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回復依存の邪神様   作者: 災難な鳶
回之章
22/112

慈悲深き闇

「あれは、数ヶ月にも及ぶ長く苦しい戦いだった…」

「ん?」

「私の力は、絶対的であろう…」

「んっ!?」

「だが、それがキッカケとなった」

「ちょっと待て…」

「最愛の相棒が狂ってしまった…」

「おい止まれ!」

「なんだ?今いいところだと言うのに」

「私は世界の眼を所持しているから何をしたのか知っているんだよ!ちょっと…そこの二人も真面目に聞いてないで」




―――――――――――――――――――――――




「と、まあ…そういうわけだ」


ルデンがマテラとマキアに説明する。この世界に何が起きたのか…

だが、それを聞いて納得できる者など一人もいない


いるはずがない


ラマンが呆れた顔で問う


「だから、何の話だ?そんなことなど、なかったのだ。」


ルデンは認めない


「意地でもシラを切るのか…そこまでするのか元魔王様」

「なんとでも言え…全てなかったのだから…」


そう、全てなかった…


そういうことになっている

だがルデンは、それで良いのか疑問に思うのだ。


「都合が良い…でも、本当に正しいのだろうか?」


ラマンは消してしまったのだ。存在そのもの

世界を塗り替えて最高神を消し去った…

人々の間での研究で世界線理論が上げれらていたのを思い出した。タイムパラドックスそんなことも連想したがラマンは違った。そんな法則等を根本からネジ曲げ世界を塗り替えてしまった。その影響で私の頭の中に様々な記憶がゴチャゴチャと敷き詰められる感覚に襲われ意識を失った。気がつくと、私は…






私達は、旅に出ていた


理由は知っている


叩き込まれた記憶から頭痛に襲われながらも思い出した

世界の観測…

超異次元的な体験をしてしまった

それも全てラマンのせいで


最高神を倒すために集合した私達のはずだった

アンユが目覚めて本当に四人が久しぶりに集まった

だが…アンユの様子が変だったのだ


「あぁ……しょ……くぅ…」


その瞳に光などない狂気に陥ったアンユの姿

最初は仕方ないが、いつか治るだろう…

そう決めつけていた。だが違った


「おい!アンユ!しっかりしろ!くっ…!」


ルデンは、アンユの腕を止める

その腕は赤い鮮血で染まっていた


「うぅっ!触手!放れろっ!うぅ…いだぁああああいぃっ!あぁあああああああああああぁ!」


アンユは、刃物で自分の身体の様々な部分をえぐり取っていた。間違いなく幻覚を見ている。たぶん触手と言っているのは、最高神の戦闘形態だ。世界の観測は出来るが魔力を消費する一時的、もしくは、強制的でなければ観れない!そんな大した能力じゃないが世界崩壊後にマキアの嫁から貰った。片目ではあるが、理由が簡単…


「マキアが城を出た時の保険」


もちろん嫁は悪魔だ。いや悪魔女王と言っておこう。

そんなこともあり、最高神の姿くらい知っている。

それよりもアンユの狂い方が異常だった。


いや…狂い方に正常も異常もないが特に変だった。

邪神に転生したアンユなら大丈夫だろう…

そんな期待もしていたが、ラマンによると裏目に出ているらしい…

光を手にした私に対してアンユは闇を手にしたのだから…


そう告げられた。アンユの自傷行為は主導権をラマンに代えることで解決した。だが切り替わった直後のラマンの表情は、少し苦しそうでもあった。


「身体が馴染み主導権を剥奪できるのは、良いが……中々、厳しいものだ…」


魂と魂のぶつかり合い

私の想像では、理解できないであろう領域

人と人の魂なら理解できそうだが相手は神だ

そんな苦闘を毎日繰り返しているとラマンが妙なことを言い出した。


「なるほど、見えてきた」


嫌な予感しかしなかった。


その言葉を聞いた直後だった。

世界は大きく塗り替えられた。



ラマンの都合の良い世界に…





マテラに合わせて皆が立ち上がる


「さあ…次の冒険と行こうか!」

「おう!」


最高神の真の名

その名を知る者は

世界の眼を所持した者と

ラマンのみ


その名を口に出すことは、存在そのものを消すことになる…


全ては愛するアンユのため

世界を愛するアンユのため


その全てを闇に葬る


そしてラマンによって強化され暴走した魔物を狩るだけの

何とも皮肉な冒険をすることになった…


「それでも戦い続ける…」


それが正義と信じて

だが、どういうわけだろうか…?

もしかしたらアンユの馬鹿が移ったのだろうか?


「くっそ…しぶてぇ野郎だ!」

「確かに、崩壊後の魔物も一撃で倒せるように鍛えたつもりだったがな…」

「アニキ…久しぶりだな、俺らがこれだけ戦ってもバテないの」

「確かにな!まるでアンユと一緒にいるみたいだ」

(いや、そこにいるんだが…)

「燃えてきたぜぇ!!」

「俺もだマテラ!萌えてきた!」


明らかに違うと気づいたルデンがマキアに蹴りを入れる。


「ムラムラしてんじゃねぇぞ!テメェー騎士王の自覚ないなら今から城に戻れ!というか…」


ルデンはラマンを睨み付ける


「あら~どうしちゃったの~?そんな怖い顔しちゃって~」


いつの間にかキャラ変わって余計に腹が立った。


「ホラホラ!スライムが来ちゃうよ~?」

(絶対、お前が回復しているんだろーが!何考えてるんだよ、この邪神!)

「このスライムも人形に変形して様子が変なんだけど!」


スライムに喋るほどの能力なんてない

だが、このスライムは違った


「私の国を作る…そのために…」


喋った…

マキアが変な声で吠えるので、また蹴りを入れる。

そしてスライムは、話を続ける


「戦うつもり…ない……その人…欲しい」


スライムはラマンに向けて指差す

苦笑いでルデンは言葉が出てこない


「えっと、あれは~」

(邪神だが、えっと…どうなっているんだ?まるで訳がわからんぞ?)


さっきまでニヤニヤしていたラマンの表情が急に無表情となる。


「あなた…ナニモノ?」

「誰かも判らないまま欲しがるか…スライムが私に指差すとは愚か者!だが殺したりしないさ…」


スライムは少しションボリとした表情でラマンを見つめる。





………………。



ここにいるラマン以外の全員が思った。


(そういえば何をしていたっけ?)


終わりが見えない…

だが、これだけは言える

まだ始まったばかりだと

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