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回復依存の邪神様   作者: 災難な鳶
回之章
3/112

人間魚雷は健全です。これぞ邪神魚雷!

空飛ぶルデンに向けてアンユは叫ぶ


「負けるな!」

「ジャスティスハート!」

「飛べ!」

「ルデン!」

「えぇーっと…名前忘れた!」


何故、こんなことを叫んでいたのか本人も判らないらしい…




――――――――――――――――――――――――――




走っていて。アンユは、ふと気づいた。

疲れない…これもまた邪神の力か、プレートのランクだとどれほどなんだ?私は、ずっと体力のランクがFだったからな…だがこれは、ランクS以上で間違いない!

パーティーの移動では、ルデンの飛行魔法を使用していた。飛行魔法による移動だと快適で速い。時速が最大400kmほど出るらしいが魔力の消費が激しいんだとか…そのため平均時速45kmでの飛行だった。それでも二度ルデンは魔力を切らした。平均時速をキープしてもルデンの魔力量だと2~3時間ほどだった。つまり、ルデンが最大速度を出そうものなら一瞬で魔力を切らした状態のまま時速400kmで空へ飛んでしまうのだ。

もちろん検証済みである!


その後どうなるか気になる?

もちろんただの人間魚雷の完成だった。あれは、美しい…私がいなかったらルデンは、綺麗に散ったな。ゴホンッ!笑えない…だが、輝いていたなぁ…ルデン。


ちなみに魔力が無くなると回路が全てシャットダウンする。気絶すると言った方がいいかな?1日に回復する魔力が三分の一である。気絶から回復するのは、当然早いが魔力が回復するのは、とても遅い。なんでこんな話をしているのかって言うと…そんな人間魚雷より速く走れて疲れないのだ。元人間からすると恐ろしいな…


バキッ!!


今ので何本目なのか覚えていないくらいに、走っております。


うぅ…疲れた。精神的に疲れた。私は、振り返り眺めている。見事な崩れ方ですね馬鹿野郎…!

こんなことでは、回復どころか世界を破滅させるんじゃ…そんな不安もある。

明らかに不安定な邪神の力だ。禍々しい邪悪なオーラも漏れている…感じるのだ。魂の叫びが、皆が私を恐れている。遠くにどんどん離れていくのが伝わってくる!全ての生命が来ないで!と叫んでいる…


「耐えられない…!」


恐ろしい速度で走っていたが、追いつけない!いや、違う…私が通りすぎているんだ。私の動体視力が着いていけていないんだ。何故ここまで暴走しているのか…答えは、すぐそこにあった。


「お前か…そんなに主導権を奪いたいのだな。でも前世と同じ事をするまで…光を!」


アンユの左手から解き放たれた美しい光が、アンユの胸の中に入る。何かが弾ける音。正義女神閃光爆雷(ユースティアボルト)魔法反射(ティマシェード)。闇魔法を絶対に弾く究極の光魔法。正義の心を持たない者が使用すると強化状態強制解除と罰が与えられる禁術でもある。邪神の魂は二つ…しかし、それは絶対に剥がれることのない繋がりでもある。アンユの身体に激痛が走る!同時に禍々しい邪悪なオーラも吹き飛んでいった。もちろんラマンも同じ…二つの魂は叫び続ける。


「うぅ…!流石邪神だよ。魔力も全然減らない…」


あの時は、魔力も体力も全てが尽きてしまった。だがこの身体は、むしろ私の魂を馴染ませる。ラマンの魂もあるため、この魔法の全てを受けた。邪悪な心ほど痛みも強くなるため余計に…

罰である。これほど酷い罰を受ける人間は、存在しないだろう。魔王になり邪悪を好む者が究極光魔法を使い自爆行為をする前代未聞の事例となる。そんな馬鹿いませんよ…

それくらい強烈である。吸血鬼が日光浴する程度じゃないのだ。


しばらくしてラマンが小さく呟く


「これが…満たされるというやつか…」


意外な言葉に驚くアンユだった。


「こんな気持ちは、初めてだ…これが愛か!?」


闇を弾き、強化を解除し、罰を与えた。それで満たされる?愛?たぶんラマンは、産まれも育ちも歪んでいるみたいだ。いや、待てよ…と考えていると。


「何をそんなに思考回路をフル回転させているのだ!変な想像は、やめろ!我は邪悪を好む者…決して…」


そうでした。忘れていた。こっちの心の声は、聞こえるんだった。

アンユは、考えるのを止めようと努力したが脳裏に刻まれてしまったラマンの心の声。

これ以上、まずい…色んな意味で忘れるべきだ。


光に満ち溢れたアンユの変化に怯える魂は、一つも無くなった。


アンユは、気づいていない…

邪神と自分の能力が重なり進化していることに…

アンユが無意識に発動したスキルが、既に周囲を満たし続けていた?


周囲の森に生息する生物の食物連鎖が止まってしまった。全てが満たされ、その連鎖が必要が無くなってしまったのだ。だが本能が身体を動かす。必要のない食事を永遠に続ける。食べても減らない…食べても満たされているため意味がない。それでも本能が違和感を消してしまう。



不気味なほどに…

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