必ず終わる

漆黒の魔法書その3

イデアについて:Zが唯一得られなかったRの持つ究極のイデアがある。Zの持つイデアは全ての種に共鳴したが、Rのイデアは全ての種を否定した。イデアとは、肉眼ではなく物事の真の姿や物事の原型を心の目である魂で洞察するもの。Rのイデアは存在する言葉や描写や表現では再現が不可能でありZですら理解ができなかった。Zの全ての問いにRは全て否定したのだ。Zが用意せしイデアに全てRは良し悪し差し引いた良し悪しを決める。つまり、そこに必ず悪い部分が存在するのだ。理解し難き究極の愛がその先にはあったのだ。それ故にRはZが用意するイデア、つまり愛を「薄っぺらい」「これじゃない」「そうじゃない」と切り捨てた。そしてZは「お前のイデアが最も人類悪」とRを魔王の枠にした。だがRが持つ究極のイデアこそ純粋な愛でもある。汚れ無きその究極のイデアはZの全操作すら打ち破った。それがRとA…

名を手にしたことで光り輝いたアラクネは、紛れもない魔物となった。人の形をしていた上半身が水色の肌となり全体的にモンスターらしくなった。それを象徴するのが人格の豹変である。とても落ち着いた声に本当に驚いてしまった。またふざけた声が続けて聞こえるものだと思っていたからだ。眼球は真っ黒である。超カッコいい…


「本当に俺が名前を与えたことになったのか…だが俺は、そんなつもりはなかった。だからその…名前を知らない、名乗れ」

「私の名はアラクネ、腹が減っている…」

「あぁ…そうなんだ…」


その様子に女神様は危機感を感じた。俺の手を引っ張り物陰まで連れる。


「何がどうなっているのですか…あれは紛れもない魔物ですよ?あの後、何があったのですか?敵に何かされたのですか?」

「知らない…そして俺は、本を読んでいただけだ何もしていない」

「どういうことですか…?」

「俺は誰も救うつもりなどない」

「アナタは救世主です。どうか彼女を助けてください」

「あれに何をしろと?」


そして何やら視線を感じた。何かに見られている。だが女神は気づいてない。ちょうど女神の真上にいるのに…

俺の表情から何か察したのだろう。女神が上を見ようとしたが


「あの…何か上に……きゃあっ!?」


その口元に赤い液体が見えた。たぶん喰ったのだろう…


街が騒がしい…


「これって食べてもいい?魔王様…」


俺に確認するアラクネ、さっきまで諦めかけていた俺の野望を再び動かしてくれた。とてもありがたい…


「それは女神だが問題ないだろう…食べる時は、必ず感謝して頂くんだぞ?」

「感謝…」

「いただきますって言うんだ」

「いただきます…」


アラクネの口が女神のうなじに近づくと女神は叫ぶ。この状況で俺に助けを求める。


「お願いです!た…助けて!」


俺がそんなのに返事するわけがなかった。

目の前でアラクネに喰われる女神を無言で眺めていた。


「…………………。」


女神の断末魔は、とても癒された。また聞きたいが女神はもういない。アラクネは綺麗に食べた。真っ黒の眼球に金色の瞳が出来上がった。女神を取り込み何か変化があったみたいだ。次の獲物を捕まえに行こうとするアラクネを俺は呼び止めた。


「まあ待てアラクネ…せっかくの実験材料だ。何人か生かしておくんだ。いいな?」

「はい、魔王様…」


いつもなら、「かしこまりました!」と元気な声が聞こえるはずだったが凄く落ち着いていた。こちらにとっても都合が良い、とても使える。


俺はアラクネの食事を遠くから眺めていた。

悲痛な叫びは、見ものであった。次々と糸で捕らえてアラクネの牙が肉を貪る。誰も彼女から逃げ延びることが出来なかった。女神と同じく俺に助けを求める者までいたが剣で斬り殺した。罪悪感など全く感じていない…


彼の影響がないのだから何かが変わったのだろう…

結果が同じであれば何をしてもいいのかも?


「これも実験のため…」


人々が喰われる断末魔のメロディーが、夜の街に響く…


「材料を探すとしよう…優秀な部下が出来たのだから行動しやすい…フッ………」


鼻で笑いながら俺は湖に向かった。

アラクネに何人か生かしておくようには言っているから問題ないはずだ。次の行動へ移る。

目的は妖精の捕獲だ。一番、近い上に気になっていたからだ。俺は、あのノートを思い出す…


尖った耳に軽やかな動き、魔法に特化した能力を持つ彼の理想の内の一つである。


「エルフ作ってみるか…」


彼が望む結果であれば、俺の行動範囲は無限である。そんな気がしたからだ…

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