表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
回復依存の邪神様   作者: 災難な鳶
神之章
110/112

巨体を変幻でだいたい幼女説

 この場所に見覚えがない、気づけば立っていた。あれは、何だろうか? 丸腰の女子供が喰われている。男がいない、化け物だらけで私にできることが何もない。現実なのか? 確かペストマスクと着けて実験する為の被験者を誰にしようか探していたはずだ。力が出ない、誰も救えない、ただ見ているだけだった。


「文明を感じさせるものが特にないわね、武器として使えそうなものは……」


左手に持つ注射器を見つめて顔を横に振る。ビルや住宅街といったもの、アスファルトの道路、ダム、河川敷、生活感といった場所が霧に包まれた途端に終わらない血に汚れた夜となっていた。人と呼べない異形の捕食者と人が獲物にされているだけの地獄だけ続いていた。あの大きな豚は何だろうか? 斧を持っているから武器を作る者がいるはず、だが大きい……


「不細工ね、汚らわしいけど嫌いじゃない」


下半身に人の死体を身に付ける謎のファッションセンスに違和感と敬意、だが近づけば力無きアンユも餌か道具か玩具だろう。ペットにならないだけ良いのかもしれない、あれに豚としての知性を感じられない。雑食で凶暴な動物を家畜に改良されたのが豚だ。あれは人間に喰われる為に生まれたのだが、あの豚に喰われる人間がいる。アンユも入り雑じってるが人間の女性に近いものがある。であれば弱肉強食の立場がここじゃ逆転の下克上、人間が家畜にされていそうだ。今のところ豚を狩る人間がいない、それはアンユも同じだ。


「どうして封じられているのかしら……【有】も【邪神】もどうして? これは悪夢なの? もしくは上位者の計らいで罠に」

「どうしたアンユ、空腹で豚肉でも欲しいのか? やめとけ」

「ククラさん……ねぇ、ここ何処かしら? 悪夢に囚われているのなら納得だけど」


考え事をしながら豚を観察しているアンユの背後からククラが来ていた。


「まあ……私も先程、アンユを見つけるまでの間だ。記憶がほとんど無かったんだが」

「じゃあ私も記憶を消されている可能性があるのね」

「うーん、見た感じ消されているのは【邪神】だろうな……聖女アンユ、ここは危険だ。私の拠点に来い」


拠点に来いと言いながらアンユの手を引く。ククラもこの世界に来てから何かを失っていた者、アンユとの接触で取り戻したようだ。


「実は、ゼノムも来ていた。アイツは相変わらずなんで心配していない」

「もしかして皆も来てしまったの? それとも不明、いやゼノムも……ならまだ」

「調べたいのだけど生憎この様だ。私はこの建物というか団体の守護者として固定されている」

「誰に?」

「さあな……」


ククラが守護している領土の案内を受けた。科学的なものが何一つ無い貧しい場所、ここが現実から切り離された異質な場所とだけ判る。領土を囲うバリケードだけ頑丈に見えたが化け物が群れで襲撃したら簡単に崩壊するだろう。


「本来の能力がどうやらこの世界じゃ使えないようだ。でも、私もそれなりに戦えるから運が良ければデカい豚くらいなら撃退……かな」

「だいぶ話が変わるんですけど」

「なんだ?」

「私のマスク知りませんか? あのーペストマスクっていう出掛ける前に着けてたのですが」

「知らね」

「ですよねー」

「ゼノムの後を追えば良いじゃないか? 真っ直ぐ進んでるならだが北西に向かったぜ」

「えーっと、それは私とゼノムさんなら何か打開策があるかもしれないということで?」

「女の勘」

「私としてはククラさんが一緒の方が良いと思いますよ? お嫁さんなら二人で一つです」

「ハーレムだと違うんだがな」

「あ~そうでしたね」


その後も様々なアンユの提案を断り続けたククラ、共通として頑なにゼノムと会わないようにしていた。領土のことや世界のことなんて割りとどうでもよさそうに言い訳を続けた。


「アンユは何でゼノムを追うことにしないんだ? 私に嫁だからとか仲間だからと言うならアンユだって複雑になっているが友人だろう」

「そうですね、私の場合だと自分らしさというか……そういったものが欠けている今の状態で一緒に居ても友とは呼べないんです」

「そうか、じゃあ私も同じことを言っておこう」

「逆であればビシバシいきますけどね!」

「あぁ、私もそう思う」



 ククラの領土から北西に遠く離れた大きな一本橋の上では、激戦地区となっていた。右目を失った重戦士が天使の放つ魔法を片手で弾き、邪悪なる龍に挑む。


「この世界に存在できるのは神のみ、お前のような人間は大人しく餌となれ」

「去れと言ったり餌になれと言ったりツンデレジジイとか俺、興味ないけど」

「安心せい、私の姿というのも幻想だ。見た目でジジイと判断するとは……」

「え? NTR百合の展開……」

「おい!やめろ、下手に妄想するでな…いっ!?」


悪龍アブソリュートの姿が霧となって地上に集中し形を変えていった。


「そんなコンテンツですか、これは良いですね~!」

「おのれ人間……!」


ゼノムが妄想した脳内美女、いや幼女がそのまま悪龍の姿に直結して変化してしまった。今まで悪龍に抱いていた殺意が一変している。やはりこの男、かなり変態……


「おいゼノム、まさか幼い小娘に変えたコレをお持ち帰りとは言うまいな?」

「もしや嫉妬? ていうか洗脳完全に解けたのかな」

「いいや、身体が勝手に動く……安心しろ楽にしてやる」

「どうしよ~まとめて片付けて楽しく」

「黙れ人間!!誰がお前なんぞに初めてなど…」

「可愛いなアブソリュートちゃん、嫌々な子供も良いね」


姿がキュートだとなめ腐った態度になったゼノムに怒りをぶつける悪龍、そして洗脳されて制御できないルシュフェルもゼノムを襲うらしいが、たぶん故意でやってるだろう。

後書き

ダチの擬人化理論です。異論は認める

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ