頭をフル回転させた結末なんて、どうしようもない現実しかない
プロフィールその3
ルデン26028歳
アンユの死後、遺骨からアンユを蘇生しようと研究に励む。通常の蘇生魔術では、全く成果を得られず。葛藤の日々が続く。やがて霊の力を自らの意思で宿し、ネクロマンサーとなる。それでも蘇生することも魂を物質に憑依させることも出来なかった。闇の力と霊の力を重ねた儀式により成仏した魂すら引っ張り出す禁術すら使うようになる。彼女の心は、だんだん壊されていた。邪神に転生したアンユの魂を感じ取る日までは…
好きなもの:アンユ・実験・悪霊
嫌いなもの:マキアの嫁・国王
趣味:研究・料理(下手)
特技:世界の観測
身長:158cm
体重:37kg
(ここ何日か愉快だな…)
森に散歩しているのは、邪神
そう、アンユである。
彼女は、材料を探していた。食事の準備だ。
「それにしても、この間の悪魔は、何だったんだろう…変な男だったな~」
数日前、研究施設に悪魔が襲来した。だが、不思議なことに誰一人負傷することなく…また魔王を名乗る男は、アンユとルデンの顔を見るなり何かを思い出したかのような恐怖に怯える酷い顔をして帰り去った。
(あの時、ラマンが何か言ってたな…何だっけ?まあいっか~♪)
気楽な毎日と、かつて大冒険を共に歩んだ仲間との再開でアンユは、とても機嫌が良かった。
アンユが近づいた植物は、瞬く間に潤い生い茂る。
森の生命達は、全てが満たされ笑顔で溢れる。
誰が彼女を邪神だと思うだろうか?
「今日も森は、平和ね…」
暴走したままの不気味なほどの回復効果は、眠りから覚めてから抑えられていた。彼女は、邪神の肉体に馴染んできたのだ。己の遺骨と融合したのも理由の一つではある。もしも暴走したまま材料集めと料理でもしようものなら、まず成り立たない。
調理できないからだ。
程よい力加減で、丁度いい…彼女もそう思っている。
己を支配し制御できたアンユに脅威などない。
そう…
今、まさに三体の神が現れたところで何てことない。
「そこの女…正体を隠しても無駄だ。貴様がドゥバレン=レイであることなど同じ神には、直ぐに判るぞ…何を考えている?言ってみろ!」
(さっき研究施設の前にいた人じゃん…って、神なのか~ふーん…)
「私は、アンユって名前です。あの~人違いじゃないでしょうか?いえ…神だから神違い?」
(まあ、ドゥバレン=レイって確か私の影になってるやつだよね…邪神だから敵対関係にあるのかな?それって大変だよね?神様が敵になるって…)
「ふざけているのか…何を複製し補食したらそうなるんだ?勇者が一撃でドゥバレン=レイを殺ったという情報は確かだと言うのか?」
(いや、それはたぶん違うし…殺ったというより影になったんですが)
すると、アンユの影から全く同じアンユの姿をしたドゥバレン=レイが現れた。
その行動に、この場にいる全員が驚いた。
(ちょっと待って何を考えているの…!?私達邪神だよ!逃げた方がいいよ絶対!)
(何っ!?影から現れただと…影の存在、つまり闇の力が既にあるというのか!いや待てよ…何かが変だ?ドゥバレン=レイが複製していると考えるのが普通だろう…しかし魔力の感じから一つしか存在していない!だが、複製じゃないとするとアレは、何なんだ!?私は、どちらを本体と考えるべきなんだ?分離でもない複製でもない…魔力が一つに固まっている。もしや幻影なのか?)
脳内がぐるぐると回転して次の行動を考えているマジュートスにドゥバレン=レイは、ニヤリと笑った。
そしてドゥバレン=レイは、再び影に戻る。
「ふん…なるほどぉ~本体がそっちか?アンユと言ったな!ドゥバレン=レイがお前の影になったことを後悔して共に消えてもらおう。絶対的な脅威の前に手段など選ばない!」
マジュートスの身体から炎が吹き荒れる。大地を吹き飛ばす跳躍でアンユに一直線に飛び込む。
だがアンユにマジュートスの動きは、とてもスローに見えた。こんなの被弾するの待っていたら日が暮れてしまう…そう思うほど余裕があった。
アンユは、周囲の時間の流れる遅さに気づいた。
その時の中で自分だけが普通に動ける。
そしてアンユは、ドゥバレン=レイが何かをしたんだと察した。
(そうだよ、私にこんな能力なんてない…能力の共有は、今の時点では、制御している。ルデンが言っていたけど…私の身体は、ラマンとドゥバレン=レイにも影響される。ラマンは、もう一つの魂だけど影になったドゥバレン=レイが何をするのか予測できない。主としてラマンを認めたから影になったんじゃないかとも言っていた。その会話を聞いたラマンも事実だと認めていた。もしかしたらラマンの計らいでの行動なのかもしれない…)
そう考えながら、マジュートスの攻撃を歩きながら避けるアンユ。
マジュートスは、森林を燃やしながら突っ切った。
「な…なんて速さだ!ドゥバレン=レイも速いがお前も速いのか!何でだよっ!?」
明らかにイライラしているのが、伝わる。怖い…
「光の速度よりも速い私の攻撃が当たらないとか!切り札も当たる気がしねぇよ!やってらんねぇこんな仕事!」
マジュートスは、ガミガミ愚痴を言いながら去っていった。
「何だろう…あの神様…」
荒らされた森林を治していったアンユは、いくつか野菜を持って研究施設に戻った。




