4話 能力の確認
来たぞ、異世界
そもそも異世界らしさってなんだ?魔法か剣か。
森の中の開けた場所にいるみたいだ。
なんかこの森……人の手が入ってる?森なのにそこまで視界は悪くないし切り株もある。
周りに動くものは見当たらない、さて、どうしようか?
能力の確認をしたいとこだけど、ここが安全かどうかもわからないしな。
獣道と思いきや古い道らしきものを見つけたのでそこを辿る。のびた木枝で分かりにくかったがそこだけ木がないのでわかった。
「なんが人工物多いなぁこの森」
この道だって草がぼーぼーなのを除けばかなり歩きやすいし、さっきは朽ちかけた木柵があった。
「前にひとがすんでたのかね?…………おっと」
道を辿った先に人気のない村?を見つけた。何かいないかコソコソ入るも、やはり人が住まなくなってからそれなりに経っているらしい。崩れている家があちこちにある。
多いのがのっぺりした土壁でできた小さめの家で、次に多いのが木造、目立つ大きな建物は石造りだ。木造部分は朽ちて崩れているところが多い。
人の気配はもちろん動物の気配も無く、動いているのは虫くらいだ。
さて、どこに落ち着こうか
家の中をのぞいても荒らされた様子はないし、森よりは安全そう。
村の中心に近いところに石造りの建物が比較的キレイに残っていた。集会所?教会だったのかなぁ。
屋上は開けていて小さな鐘が設置されていた。
イタズラ心にまかせて鳴らしてみる。
カーンと澄んだ音があたりに響く。
音に釣られてなにか来るかもといまさら怖くなったのは内緒だ。
ここいらで能力の確認でもしようかな。
ではでは、
「ステータスオープン」
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名前:クレイ
種族:亜人族 -
スキル
「器用」
特殊スキル
「エネルギー操作?」「転生者」「女神フレスの加護」
その他
「神託」
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「あれ?ステータスの項目がない。うーんとりあえず分かるとこから見ていくか」
ステータスボードのカッコ内に触れると説明の画面が出た。
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「エネルギー操作?」
正反対のエネルギー生み出し操る? - に固有の能力
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説明少なくない?いや、設定通りだけども
あと設定に無いはずの「器用」ってなんなんだ
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「器用」
器用さに補正がつく
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そんな気はした。説明プリーズ
気を取り直してこっちはどんなかな
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「転生者」
言葉の読み書きの補助、ヘルプ機能
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「フレスの加護」
運が少し上がる、神託を受けることが出来るようになる、他
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雑過ぎやしないか?
して、最後
お、なんか長いぞ
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改めましてこんにちは、フレスです。-さんへの加護についてご説明します。
まず、あなたのランタンに帰還機能をつけました。なくしても念じれば手元に戻ってきます。そのランタンは扱いによっては危険物となりうるので長時間誰かに貸し与えたりしないでください。
次にそれぞれのキャラ設定に合わせた案内精霊をつけました。-さんの場合は設定にあった別人格「レイ」を参考に人格形成し、蛇の尾の形で存在します。また、切り離して独立した活動も可能です。
最後にステータスの表示に関してですが、今回を機に世界にステータス表記システムを導入しようとしたのですが、エラーが多く現段階では実装不可能となりました。近い将来テスターとしての協力をお願いするかもしれません。白い空間で出たステータスは別途お送りしました。
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案内精霊?…………「レイ」?まじでか
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設定③
自分の文体をつくれるが、それが本体とは別の人格を持っている。
「レイ」は、出来心・最初の悪心がモチーフ。悪人という程ではないが性格はよくない。体の主導権争いはおき(おこす気が)ない
(ちなみに主人格は最後の良心で名はクロウ、一応イイヤツ………………なんて芳ばしい中二だろうか)
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嫌だけど、出さなきゃ色んな事がわからないままになる………………やだなぁ。
ブツブツ文句言いながら尻尾をつくる。足を作った時よりもスムーズに、ぬらりと生えてきた白蛇の頭。
「やぁ、随分かかったね?」
「ひぃ」
「ひどいなぁ、僕を創ったのは君じゃないか。改めまして僕はレイ、よろしくマスター」
「よ、よろしくお願いします……その……『マスター』って?本体呼ぶ時は相棒かクロウだったような……」
「君は██とクロウの人格が混ざった存在なのさ、僕を創った創造主なのにパートナーなんて呼ぶわけないだろ?」
「…………」しょぼーん
「え、普通人格が混ざるとかに反応するんじゃないの?」
「えぇ?あぁうん………………
レイに距離を感じるぅぅぅうぅ」
「うわぁ!?くっつくな、撫でんなっ……こっの」ガブッ
「かおがー」
か ま れ た
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正座されられている私 正面に尻尾の白蛇
小一時間怒られた
その後色々質問してわかったこと
スキル「転生者」のヘルプ機能はステータスボードで出た説明らしい、あの妙に少ない説明はヘルプ機能が鑑定のなりそこないだからだとか。ちなみにそこら辺の草を見てなんか出ろーってやったら「草」って表示がでたわーい、ちくしょう
あとは私が来た道の正反対の道を辿っていれば大きな街に着くらしい。
「なんで正反対に来たのさ」
「だって森でどこ行けばいいなんてわからなかったもん」
「木より高く飛べばどっちかわかったんじゃないの?」
「え?」
「えぇ?……何その手があったかみたいな顔してんだよ。はぁ、まったく。もしかしてこれまでずっとその鳥足で歩って来たの?馬鹿だなぁ、足じゃなくて頭が鳥なんじゃない?いや鳥ならちゃんと飛んでただろうね」
「……」
怒られたから鳥足をモヤに戻す、これで飛べるはず。
「あぁ待ちなよ、街に着く頃には門が閉まってるはず、もう遅いしここで野宿……って僕らに寝る必要はなかったね、どうするの?」
「ね、寝れないの?!」
「寝れなくはないよ、必要が無いだけ。マトモな生き物じゃないって設定つけたろ、それでだよ」
「よかったー、じゃあ飽きるまでできることの確認でもしよー」
「……はぁ」
まずはどれだけ飛べるか試す。
足?がモヤの時は勝手に1m弱浮いていて、意識すればフヨフヨ飛べる。自転車位のスピードは出るみたい
ブーン
めっちゃ楽しい
ウィーー
あー楽しかった
で、なんだっけ
「できることの確認してたんじゃないの?」
「あぁそーだった」
「……」
「よーし次は体の変形やってみよー」
うーん、よく観察したことある生き物ならなんでもなれるや。
ひとつの種族になりきるのは結構難しいぐちゃぐちゃ混じっている程やりやすい。動物型になると来ていたローブ以外なくなったりした、体の一部だったのかな。
1番やりやすいのは頭が狼、腕がナゾの鉤爪、鳥脚に白蛇の尾。この姿は設定画としてよく描いていたものだ。
「ガウガウ(しゃべられない)
わふ(なーなー通じてるー?)」
「通じてるよ……だー尻尾振ろうとするなよこっちの体なんだから、ゆれるだろ!」
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あとはエネルギー操作?やってみよー
まずは火……じゃなくて水を出してみたい
ぐぬ
ジュッ
ひえっ
水が出たと思ったら火も出て蒸発してしまった。
うう、手が焦げた(ダメージ無し)
「マスター、まさか君の力が正反対のエネルギーをつくり出すことだって忘れてたりしないよね?」
「……」
「はいはい、設定を思い出そうか。まずはエネルギーの放出する場所を離さなきゃ」
「はい、」右手に火左手に水が出る
「手が焼けてるよっ!ランタンを使うんだよ?!え、待ってランタンの機能も忘れてたりなんてしないよね?!」
「」
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設定④
クレイのランタン
周囲のエネルギーをひたすら吸収する言わばブラックホール
エネルギーを押し付ければその分早く吸収するが直接触れていないエネルギーの吸収速度はそこまで早くない
普段は周囲の余っているエネルギーを吸う程度、頑張れば掃除機くらいは吸える。なおダ○ソン程ではない
使いようでは永久機関になる
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左手に水を、邪魔な火は右手に持ったランタンに吸わせる。
しばらく頑張ったけどしょぼい勢いの水が出るだけで進展はなかった。
あきた
ひまー
夜って長いー
「ねぇねぇヒマなのだよ」
「寝れば?」
「うーん寝よ」
てな訳で寝た おやすみー
モノカキってやっぱり難しいや