表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/10

9話 ロマンは大切

私にとって小説はやりたいことがやれる場所.......かな?

あれから1週間もたってしまった。


実はという程てもないがこの1週間、獣姿で野生動物と変わらない生活をしてました。レイはブツブツ文句言ってたけどなかなか楽しかった


蛇の尾の生えたヒヨコを追いかけ回して食べたり、木のウロにもぐって寝たり、でかい木に爪研ぎしてみたり、川で泳いだり

いやー、前からこんな感じの生活してみたかったんだよねー


とまあ充分楽しんだのはいいんだけど、そろそろ人らしい生活をしようかなと思いまして

今日はいい加減拠点を作ろうと思う


見つけた木のウロに何か敷くだけじゃ芸がない、かと言って掘っ建て小屋建てる気力もない



ので



ツリーハウス(もどき)を作ろうと思う

できるだけ良い大きな木を探そう


作ってる最中はおもろくないので割愛する




できた家はなんというか球体の鳥の巣?

ツタを木の枝を巻き込むように編んでいって中に入れるようにした。横にしたひょうたん型で広さは3畳ちょっと


そうそうこの時気づいたんだけどこの体、やっぱりエネルギーの塊らしくてツタに擦り付けたらにょきにょき伸び出したんで驚いた。レイは止めてきたけど試しにそこらの木に擦り付けてみたら一帯の木が大木だらけになってしまった


ううん、目立つ.......か?

空を飛びでもしなきゃわからないからいいか.......多分


足りなくなった体をランタンから補充する



げ、おそらくキングコカトリスのものであろうエネルギー、あれだけあったのに無くなってしまった。この体燃費悪いっつーかこの木はどんだけエネルギー吸ったんだ?


つんつんと家のある木をつつく



ぼとり


「ぴゃっ?!」



何かが落ちてきた.......んん、実ぃ?

桃?.......プラムっぽい実が落ちてきた

熟してて美味しそう


えっ実?!

この木実なんてなってなかったはずなんだけどな

木を見上げるとよく熟れた実がたくさんなっていた。エネルギーを吸わせたせいかな


じゅるり うまそう

食べちゃうか


ガブ

「うま 甘っ」


むー、味はプラム 種も実の中心に大きいのが1コ




「もう1コ食べ


   ボト   


 た.......?」


また落ちてきた

え、何、怖

ビクビクしながら落ちてきた実をつつく




クスクスクス


ひえっ

風がざあっと吹き抜け木々が揺れ、葉のすれる音がした



ほ、ほほホラーはダメなんだよダメなんだね


できたての家に逃げ帰ってソッコーで寝た






ちゃっかり実は持ち帰って




──────────


んんー、さて今日は何をしようかな←昨日のことはすっかり忘れてる 大体のヤな事は寝れば忘れられるメデタい頭


よし、今日は家を充実させよう

まだ家のガワを作っただけで殺風景すぎる、ちゃんとした、寝床も作らなくては


家から出て深呼吸ひとつ

「はあぁ、いい空気 やっぱ朝の森は清々しくていいなー.......なー?

 あれ?ここってこんな空気よかったっけ?コカトリスのせいでもっとイガイガした空気だったような.......風で流された?..............1週間も流れなかったのか1晩で??.......ナゾだ」



集めたツタでカゴをいくつか編み、鳥の巣のような寝床を作った。寝床には毛皮を集めて敷けば寝心地もよくなるかな


あ、そういえばコカトリスの羽としっぽの皮どうしたっけ

どっかの木のウロに放り込んだのは覚えてるけど.......

体の一部で作った袋があるから探知みたいなこと出来ないかな..............うーん、どっか離れたとこに感覚?触覚があるのはわかるけど、何処にあるかまではわからないなぁ。集中すれば意識を移せないこともないかもしれな.......ぃ意外と難しい

移すことにこだわらないで遠隔操作できればいいかな?


羽と皮の詰まった袋を動かして木を登らせる

頂上辺りに引っ掛けておけば空から探しやすくなる

ついでに寝床にしく毛皮も集めてこよう







〜1時間後?〜






見つからないよ、ねぇ 森なめてたわ、こりゃ遭難者が見つからないわけだ

どうにか合図出せたりしないか.......袋にしている体の一部をガス状にして.......点火



ボンッ!



あっ見えた.............. ええとこの辺のはず.......見つからない


木を揺らしてみる


あっみっけー、やっとだー

うーん、長かった。あ、しまった毛皮集めてない

とりあえず家に帰ろ


蛇の皮は壁にかけて羽は袋のまま寝床に敷いてみる.......


んんー、なんかチクチクする、羽の軸?

よし、とろう



立派な尾羽は取り分けておいて、羽の軸を取り除いていく

ちまちまやっていたら、作業が終わる頃には日が傾き始めていた


ダメだなホントの行き当たりばったりは、ろくに仕事(お話)が進まない

棚とかも作ろうと思ってたのに全く手がつかなかったや。少しは予定決めて動くか

今日の残りは採集、明日は棚を作ってあとは.......狩りで毛皮集めしよう


作ったカゴを背負って採集に出発する


きのこ 木の実 蔓の実

目に付いたものは何でもカゴに入れていく





お、芋っぽいのもーらいっの固い粘土の塊もむき出しになってるから取っておこう

なんでか掘り起こされていたから見つけられた


なんでだろ





それは誰かが掘り起こしたからです


「フゴ?」


「げ」





でかいイノシシがエンカウント

タスケテ


━━━━━━━━━━━━━━━

「スマッシュボア」

━━━━━━━━━━━━━━━

キミじゃないよヘルプ機能


目が合ってしまったので、そのままそらさずにじりじり後ろにさがる

そおっと腕を鉤爪に変え逃げる準備


「フゴオオオオオオ!!」

「ぎゃぁぁぁぁぁ!!」


威嚇するイノシシに逃げる私

鉤爪をつかい急いで木を駆け上がる


イノシシが木に突進してくるが助走がついてないので木が揺れる程度

あぁ、でもそろそろ危ない

逃げられない





あ、私飛べんじゃーん

ズレたカゴを背負い直して、と


フヨフヨ


「ブゴオオオオ!!!」


おー怒ってる怒ってる

さーて帰ろ






──────────


どうしよ、家の近くまで来ちゃったよこのデカイノシシ

一度離れたところに誘導してから高く飛び、急いで家に入る

カゴをいったん置いてナタを持つ

「あぁ、おかえり。どうしたのそんなに急いで」

レイが声をかけてくるが答える暇がない


ドスドスドス

「うわ来た」

急いで外に出よう、家の木を傷付けられちゃたまんないし


メキメキギシギシギシ

「ゑ?」

と、とにかく外に出よう


慌てて外に出るとさっきイノシシが木の根?に絡まれて動けなくなっていた

ほ、ホラー再び


「ブ..............フゴ.......」

根はスマッシュボアを絞め殺そうとしているようだ。苦しそうな様子のボアを見て冷静になれた


「このままじゃかわいそうだよね.......」

ナタをしっかりもちなおすと根がやりやすいようにボアを横倒しにしてくれた。思ったより友好的?


「ごめんね.......は違うね。いただきます」




ザクッ




.......もう少しためらうかと思ったけどあっさり殺せた

クロウの影響か、あいつ優しいのに躊躇はしない性格だったしな


「根っこさんありがとーできれば解体したいから逆さに吊り上げて欲しいな?」

ダメ元で頼んだら手伝ってくれた

皮はどのみちうまくなめせないし干しておこう。腸以外の内臓は今日のオヤツに、あとの肉は皮と一緒に干しとくか


手早くイノシシを捌いていく

「騒がしいなぁ、ってうわこんなの連れてきたの?!それにその根っこ」

レイがじっと根っこを見つめて言う

「変なのに好かれるのはクロウと変わらないのか.......」

「この根っこは別に変なやつじゃないよ!助けてくれたし!」

根っこもそうだと言わんばかりに揺れる。

「根っこが動いて意思もあるなんて明らかにおかしいじゃないか」

「それは.......そうだけど.......」


根っこがしょんぼりしてしまう

「わわ、ごめんね!全然変じゃ..............変ではあるけど助けてくれてすごく嬉しかったから!」

根っこがもちなおした




「よし!解体おわりー。根っこさんありがとー!.......あれ?帰るの? バイバーイ」

根っこは手?を振り返すと、スルスルと地面に潜って見えなくなった

引いてった方向が家のある木だった気がするけどまぁいいや

レイは始終頭痛がするとでも言いたげな顔で根っこを見ていた.......見張ってた?




肉の塊をいくつかとさっき拾った芋をカゴに背負い川へ向かう

ちょっと試してみたいことがあるのよ

「あ、レイ一緒に来る?」

「.......何しに行くの?」

「実験」

「..............はぁ、ついていくよ」

レイがしっぽに戻る


嫌なら来なきゃいいのに



「(コイツ絶対なにかやらかす)」




木の上にある鳥の巣のような家

小学生の頃好きになった本に出てきたんすよねぇ

どうしてもそんな家に住んでみたかった

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ