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回復依存の邪神様   作者: 災難な鳶
神之章
112/112

途中

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 誰もいないククラの領土内で遠吠えらしき声が聞こえた。建物の屋根を見上げると瞳を赤く光らせた白狼が立っていた。殺意に満ちているのだけはアンユでも分かった。だが、ただの殺意ではないようだ。白狼の全身が普通でないことを表していたのだ。


「蛆? まさかだけど不知火なのかしら」

「ぐぅああああ……!!アン……ユぅ!!」


苦しむ白狼の声は、まるで人間の女性で言語がハッキリ伝わった。アンユの名を口にしていた。消去法で白狼が誰なのか二択まで来ているが、最初に感じた殺意はそのまま…


「姿を変えられたにしては違う……」


白狼の牙がアンユの左腕を捕らえて離さない。抵抗するが振りほどく力が無く、痛みに耐えるだけのアンユだった。中途半端なガードではあったものの急所を噛まれないで済んだ。だが、少し後悔するところもアンユにはあった。


「ぐぅ……!?長引く……だけ」


生死のループがあるこの世界で死んでも復活する。ここで時間を使ってる間にゼノムが遠くに行ってしまうとアンユは考えた。苦しみが長いだけとも言える。白狼の正体が分かったわけではないが、アンユにその情報なんて蟻の巣穴の場所を知らされる程どうでもいい。

噛みついたまま白狼が力尽きていた。蛆に蝕まれていたのが原因だろうか? 全身に傷を負っているのだが、獣が噛んだような跡ばかりで具体的な死因も分からない。自分で噛んだなんて考えたくもないが、それだけ精神に異常があったのであれば噛んだのかもしれない。あるいは蛆を潰そうとしたのも重なり自傷したのか…


「いてて……狼なんて全然見掛けなかったのに突然ね、それに群れでの行動でもない一匹狼」


深く刺さった牙を外し右手で止血しようと傷を塞ぐ。そこまでの重症にならなかったので、アンユは領土を北に出て探索する。少し歩いた頃だろうか、身体の異常に気づき始める…


「吐き気と頭痛が……うっ!?」


次第に全身が重くなり、ついには動かなくなる。感染症が先程の噛みつきが原因で発症してしまった。アンユに治す術が一切無かった。苦しみながら死ぬのを待つか免疫が勝つかのどちらか……と言いたいが、アンユに感染した病気は致死率ほぼ100%と言っても良い。せめて回復魔法が備わっていたなら簡単に治せたであろう、それができないまま力尽きてしまった。苦しみながら死んだ。


 気づけば再び同じ場所、巨大な豚のテリトリー付近だ。目の前に血塗れの白狼が既にいた。予想通り、自分で自分を噛んで自傷していた。やはり殺意に満ちている眼光が変わらない、アンユを見るなり襲い掛かってきたのだ。


「ぐぬぅ……!」


また噛まれた。しかも急所の首を噛まれて出血の勢いが、さっきと比べ物にならない程だ。一瞬で狩られた。そんな気分のアンユだった。牙は捻り押し込みまた捻るを繰り返し意識が飛ぶのも時間の問題とも言える早さだ。


(また死ぬんだ……)


復活地点で即殺されるなんて思ってもいなかっただろう。この世界に来て既に三回目になろうとしているのだから、アンユはそんな自分に笑えてきた。このままじゃ、ずっと白狼に殺され続ける悪夢を永遠と味わうことになる。白狼も明らかに様子が変で黒い蛆に赤き眼光と自傷行為、アンユを知ってるということはククラと同じ何かを失ってしまい結果がこうなった。そんな誰かなんだろうとアンユは考えるが目の前も頭の中も真っ暗になった。


「おわ………たす…け………」

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