エピローグ
今はもう12時を過ぎただろうか。立ち込める冷たい空気が充満している、オフィスで俺はふと思った。
周りには誰もいない静かなオフィス、真っ暗なオフィスの中で光るパソコンの光、パソコンの光を受け、後ろの壁に淡い影を作りながらも仕事にいそしむ俺。
残業をこんなにしているのに、給料が上がらない会社。いわゆるブラック企業だ。いっその事、
こんな会社辞めてやる、などを何回思ったかは、数えきれない。だがやめられない。次の仕事を見つけられるのかもわからないこの低学歴の俺には、この仕事をいやいや、やるしかないのだ。
そんなことを思いながら仕事を淡々とこなしていった。1時ぐらいだろうかやっと仕事が終わった。
会社からでると、人気が全くない街中を目にするのはもう慣れた。町を照らす外套の光に沿って家に帰る俺の後姿はとてもむなしいものがあるのだろう。だが俺は今そんなことを気にする余裕もないほどに疲労しきっている。夢は最近見ていない。家に帰ったら夕飯を食べずにベットに寝転んで、5.00に起きて、朝飯を食って、会社に行く。淡々としている毎日、娯楽に興じる余裕もなくつまらない日々。いつもどうりに一時に退社した時だった。
きぃーーーっ
車のブレーキ音が静かな町中に響き渡った。そしてブレーキを踏んだ車が、こっちに突っ込んでくる。
ドン
その音とともに俺の意識は沈んだ....
ありがとうございました。