剣と盾?
今日も変わらず綺麗な朝日
ルデンは、ふと思いラマンに問う。
「そういえばアンユは?」
「寝ている」
「起こしてくれないか?」
「それが出来ない…」
「なんで?」
「さっき起き…」
「おはよう!ルデン!」
「おはよう!?アンユ!」
アンユが目覚めるとプリーストの姿となり主導権をあっさり奪われるラマンだった。
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とてつもない殺気を放つ女は、ゆっくりとこちらに歩いてくる。面倒くさいが殺るしかないようだ…
「実を言うと半分合っているし半分間違ってもいる…」
とりあえず、そう伝えておいた。だが返事などするはずがなかった。俺を殺る気だ…
上にいた大きな蜘蛛のような怪物が捕獲した少女を喰らう。だが、何とも思わない…俺には関係のない少女だからだ。目の前で喰われた少女を見て隣のアホが泣き叫ぶ…
良い表情と叫びであった。とても安らぐ…
そんな俺を見て勘違いした女がいた。
「クッ…ヒヒヒヒヒヒヒッ……」
不気味な表情と表現するべきなのかもしれないが俺には、最高の笑顔だった。
「良い笑顔じゃないか…殺るのか?」
「……………。」
土を蹴飛ばす音。残像しか見えなかったが俺の首にナイフが当たった。痛みはない、弾かれている。前を見るが女がいない…
ふと振り返る。そこには、ガーターベルトとヒールしか見えない。樹木に顔が刺さった。たぶん蹴られたのだろう…
俺は格闘ゲームが苦手だ。そんなこと今になって思いつつ顔を引き抜く。が…
ゴキッ!ガンガンガンガンガンガン…!
音じゃ何をされているのか、さっぱり判らない。痛みもないが背中に何かが当たっている。とても気になる。どうしてそんな音が出るのか気になる。
思い切って身体を捻ってみよう!
カツンッ!
いや、何でそんな音が鳴るんだ?など考える暇などなかった。女がナイフで飛び込む残像が見えたからだ。
「鬱陶しい!」
黒い剣を腰から抜刀する。全く間に合うことがなかった。俺には相手の攻撃を予測できない…無傷ではあるが攻撃を当てることが出来ないままだ。この屈強な魔王の肉体を簡単に蹴飛ばされるとは、どういった物理学だ?ふと疑問に思いながら攻撃を受ける。
そして彼の言葉を思い出すのであった…
「カウンターってのは、相手の攻撃に合わせるものだw」
「予測できないんじゃ俺には無理だ…コツは?」
「勘!」
「俺は思考が先走ってワンテンポ遅れる…」
「だったら自分がタイミングをズラせ」
……………
ガシッ…
俺は首を掴んでいた。負の感情が生み出した暗黒物質が、反対の手から精製され剣を包む。俺が掴んでいたのは、あの女じゃない…
「ご主人様…く…苦しいっ!でも、これもご主人様の愛…!うぅっ!!」
生け贄の女にナイフが刺さった。俺の身体では弾かれてカウンターが難しいなら、ちょうどいい盾があるではないか…ナイフを包み込んで反発も少ないためカウンターしやすい。
「ごふっ…!」
肉の塊となった二人を払い落とす。
何か忘れている気がした…
ネチッ…
「相棒…俺、やっぱ無理だ」
蜘蛛の糸に引っ張られた俺の身体は上空に舞い上がった。




