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橋の下の少女  作者: Mch.9
13/15

部屋

 扉を開けたら上階へと繋がる階段を見つけた。

階段を上がっていく。

誰にも見つからないよう辺りを伺いながらゆっくりゆっくり。

どうやらこの階段は物置の中にとりつけられているようだった。

物置から出て廊下を通り抜けた先の部屋へ入る。

そこで生垣の姿を発見した。

 

 その部屋は散らかっていた。

お世辞ですらきれいと言えないような散らかりようだった。

至るところに服は脱ぎ捨てられ、ゴミは纏められず散在し、床の表面は足場がなくなるほど物で覆い隠されていた。

場所によっては使用済みの食器やナイフなどが置かれ、下を見ずに歩いていたら足を怪我する危険すらあった。

その部屋の隅に布団の敷かれたスペースがあった。

そこにかろうじて納まるかのように彼女は横になっていた。

 

 生垣の発見により心臓が握られるような感覚を覚える。

落ち着くために呼吸のペースを遅くする。

落ち着いてから彼女の様子を再度見る。

大丈夫だ。

こちらに気づいた素振りはない。

まだ終わってはいない。

彼女の近くにサングラスの男はいないように思われた。

まだなんとかなるはずだ。


 床に散らばっているナイフの位置を確認する。

大股で三歩ぐらいの位置に落ちている。

それを拾って彼女に突き刺す。

問題なくできてしまうだろう。

だが殺人は良くない。


 他の案も考える。

いきなり飛び出していっておもいっきり顔を蹴飛ばす。

そして気絶するまで彼女を殴り続ける。

いくら先に手を出したのは無効とはいえ、そこまでやっていいものなのかと躊躇われる。

やめておこう。

 

 他の案も考える。

人体や動物の構造に詳しい彼女なら麻酔かなんかを持っているのではないかとも考えてみる。

それを見つけ彼女に突き刺して逃亡する。

これなら無力化できるかもしれない。

だが無理だろう。

医師でもない人間が麻酔を持っているなんて希望的観測だろう。

それに麻酔を持っていたのだとしたら動けなくなるまで飢餓に持ち込むなんてことはせず、神経なりを麻痺させて早期に行うこともできただろう。

だからおそらく持っていないだろう。

麻酔の効能をそこまで詳しく知らないため本当にそのようなことができるのかどうかわからないが。

 

 結局静かに横を通り過ぎることにした。

どうやら彼女は眠っているらしい。

物音建てずに静かに奥の扉へと向かう。

汚い足場のため足元にも最新の注意を払う。

もちろん彼女にも気づかれないように。

 

 奥の扉に手をかける。

ゆっくりと外に逃げ出すように。

「ガチャり!」

「誰!?」

 

 扉の音で彼女が起きてしまったようだ。

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