黒い糸
ふーん…これが電子レンジって言うのね~
簡単に調理できたわ!これも魔法じゃないの!?
このタンスみたいな物は何かしら?
凄い…
中は、冷たい…
へぇー
時代は変わったのね~
世界も変わったがな…
byラマン=アンユorドゥバレン=レイ
とルデン
バイクで走り続けていると、夜になっていた。
「ここは、どこだろう…」
アンユは、迷子になっていた。
森の茂みから
カサカサ…
と音が聞こえた。アンユは、音の正体が気になり近づく…
茂みに、そっと指を入れる。
ポヨン…
「なんだスライムさんか~アナタも迷子?」
アンユは、ニコッと笑顔を見せる。すると…
バシュンッ!
「うっ…!」
刃物のような何かがアンユの顔に飛んできたのだった。
その何かは、アンユの顔に傷を付けることはなく…布に水が吸い込まれるように入っていった。
「な…何かしたの?本当にスライムなの?」
もうアンユには、その者がスライムに見えなかった。見えなかったのではなく、その者が姿を変えたからだ。
「もしかして、あの神様の知り合いか何かでしょうか?」
星形の装甲に手足と思われる触手と真ん中から生えた触手の先端には目玉が一つ…
その見たこともない外見にモンスターではないと感じた。
では何か?ここまできたら神以外に他ならない…
「あぁ~マジュートス達のこと?そうそう!知り合いっていうか俺は神の中の神だよ。最も偉い神だ!とりあえず君の能力を全て消してあげたからさ~大人しく死んでもらおうかな…」
見た目とは、違って明るい声で凄い理不尽なことを言い出した。
「え…でも、私…何かしましたか?」
「君は、悪くないさ…君の影に隠れてるヤツが厄介だから一緒に死んでもらおうと思って♪」
(さっきの何かで能力が消えたと言っていた…今の私は無力なのか?本当に消えたのだろうか…)
疑うアンユは、光の生成を試みる…が叶わなかった。
「これも一応仕事なの…まあ痛みはないから~」
(ドゥバレン=レイは何をしているの!?アナタの相手なのに何もしないのは、どうして!?)
迫り来る触手が目の前にあろうがアンユは、ただ考えるだけであった。
(邪神に生まれ変わったのに、回復のことばかり考えていた…認めたくなかった!自分が何者であるかを否定したかった!でも叶わなかった…どうあがいても今の私は、醜い邪神よね…皮肉だわ……)
神の無慈悲な攻撃によりアンユの身体は、容易く砕け散った…
「………。」
生きていた。
「あっれ…?どうして生きているんだ?能力は消したはずだよ…ドゥバレン=レイも含めて消したはずだよ!」
砕け散ったアンユの身体は、一瞬にして元の姿、形へ戻っていた。砕け散った肉片が繋がったような回復ではなかった…
全てが嘘のようにフェードアウトしたのだ…
「その黒いの…何だそれは…?ドゥバレン=レイの影じゃない…その黒い何かは、いったい…」
アンユの手から黒い糸が垂れていた。
その糸は、森の奥へと続いていた。
まるでアンユを導くかのように、小指から…
「……………。」
立ったまま顔を地面に向けてアンユは何も喋らずに固まっていた。
「わからない…心を読むことも叶わない…何者だ貴様!」
「……………。」
だがアンユは、返事をしない。
「大丈夫ですか!?最高神様…」
イジューサスが駆けつけてきた。最高神の攻撃を感知し戦いが終わったと思ったのだろう。
「心配ない…だがアレを見ろ。どういうわけか生きているんだ…」
「そんな…!?最高神様の攻撃で生きていられるはずがありません!あの者から魔力を感じません…我々は勝ったのです。」
「勝った?だが黒いアレは、どう説明するんだイジューサス?」
「わかりません…」
「そうだよなぁ~じゃあもう一発ぶちかましますか!」
銀色のオーラが触手から漂い
周囲の空気を凍りつかせる…
その瞬間、全ての時間が停止し
最高神にのみ許された特殊な時間が生み出される
触手は、その時間の中を
高速で一直線にアンユの心臓を貫く…
全てが終わるとオーラは消え
停止していた時が動く
グシャ…!!
アンユの胸の中心はポッカリと穴が空き
身体は森の奥へ吹き飛んだ
反撃してくるのを構えるが少ししたら死亡と確認して最高神とイジューサスは、その場を去った。
「アンユ…どこまで走ったんだ?」
帰りが遅いため車でアンユを探すルデンは、貸していたバイクを見つける。
「う~ん…アイツどこで道草食ってるんだ?本当に薬草とか食べてたら笑ってあげよう…」
ルデンは、ここで何かあったことに気づく…
(魔力が変だ…誰の魔力だ?アンユの魔力を吸ったことがある…アンユにこの恐ろしい魔力は出ない。ウィザードに戻ってしまい世界観測が出来ない今の状況…浮かれていた。昔を思い出して浮かれていた。)
異様な魔力の残骸と異臭に不吉な予感がするルデンだった。
「魂も感じ取れない!ここにアンユがいない!?でも、どこに行くと?あの回復馬鹿に対抗できてしまう存在が来たと言うのか………とにかくアンユを探さないと!」
暗い森の中をルデンは、探し続けた。




